253 / 266
番外編 聖者の取説
聖者の取説③
しおりを挟む
まず「魔法」とは四大精霊に代表される人智を超えた力を用いて超常的な事象を実現させる手法のことで、魔力効率がいいのが特徴だ。
ナナセの使う闇魔法は生贄を必要とするが、「闇」という人智を超える力を用いるのでこれに分類される。
次に「魔術」とは宇宙の法則を用いて実現する術のことで、カバラに代表されるような体系化したものを指す。
以前、王宮の図書館でナナセが大喜びで閲覧していたアルビオンの魔導書は全て「魔術」に関する書物だった。
アルビオンではそれでも十分凄いことらしいが、「魔法」ほどの効果は得られない上に、「降霊術」なども行うため、この世界では手品や奇術と同じ扱いである。
「魔術」は魔導の知識がまだ一部の権力者の専有下にあり一般には秘匿されていた時代に、その恩恵に与れない者たちの間で流行した「錬金術」から派生したものなので発生自体は比較的新しい。
因みに昔と違い魔導の知識が広く開かれている現代に於いて「錬金術」は、精霊に訊けば卑金属から黄金を作り出すことは不可能だと分かるので現在はポーションやエリクサーを作る薬学の分野に特化して発展を遂げている。
錬金術も薬品を生成する過程で魔法を使うが、錬金術自体は魔法ではないので魔導には含まれない。
「魔法」と「魔術」の違いについてもうひとつ。
「魔法」はそれ自体に善悪はなく使用者によって善にも悪にもなり得るが、「魔術」には使用者の意図を問わず邪術とされる「黒魔術」という悪しき術がある。
これは後述の「呪術」とはまた違う方法で他者を呪う忌まわしき術だ。
そして「妖術」だが、これは妖精や鬼――オーガとは以前、魔導書を編纂するために訪れた創造都市ゴルゴヌーザで私がなりかけたもので、ナナセは「オニ」と呼んでいた――など、人外の存在が使う術が元になっていて、人族でも素養があれば訓練次第で使えるようになると言われているが、そういった者は滅多にいない。
最後に「呪術」だが、これは一子相伝の秘された術であり細分化されているため未だ解明されてない謎が多く、私やナナセが呪いを掛けられた時も解呪に困難を極めた。
ただ一つだけ明言出来るのは、前述の三種とは根本的な理念で一線を画しているということだ。
それから、魔法陣を使って術式を展開し、四大精霊の力を借りずに己の魔力を大量に消費し行使する転移魔法も「魔法」に分類される。
これは本来は「魔法」ではなく「魔術」に類されるべきものなのだが、行使するには膨大な魔力を必要とするため必然的に使える者が限定され、高位の魔法士くらいしかいないという理由で例外的に「魔法」と呼ばれているのだ。
ナナセの使う闇魔法は生贄を必要とするが、「闇」という人智を超える力を用いるのでこれに分類される。
次に「魔術」とは宇宙の法則を用いて実現する術のことで、カバラに代表されるような体系化したものを指す。
以前、王宮の図書館でナナセが大喜びで閲覧していたアルビオンの魔導書は全て「魔術」に関する書物だった。
アルビオンではそれでも十分凄いことらしいが、「魔法」ほどの効果は得られない上に、「降霊術」なども行うため、この世界では手品や奇術と同じ扱いである。
「魔術」は魔導の知識がまだ一部の権力者の専有下にあり一般には秘匿されていた時代に、その恩恵に与れない者たちの間で流行した「錬金術」から派生したものなので発生自体は比較的新しい。
因みに昔と違い魔導の知識が広く開かれている現代に於いて「錬金術」は、精霊に訊けば卑金属から黄金を作り出すことは不可能だと分かるので現在はポーションやエリクサーを作る薬学の分野に特化して発展を遂げている。
錬金術も薬品を生成する過程で魔法を使うが、錬金術自体は魔法ではないので魔導には含まれない。
「魔法」と「魔術」の違いについてもうひとつ。
「魔法」はそれ自体に善悪はなく使用者によって善にも悪にもなり得るが、「魔術」には使用者の意図を問わず邪術とされる「黒魔術」という悪しき術がある。
これは後述の「呪術」とはまた違う方法で他者を呪う忌まわしき術だ。
そして「妖術」だが、これは妖精や鬼――オーガとは以前、魔導書を編纂するために訪れた創造都市ゴルゴヌーザで私がなりかけたもので、ナナセは「オニ」と呼んでいた――など、人外の存在が使う術が元になっていて、人族でも素養があれば訓練次第で使えるようになると言われているが、そういった者は滅多にいない。
最後に「呪術」だが、これは一子相伝の秘された術であり細分化されているため未だ解明されてない謎が多く、私やナナセが呪いを掛けられた時も解呪に困難を極めた。
ただ一つだけ明言出来るのは、前述の三種とは根本的な理念で一線を画しているということだ。
それから、魔法陣を使って術式を展開し、四大精霊の力を借りずに己の魔力を大量に消費し行使する転移魔法も「魔法」に分類される。
これは本来は「魔法」ではなく「魔術」に類されるべきものなのだが、行使するには膨大な魔力を必要とするため必然的に使える者が限定され、高位の魔法士くらいしかいないという理由で例外的に「魔法」と呼ばれているのだ。
0
異世界で聖者やってたら勇者に求婚されたんだが
第一章 聖者降臨
📖文庫版(紙の書籍)
📖Kindle(電子書籍)
📖BOOK☆WALKER(電子書籍)
次章続巻も順次刊行予定
OLOLON
※この作品の出版権は作者本人に帰属しています。詳しくはこちらを参照してください。
第一章 聖者降臨
📖文庫版(紙の書籍)
📖Kindle(電子書籍)
📖BOOK☆WALKER(電子書籍)
次章続巻も順次刊行予定
OLOLON
※この作品の出版権は作者本人に帰属しています。詳しくはこちらを参照してください。
お気に入りに追加
1,326
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)


怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

ある日、人気俳優の弟になりました。
雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。
「俺の命は、君のものだよ」
初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……?
平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。
★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる