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番外編 シュノー・ブリューテ
聖者の聖水②
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私はナナセが排尿する様子を、まるで魅了の魔法にでも掛かったかのように瞬きも出来ずに見守っていた。
「うっ……うっ……ひっく……信じらんねえ! エリーの馬鹿っ!」
そうして漸く排尿が終わる頃、遂にナナセが泣き出した。
これには私も少し焦り始める。
「すまなかった。謝罪する。だから泣かないでくれ」
「こんなっ……こんなのっ……! 漏らしたってメイドにバレバレじゃねえか!」
確かに拭いてしまうにしてもモップはメイドが管理しているので取りに行けば気付かれてしまう。
かといって、タオルやシーツなどで拭いてバスタブで洗って干して置いたりなどすれば不自然すぎて今度はあらぬ方向へ誤解を招くだろう。
何食わぬ顔でメイドに任せるのが正解であり、最善の策だ。
「ブルーメンタール家のメイドは口が硬いから心配するな」
「それでもメイドにはバレるだろ! しかも何おっきくしてんだよ!」
挿入したままなので私の著しい反応を見過ごせなかったらしい。
おっきくしてしまったことは反省している。
謝罪と反省の意味を込めて目の前にある旋毛に口付けようとするも、頭を振って振り払われて一層激しく泣かれてしまう。
どうすれば泣き止んでくれるのか分からない。
困った。
「私が何か無理強いをしたということが知れるだけだ。ナナセの名誉に傷が付くことはない。どうか機嫌を直してくれないか」
「だから変なプレイしたことがバレるって言ってんだよ!」
「知られたから何だと言うのだ」
「恥ずかしいんだよ! 俺が!」
声を荒げているうちにどうにか泣き止んではくれたようだが、未だご立腹で手が付けられない。
私など、昼間盛大に部屋中に撒き散らした子種を掃除させたし、毎日、服やシーツをもっと恥ずかしいものでどろどろにしているのに今更だ。
そもそも聖者ナナセの尿なのだから、これこそ正しく聖水ではないのか。
有難がられることこそあれ、恥じることなど何もない――そこまで考えて聖水が他人の手に渡る可能性に思い至る。
駄目だ。
それだけは絶対に。
「……証拠隠滅しよう」
「って、おい、ちょっと待てエリー? なんか目が据わってねえ?」
「聖者の聖水が他人の手に渡るくらいならいっそ……」
「聖水って……ちょっ……! ああっ!」
背後からナナセの片脚を持ち上げ、挿入したままだった陰茎を引き抜いた。
ずりゅりゅっと粘膜が擦れ合い、中に溜まった子種が陰茎と一緒にぼたぼたと床に零れ、先に出来ていた黄色っぽい水溜まりを白いものが覆い隠していく。
「なっ……なんっ……!?」
「子種は溶けないからもっと量が必要か」
「うっ……うっ……ひっく……信じらんねえ! エリーの馬鹿っ!」
そうして漸く排尿が終わる頃、遂にナナセが泣き出した。
これには私も少し焦り始める。
「すまなかった。謝罪する。だから泣かないでくれ」
「こんなっ……こんなのっ……! 漏らしたってメイドにバレバレじゃねえか!」
確かに拭いてしまうにしてもモップはメイドが管理しているので取りに行けば気付かれてしまう。
かといって、タオルやシーツなどで拭いてバスタブで洗って干して置いたりなどすれば不自然すぎて今度はあらぬ方向へ誤解を招くだろう。
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どうすれば泣き止んでくれるのか分からない。
困った。
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「だから変なプレイしたことがバレるって言ってんだよ!」
「知られたから何だと言うのだ」
「恥ずかしいんだよ! 俺が!」
声を荒げているうちにどうにか泣き止んではくれたようだが、未だご立腹で手が付けられない。
私など、昼間盛大に部屋中に撒き散らした子種を掃除させたし、毎日、服やシーツをもっと恥ずかしいものでどろどろにしているのに今更だ。
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有難がられることこそあれ、恥じることなど何もない――そこまで考えて聖水が他人の手に渡る可能性に思い至る。
駄目だ。
それだけは絶対に。
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「聖水って……ちょっ……! ああっ!」
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「なっ……なんっ……!?」
「子種は溶けないからもっと量が必要か」
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異世界で聖者やってたら勇者に求婚されたんだが
第一章 聖者降臨
📖文庫版(紙の書籍)
📖Kindle(電子書籍)
📖BOOK☆WALKER(電子書籍)
次章続巻も順次刊行予定
OLOLON
※この作品の出版権は作者本人に帰属しています。詳しくはこちらを参照してください。
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