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白い雲
三
しおりを挟む奴らと目が合えば追いかけられる
「…………っ……」
他には目もくれず、真っ直ぐ前を見て走った
「…(あの道さえ越えれば…)」
或の言う〝あの道〟とは
ここ数日、髪の長い女が佇んでいる場所だ
「…(どうか…今日はいませんように…)」
ゆっくりと目を開けて確認すると、そこには
「…っ…!」
髪の長い女が立っていた
「…(いつもの奴じゃない……!?)」
だがそれは
いつもの女ではなく、赤い目をした少女だった
『……………』
「……っ…」
一瞬 その少女と目が合う
「…(やばい…ッ…)」
これ以上目が合わないように下を向いて駆け出す
「…(どうか…付いてきませんように)」
目を瞑り
少女の横を通ると
「…えっ…?」
通り過ぎざまに声が聞こえた
「どういう…意味…」
或は聞こえた言葉に驚き振り向く
「………あ……」
しかし、そこには少女の姿はなかった
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