異世界で聖者やってたら勇者に求婚されたんだが

マハラメリノ

文字の大きさ
上 下
228 / 266
最終章 砂漠の薔薇

〇一九 聖者三段締め②

しおりを挟む
だが、そうと頭では分かっていても自分の意思で止められるもんじゃない。

「ひっ、あっ……! ひぃっ……んっ! やぁっ……!」

押し寄せる何かを遣り過ごそうとするも、悉く失敗して仰け反って身を捩ったところへエリアスが俺の臍の下辺りを撫でた。
見れば俺のチンコは何時吐精したのか既に力尽きてぐったりしている。
ケツで受ける感覚が強すぎて、出したことに全然気付かなかった。

「ほら。ナナセのここまで入っているのが分かるだろう?」

エリアスが俺の腹を撫でた。

「ひっ……」

分かる。
分かり過ぎるくらいに分かってしまう。
エリアスは最初の宣言通りの位置まで俺の中に入って来ていた。
それに俺の結腸がエリアスの鈴口にじゅぽじゅぽと吸い付いているし、内壁だって射精を促すようにうねっている。

「入口と中ほどと奥の三段で締め付けているのも分かるか?」
「ひんっ、ひんっぅ……」

それも分かる。
俺のそこがあさましくエリアスのチンコから精液を搾り取ろうとしてるのがありありと分かる。
俺はこんなにも全身でエリアスを求めているのか。
だが聖者三段締めは先着一名限りで締め切る所存。

後ろから覗き込むようにして口付けてくるエリアスの独占欲に救われた気がして、俺は夢中でエリアスの唇に吸い付いた。

「後ろからの方が楽だと思うから体勢を変えるぞ」

そう言ってエリアスは後ろから俺の腹に腕を回して抜けないようにしっかりと固定すると、俺を四つん這いにさせ獣が交尾するような姿勢を取る。

「ひあぁっ!」
「くっ……!」

繋がったまま体勢を動かされたことで、俺の中に挿入されていたエリアスのチンコが俺のイイところを抉って行ったのだ。
抉られた瞬間、チンコをきゅっと締め付けてしまい、エリアスも低く呻いた。
俺は腕から力が抜けて上半身を支えていられず、腰を高く突き出した格好でシーツの上にかくりと倒れ込んだ。
でも確かにこっちの体勢の方がさっきよりも遥かに楽だった。

「……ナナセ……私も余裕がない。すまないが動くぞ」

俺の返事を待たずにエリアスはピストンを開始する。
直後にバツッバツッと肉を穿つ音がして今まで経験したことがないような強烈な快感が身体中を駆け巡り、目の前に星が飛んだ。
挿入されるときより抜かれるときの方が快感が強い。
突かれる度に揺さぶられ、乳首がシーツに擦れるのが気持ちが良くて、俺は自分から乳首を擦り付ける。

もう、突っ込まれてるケツも腹ん中も、エリアスの腰使いも、全部が全部良くって俺は身も世もなく喘いでイきまくっていた。
セックスってこんなに気持ちが良いものだったのか。
エリアスの言っていたように身体の相性が良いのか。
それともエリアスが上手すぎるのか。
多分全部だ。

やがてエリアスがぶるりと身を震わせ射精すると、熱い精液がビュルビュルと注ぎ込まれ俺の腹の中はあっという間にエリアスの精液で満たされて、妊婦のようにぱんぱんに膨れてしまう。

「……ずっと自分でもしていなかったから溜まっていたんだ」

一体そのキンタマのどこにこれだけ入っていたんだよっていう精液の量に驚いている俺に、言い訳するようにそう言ってエリアスは少し照れている。

「私の子種は全てナナセのものだからナナセに捧げたいんだ」

浮気しろとは言わないけど、こんなに溜め込むくらいなら自分で抜いたほうがいいんじゃないのか。
チンコ爆発しちゃうだろ。
しかも今爆発しそうなのは、それを全部注入された俺の腹だ。

エリアスは絶倫だった。
途中でもう疲れたと俺が訴えると、ポーションを口移しで飲ませられてセックスを続行したのだ。
この世界には魔法だけじゃなくポーションなんてものまであるなんて驚きだが、さらに驚くべきことにポーションは賢者タイムの疲労感を吹き飛ばす効果があった。
長時間に亘る激しいセックスで本当に疲労している場合には効果がないだろうが、賢者タイムの疲労感は射精によって大脳皮質の活動が停止してしまうことで起こる現象で、実際に疲労しているわけではないからこそ効果があるのだろう。

あと多分だけど、セックス後にポーションを飲めばケツの穴も復活するのでアナルローズにはならない。
呪詛を掛けられる前の俺は、セックス中に無意識に治癒を行っていたらしく、そういった用途でのポーションは必要なかったらしい。

もうポーションでも誤魔化し切れないくらい俺がくたくたになるまでセックスしてもエリアスはまだ物足りなさそうだったが、魔力を封じられていて治癒が使えない今の俺を気遣ってその夜はそれでも手加減してくれていたようだ。
それって「今日のところはこのくらいにしといてやる」的なやつだなと思ったが、心地良い疲労とエリアスの体温に包まれて俺は睡魔に飲まれていった。
しおりを挟む
異世界で聖者やってたら勇者に求婚されたんだが
第一章 聖者降臨


📖文庫版(紙の書籍)
📖Kindle(電子書籍)
📖BOOK☆WALKER(電子書籍)

次章続巻も順次刊行予定
OLOLON

※この作品の出版権は作者本人に帰属しています。詳しくはこちらを参照してください。
感想 21

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

騎士は魔王に囚われお客様の酒の肴に差し出される

ミクリ21
BL
騎士が酒の肴にいやらしいことをされる話。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~

朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」 普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。 史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。 その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。 外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。 いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。 領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。 彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。 やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。 無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。 (この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)

処理中です...