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『夏木 in 男子トイレ』
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『夏木、in 男子トイレ』
一緒に男子トイレに入ろうとした所、夏木さんがオレの手を引っ張り返した。
「え、ちょっと待て……アタシも入るのか!?」
「ボク一人で入ってどうするの? 一緒に遊ぶ場所なんだから一緒に下見しないとね?」
「う、うう……待て、ちょっと待て。これはマズいって……」
今までに無いほど抵抗する夏木さん。
前世で女子トイレといえば男子にとっては禁断の地だった。
エロいから入れないというより、入ったら人生が終わる、そういう意味での禁忌を感じる場所だ。
しかしオレが折れない事をわかっているだけに夏木さんは覚悟を決めたようだ。
夏木さんが体を小さくして入ってくる。
小声で「お、おじゃまします」と言っていた所が面白い。
「思ったより綺麗かな?」
「トイレに綺麗もなにもないだろ……」
男女比がこれだけ違うのならば使用率も段違いか。
女子トイレよりかなり狭いが、きちんとスペースが確保されている。
三基の小便器と個室が三つ。
感覚で言えば生前と同じ配置だ。
一方で、女子トイレはこの三倍以上のスペースがある。
ここが前世の学校と大きく仕様変更されている場所の一つだ。
これは女子の生徒数からして道理だろう。
男と違ってポロン&ジョーで済む構造ではないんだし、一人ああたりの用足しにも時間がかかる。
さて。
「夏木さん、どう思う?」
「な、なにが!?」
声をかけると夏木さんは、興味深そうに小便器を見ていた。
確かに彼女からすれば珍しいものなんだろうが、なかなかシュールな光景だ。
「ここで昨日みたいな事したら、バレるかな……」
「ど、どうだろうな」
先ほど校舎裏であーんしていてくれた時のような堂々さがない。
妙に緊張としているというか、紅潮しているというか。
やはりロケーションだろうか。
オレからすれば男子トイレなんて汚い場所だが(いや、ここのトイレは綺麗だけど)、夏木さんからすれば禁足地。
例えば前世でオレが美少女に女子トイレに誘われてエッチしましょうと言われたら興奮する……だろうか?
するに違いない……いや……あれ?
どうだろう。
案外そうでもない気がする。
性的趣味や嗜好は人それぞれだと思うがオレ的にはさほどクルものはないな。
しかし夏木さんの態度からして、この世界の女子には需要と羨望があるとみえる。
もしくは夏木さんが希少性癖所持者か、だ。
「夏木さん、男子トイレに入れって言われて興奮した? というか、今、興奮してる?」
「バ、バカっ! 興奮してるのはお前だろ!」
「別に? ボクはあくまで都合のいい場所を探しにきただけだよ?」
「うっ……いや……そのッ!?」
素でそう思っているオレに対して、夏木さんがますます慌てる。
図星だったらしい。
「……へー」
「な、なな、なんだよ!」
「夏木さん、エッチだなぁ。男子トイレ初体験で盛り上がって来ちゃった?」
「ちがっ!? アタシを変態みたいに言うな!」
金髪を振り回すように否定する夏木さん。
「ボクはエッチな女の子、大好きだよ? でもそれより――」
「そ、それより?」
オレは個室の一つの扉を開き、無言で中へといざなう。
「――それより大好きなのは、なんでも言う事を聞いてくれるエッチな女の子かな?」
夏木さんは顔を真っ赤にながらも、うなずいた。
一緒に男子トイレに入ろうとした所、夏木さんがオレの手を引っ張り返した。
「え、ちょっと待て……アタシも入るのか!?」
「ボク一人で入ってどうするの? 一緒に遊ぶ場所なんだから一緒に下見しないとね?」
「う、うう……待て、ちょっと待て。これはマズいって……」
今までに無いほど抵抗する夏木さん。
前世で女子トイレといえば男子にとっては禁断の地だった。
エロいから入れないというより、入ったら人生が終わる、そういう意味での禁忌を感じる場所だ。
しかしオレが折れない事をわかっているだけに夏木さんは覚悟を決めたようだ。
夏木さんが体を小さくして入ってくる。
小声で「お、おじゃまします」と言っていた所が面白い。
「思ったより綺麗かな?」
「トイレに綺麗もなにもないだろ……」
男女比がこれだけ違うのならば使用率も段違いか。
女子トイレよりかなり狭いが、きちんとスペースが確保されている。
三基の小便器と個室が三つ。
感覚で言えば生前と同じ配置だ。
一方で、女子トイレはこの三倍以上のスペースがある。
ここが前世の学校と大きく仕様変更されている場所の一つだ。
これは女子の生徒数からして道理だろう。
男と違ってポロン&ジョーで済む構造ではないんだし、一人ああたりの用足しにも時間がかかる。
さて。
「夏木さん、どう思う?」
「な、なにが!?」
声をかけると夏木さんは、興味深そうに小便器を見ていた。
確かに彼女からすれば珍しいものなんだろうが、なかなかシュールな光景だ。
「ここで昨日みたいな事したら、バレるかな……」
「ど、どうだろうな」
先ほど校舎裏であーんしていてくれた時のような堂々さがない。
妙に緊張としているというか、紅潮しているというか。
やはりロケーションだろうか。
オレからすれば男子トイレなんて汚い場所だが(いや、ここのトイレは綺麗だけど)、夏木さんからすれば禁足地。
例えば前世でオレが美少女に女子トイレに誘われてエッチしましょうと言われたら興奮する……だろうか?
するに違いない……いや……あれ?
どうだろう。
案外そうでもない気がする。
性的趣味や嗜好は人それぞれだと思うがオレ的にはさほどクルものはないな。
しかし夏木さんの態度からして、この世界の女子には需要と羨望があるとみえる。
もしくは夏木さんが希少性癖所持者か、だ。
「夏木さん、男子トイレに入れって言われて興奮した? というか、今、興奮してる?」
「バ、バカっ! 興奮してるのはお前だろ!」
「別に? ボクはあくまで都合のいい場所を探しにきただけだよ?」
「うっ……いや……そのッ!?」
素でそう思っているオレに対して、夏木さんがますます慌てる。
図星だったらしい。
「……へー」
「な、なな、なんだよ!」
「夏木さん、エッチだなぁ。男子トイレ初体験で盛り上がって来ちゃった?」
「ちがっ!? アタシを変態みたいに言うな!」
金髪を振り回すように否定する夏木さん。
「ボクはエッチな女の子、大好きだよ? でもそれより――」
「そ、それより?」
オレは個室の一つの扉を開き、無言で中へといざなう。
「――それより大好きなのは、なんでも言う事を聞いてくれるエッチな女の子かな?」
夏木さんは顔を真っ赤にながらも、うなずいた。
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