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『夏木、セフレになる』
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『夏木、セフレになる』
「ボクがお願いする事は誰にも言えない事なんだ。もし夏木さんが口外したら……ボクは生きていけないと思う。」
「そ、そんな大事かよ!? なんでアタシなんかに!? 委員長とか、先公とかいるだろ!?」
「ボクに優しくしてくれたから」
「み、宮城……」
気遣いしてくれたのは事実だし、悪い子じゃないだろう。
さて。
ここまでの内容を立場を逆転させて考えてみよう。
シチュエーションとしては転入してきた可愛い女の子が、クラスの不良を頼ってなんでもするからお願いを聞いて、と人気のない校舎裏で二人きり。
断る理由もないと思うが、内容的に深刻な話っぽいので安請け合いは難しい。
硬派な夏木さん、その返答はいかに?
「わかった。絶対に他言はしない。お前の秘密は墓まで持っていく!」
迷いのない声と目で即断した。
これはカッコいい。惚れそうだ。
だがすまない、夏木さん。
ここにいるのはこの世界準拠のかわいくてかよわい美少年ではない。
ガワはともかく、中身はエロビッチ(志願)な魂だ。
だからオレが夏木さんにお願いする内容も決まっている。
「じゃあ、お願いきいてもらえるかな?」
「ああ。何でも言え……けど、その前に手、手を放してくんないか?」
顔を真っ赤にさせたまま、オレに握られている手に視線を落とす夏木さん。
オレはその手をぐっと引き寄せた。
「え?」
オレの腕の中に夏木さんが引き寄せられる。
「は? お、おい? み、宮城?」
身長差はややオレが高い位で、ちょうどいいポジションだ。
抱き合うようになった姿勢のまま、夏木さんの耳にそっと囁く。
「あのね」
「ひゃぁ!」
あえて息がかかるように耳元で。
「ボクが夏木さんにお願いしたいのは……」
「お、おおおお、おう、な、ななな、なな、なんでも」
「セフレになって欲しいなって」
「おう! ま、まかせろ……え?」
言質はとった。
さっそく今から人のない教室で……とも思ったが思い直した。
せっかくだ。
今でしか楽しめないシチュエーションをその時その時、堪能しつつ色々楽しんでいこう。
オレはパッと体を放す。
「セ、セフレ……?」
オレの言葉を呆然と繰り返す夏木さん。
……あるよね、この世界にもセフレって言葉。
いや、これだけ顔が真っ赤になってるんだから、言葉の意味は理解しているけど、内容を把握していないだけだな。
ならば問題なし。
「うん。じゃあ、これからよろしくね。今日はもう遅いから、また明日」
「あ。うん。また。あし、た……」
手を振ると夏木さんも手を振り返してくれたが、心ここにあらずのままだ。
今の出来事を今夜一晩で反芻して、明日どんな顔でオレと接するかが楽しみだ。
「ボクがお願いする事は誰にも言えない事なんだ。もし夏木さんが口外したら……ボクは生きていけないと思う。」
「そ、そんな大事かよ!? なんでアタシなんかに!? 委員長とか、先公とかいるだろ!?」
「ボクに優しくしてくれたから」
「み、宮城……」
気遣いしてくれたのは事実だし、悪い子じゃないだろう。
さて。
ここまでの内容を立場を逆転させて考えてみよう。
シチュエーションとしては転入してきた可愛い女の子が、クラスの不良を頼ってなんでもするからお願いを聞いて、と人気のない校舎裏で二人きり。
断る理由もないと思うが、内容的に深刻な話っぽいので安請け合いは難しい。
硬派な夏木さん、その返答はいかに?
「わかった。絶対に他言はしない。お前の秘密は墓まで持っていく!」
迷いのない声と目で即断した。
これはカッコいい。惚れそうだ。
だがすまない、夏木さん。
ここにいるのはこの世界準拠のかわいくてかよわい美少年ではない。
ガワはともかく、中身はエロビッチ(志願)な魂だ。
だからオレが夏木さんにお願いする内容も決まっている。
「じゃあ、お願いきいてもらえるかな?」
「ああ。何でも言え……けど、その前に手、手を放してくんないか?」
顔を真っ赤にさせたまま、オレに握られている手に視線を落とす夏木さん。
オレはその手をぐっと引き寄せた。
「え?」
オレの腕の中に夏木さんが引き寄せられる。
「は? お、おい? み、宮城?」
身長差はややオレが高い位で、ちょうどいいポジションだ。
抱き合うようになった姿勢のまま、夏木さんの耳にそっと囁く。
「あのね」
「ひゃぁ!」
あえて息がかかるように耳元で。
「ボクが夏木さんにお願いしたいのは……」
「お、おおおお、おう、な、ななな、なな、なんでも」
「セフレになって欲しいなって」
「おう! ま、まかせろ……え?」
言質はとった。
さっそく今から人のない教室で……とも思ったが思い直した。
せっかくだ。
今でしか楽しめないシチュエーションをその時その時、堪能しつつ色々楽しんでいこう。
オレはパッと体を放す。
「セ、セフレ……?」
オレの言葉を呆然と繰り返す夏木さん。
……あるよね、この世界にもセフレって言葉。
いや、これだけ顔が真っ赤になってるんだから、言葉の意味は理解しているけど、内容を把握していないだけだな。
ならば問題なし。
「うん。じゃあ、これからよろしくね。今日はもう遅いから、また明日」
「あ。うん。また。あし、た……」
手を振ると夏木さんも手を振り返してくれたが、心ここにあらずのままだ。
今の出来事を今夜一晩で反芻して、明日どんな顔でオレと接するかが楽しみだ。
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