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最終章 砂漠の薔薇
〇一三 「砂漠の薔薇」② ※エリアス視点
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ナナセは飾り窓の向こうでカウチソファーに凭れて股間に手をやっている。
向こうからはこちらが見えないのか、見られていることにまるで気付いていないようで無頓着に自慰をしていた。
ナナセだ。
夢ではない本物のナナセだ。
だが、何をやっているんだナナセ。
「かっわいいおちんちんだなあ!」
「見ろよあの綺麗なピンク色。碌に自分でシコったこともねえのか」
「オレの真っ黒なデカマラ見せたら怖がらせちまうかな」
「怖がらせた分、悦ばせてやりゃあいいだろ」
「ばっかおめえ、あの子はまだ水揚げ前だぞ。『砂漠の薔薇』の初物なんざ幾らふんだくられるか分かったもんじゃねえ」
「つーか、根元のあれ、淫紋じゃねえか?」
「あの器量で初物で更に淫紋付きか。一体幾らするんだよ」
観客の男たちが下品なことを言い合っている中、ギリッという音がして何かと思えば私が奥歯を噛み締めた音だった。
「た、隊長!? 気を確かに!」
連れてきた部下が全員、自分は聖者様のあられもない姿など見てませんというように後ろを向く。
「……大丈夫だ。私は冷静……そう冷静だ……」
――あれは、淫紋などではない。
あれは呪詛によって対象の魔力を封じる「封魔紋」だ。
しかももっと詳しく見てみないことにははっきりとしたことは分からないが、基本形の他に何か手を加えられているように見える。
恐らくナナセの痕跡を隠蔽し捜索魔法を攪乱させるための呪詛に違いない。
魔力を封じ、痕跡も隠蔽されていれば、式に出席するため世界中から来訪していた名立たる魔法士たちにもナナセが見つけられなかったのも頷ける。
この状況に救いがあるとすれば、ナナセがまだ水揚げ前だという一点のみだろう。
「至急陛下に連絡しろ。聖者ナナセは何か改変を加えられた封魔紋を施されて魔力を封じられている。解呪の出来る者を集めておいて欲しいと」
「封魔紋……!? は! 直ちに!」
部下の一人が庭の隅の木陰で通信用の水晶で本国と連絡を取っている間もナナセの自慰は続いていた。
ナナセの自慰を見るのは私も初めてだ。
以前、私の陰茎を使用して自慰の真似事のようなものをしたことはあったが。
あれはあれでなかなか趣深かった。
ナナセは指で輪を作り、激しく陰茎を扱いているが、その刺激だけではまだ達することが出来ないのか、手を止めてしまう。
それからもどかしそうに着衣を緩め、薄紅に色付いて既に硬く尖ってツンと自己主張している乳嘴を躊躇いがちに曝け出した。
捲り上げた着衣の裾を咥えて歯を食いしばっている姿がいじらしい。
途端に観客の男たちから冷やかしの口笛や歓声が上がる。
向こうからはこちらが見えないのか、見られていることにまるで気付いていないようで無頓着に自慰をしていた。
ナナセだ。
夢ではない本物のナナセだ。
だが、何をやっているんだナナセ。
「かっわいいおちんちんだなあ!」
「見ろよあの綺麗なピンク色。碌に自分でシコったこともねえのか」
「オレの真っ黒なデカマラ見せたら怖がらせちまうかな」
「怖がらせた分、悦ばせてやりゃあいいだろ」
「ばっかおめえ、あの子はまだ水揚げ前だぞ。『砂漠の薔薇』の初物なんざ幾らふんだくられるか分かったもんじゃねえ」
「つーか、根元のあれ、淫紋じゃねえか?」
「あの器量で初物で更に淫紋付きか。一体幾らするんだよ」
観客の男たちが下品なことを言い合っている中、ギリッという音がして何かと思えば私が奥歯を噛み締めた音だった。
「た、隊長!? 気を確かに!」
連れてきた部下が全員、自分は聖者様のあられもない姿など見てませんというように後ろを向く。
「……大丈夫だ。私は冷静……そう冷静だ……」
――あれは、淫紋などではない。
あれは呪詛によって対象の魔力を封じる「封魔紋」だ。
しかももっと詳しく見てみないことにははっきりとしたことは分からないが、基本形の他に何か手を加えられているように見える。
恐らくナナセの痕跡を隠蔽し捜索魔法を攪乱させるための呪詛に違いない。
魔力を封じ、痕跡も隠蔽されていれば、式に出席するため世界中から来訪していた名立たる魔法士たちにもナナセが見つけられなかったのも頷ける。
この状況に救いがあるとすれば、ナナセがまだ水揚げ前だという一点のみだろう。
「至急陛下に連絡しろ。聖者ナナセは何か改変を加えられた封魔紋を施されて魔力を封じられている。解呪の出来る者を集めておいて欲しいと」
「封魔紋……!? は! 直ちに!」
部下の一人が庭の隅の木陰で通信用の水晶で本国と連絡を取っている間もナナセの自慰は続いていた。
ナナセの自慰を見るのは私も初めてだ。
以前、私の陰茎を使用して自慰の真似事のようなものをしたことはあったが。
あれはあれでなかなか趣深かった。
ナナセは指で輪を作り、激しく陰茎を扱いているが、その刺激だけではまだ達することが出来ないのか、手を止めてしまう。
それからもどかしそうに着衣を緩め、薄紅に色付いて既に硬く尖ってツンと自己主張している乳嘴を躊躇いがちに曝け出した。
捲り上げた着衣の裾を咥えて歯を食いしばっている姿がいじらしい。
途端に観客の男たちから冷やかしの口笛や歓声が上がる。
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