葬送士

りふる

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白い雲

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【白雲 或(しらくも ある)16歳 男】



彼は三ヶ月前、唯一の家族である母を亡くした。


それはあまりにも突然の出来事で 
三ヶ月経った今でも、或は母親の死を受け入れることが出来ずにいた。


悲しみ、不安、虚しさ


それらが彼の心を蝕んでいた。



____初めの一週間〝は〟










__________



「……………いる」


コツコツコツッ…


「…いる…」


タタタタタッ… 


何かから逃れるように足速に帰路に就く或 


タタタタッ…! ガチャ…!


「はぁ…はぁ…」 


息を切らし、なんとか家の中に入ると玄関にしゃがみ込んで頭を抱えた


「…やっぱり幻覚なんかじゃない…」 


恐る恐る穴を覗き込むと
塀の向こうにいくつかの影が見えた


「…もう嫌だ…」


疲れなのか、精神的なものなのか


「…あれは生きてる人間なんかじゃない…」


母親の死を境に
或は見えるようになっていた


「………………」 


〝死者〟の姿が。
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