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白い雲
二
しおりを挟む「……はぁ…」
或は深くため息をつくと
疲れた体を奮い起こし、仏間へと向かった
「母さん、ただいま…」
仏壇に一本の線香を立て、目を閉じ手を合わせる
「………………」
線香の香りが部屋中に広まり、その場で横になる
「今日は疲れたからこのまま寝よう……」
食事も取らず
母の遺影の前でうずくまり、目を閉じた
「……明日こそは…」
死者が見えなくなっている事を願って眠りについた
明日こそは、と。
ー翌日ー
シャワーと食事を済ませ、身支度を整えた或は母に挨拶をし家を出た
「………………」
警戒しながら辺りを見渡す
「……(今日はいない…?)」
サラリーマンや小学生、犬の散歩をしているお年寄りはいるが〝アレ〟の姿は確認できない
「……今のうちに」
鞄を抱え走り出す
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