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『夏木、初めての壁ドン』
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『夏木、初めての壁ドン』
今日も同じ時間に呼び出した。
朝からこちらをチラチラと盗み見ていた夏木さんにかまわず、昨日の話をいっさいしなかったので昨日の事を幻覚か何かを見たかのように思い始めたらしかった。
そこへ不意打ちでそっと近づき「昨日と同じ場所、同じ時間にね」と言って先に教室を出た。
ちらりと振り返ったら夏木さんもこっちを見ていた。
とまどった顔を真っ赤にしながらも、黙ってうなずく。
そして放課後。
オレは昨日よりも早くきて隠れていた。
すると、夏木さんがキョロキョロと周囲を見回しながらやってきた。
昨日のように壁をもたれかかるも、そわそわと落ち着かない。
クラスで恐れられている硬派な不良とはとても思えない。
というか。
スカートのシワを気にしたり、鏡を取り出して髪を整え始めたりしだした。
なに、あのかわいい生き物。
見ているだけで楽しいが、オレはもっと楽しい事がしたいので声をかける。
「ごめんね。お待たせ」
「あ、お、おおおう」
なかなかに挙動不審だ。
「昨日はごめんね。変な事を頼んじゃって」
「……やっぱり昨日のアレは嘘とかアタシをからかってるとかじゃなくて本気なのか?」
「……ひどいな。夏木さんだからと思って打ち明けたのに」
「あ、や! すまん、そうだったな、疑って悪い、けど、どうして……セ……フ……とか、どういう事だ?」
話しているうちにどんどん小声になっていく夏木さん。すでに顔が赤い。
「うん。そうだね、わけがわからないし、ボクの事、気持ち悪い男と思ったかもね。もしそうだったら断ってもらっても……」
ちょっと様子を見る。
「だ、だ、大丈夫だ! けどよ? 理由っていうか、事情っつうか……もう少し詳しく説明して欲しいと思ってな!」
嫌がってる感じはない。
ま、オレが夏木さんの立場ならおいしい話すぎて、今の彼女みたいに不安になると思うだろうね。
まずはそれを解消させよう。
「複雑な事情なんて無いよ。ボクね、普通の人よりずっと性欲が強いみたいなんだ」
「せ……ッ」
性欲という直接的な言葉に反応する夏木さん。
オレだって前世でかわいい女の子に面と向かって言われたら赤面するだろう。
「けど一人で解消するのにも限界があるし」
「ひ、一人で解消……あ」
オレはずいっと近づく。
夏木さんが一歩下がる。
「だけど、こんな事、誰にも言えないよね? 夏木さんは昨日、委員長とか先生に頼れって言ったけど……言えると思う?」
「……まぁ、確かにちょっと言えないな……み、宮城、おい、顔が近いぞ……」
一歩、また一歩と距離を詰める。
「あ。うん、ごめんね。夏木さんの声がちょっと小さくて」
「わ、悪い!」
さらに詰める。
「う」
ついに宮城さんの背中が校舎の壁に。
オレはそれでもさらに一歩。
そして夏木さんを逃がさないように、その顔の両側に勢いよく手をつく。
「ひ」
壁ドン両手バージョンをされて、夏木さんらしからぬ声が漏れた。
「もう一度言うよ? ボクのセフレになって欲しいんだ」
「……ッ」
完全に固まった夏木さん。
そして目を閉じる。
キス待ちか?
オチるの早くない? 昭和ヤンキー魂はどこにいったのか?
今日も同じ時間に呼び出した。
朝からこちらをチラチラと盗み見ていた夏木さんにかまわず、昨日の話をいっさいしなかったので昨日の事を幻覚か何かを見たかのように思い始めたらしかった。
そこへ不意打ちでそっと近づき「昨日と同じ場所、同じ時間にね」と言って先に教室を出た。
ちらりと振り返ったら夏木さんもこっちを見ていた。
とまどった顔を真っ赤にしながらも、黙ってうなずく。
そして放課後。
オレは昨日よりも早くきて隠れていた。
すると、夏木さんがキョロキョロと周囲を見回しながらやってきた。
昨日のように壁をもたれかかるも、そわそわと落ち着かない。
クラスで恐れられている硬派な不良とはとても思えない。
というか。
スカートのシワを気にしたり、鏡を取り出して髪を整え始めたりしだした。
なに、あのかわいい生き物。
見ているだけで楽しいが、オレはもっと楽しい事がしたいので声をかける。
「ごめんね。お待たせ」
「あ、お、おおおう」
なかなかに挙動不審だ。
「昨日はごめんね。変な事を頼んじゃって」
「……やっぱり昨日のアレは嘘とかアタシをからかってるとかじゃなくて本気なのか?」
「……ひどいな。夏木さんだからと思って打ち明けたのに」
「あ、や! すまん、そうだったな、疑って悪い、けど、どうして……セ……フ……とか、どういう事だ?」
話しているうちにどんどん小声になっていく夏木さん。すでに顔が赤い。
「うん。そうだね、わけがわからないし、ボクの事、気持ち悪い男と思ったかもね。もしそうだったら断ってもらっても……」
ちょっと様子を見る。
「だ、だ、大丈夫だ! けどよ? 理由っていうか、事情っつうか……もう少し詳しく説明して欲しいと思ってな!」
嫌がってる感じはない。
ま、オレが夏木さんの立場ならおいしい話すぎて、今の彼女みたいに不安になると思うだろうね。
まずはそれを解消させよう。
「複雑な事情なんて無いよ。ボクね、普通の人よりずっと性欲が強いみたいなんだ」
「せ……ッ」
性欲という直接的な言葉に反応する夏木さん。
オレだって前世でかわいい女の子に面と向かって言われたら赤面するだろう。
「けど一人で解消するのにも限界があるし」
「ひ、一人で解消……あ」
オレはずいっと近づく。
夏木さんが一歩下がる。
「だけど、こんな事、誰にも言えないよね? 夏木さんは昨日、委員長とか先生に頼れって言ったけど……言えると思う?」
「……まぁ、確かにちょっと言えないな……み、宮城、おい、顔が近いぞ……」
一歩、また一歩と距離を詰める。
「あ。うん、ごめんね。夏木さんの声がちょっと小さくて」
「わ、悪い!」
さらに詰める。
「う」
ついに宮城さんの背中が校舎の壁に。
オレはそれでもさらに一歩。
そして夏木さんを逃がさないように、その顔の両側に勢いよく手をつく。
「ひ」
壁ドン両手バージョンをされて、夏木さんらしからぬ声が漏れた。
「もう一度言うよ? ボクのセフレになって欲しいんだ」
「……ッ」
完全に固まった夏木さん。
そして目を閉じる。
キス待ちか?
オチるの早くない? 昭和ヤンキー魂はどこにいったのか?
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