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最終章 砂漠の薔薇
〇〇六 内覧会①
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昨夜はよく寝た。朝まで熟睡だった。
起こしに来たメイドに手伝って貰って顔を洗い終えると、別のメイドが朝食を持ってくる。
昨夜の晩飯が旨かったから朝飯にも期待が高まるぜ。
大きなプレートに盛られて来たのはターンオーバーの目玉焼き、カリカリに焼いたベーコン、色んな種類のソーセージ類と血を腸詰にしたブラックプディングと血の入ってないホワイトプディングは表面をこんがり炙ってあり、薄切りにしてグリルしたトマト、マッシュルームのソテー、ベイクドビーンズはインゲン豆じゃなくてレンズ豆だったがこれは入手の都合だろう。
それからソーダブレッドとボクスティっていう薄く焼いたジャガイモのパンケーキにたっぷりのバターと紅茶。
これ、伝統的なアイリッシュブレックファストじゃないか。
まあ朝飯もすげえ旨くて食い過ぎたから細かいことはいいんだけど、この世界の食文化の勢力図がよく分からない。
昨夜は東欧と中東の融合だと思ったのに、今朝はアイルランドという。
そういえばここの公用語はラテン語ベースっぽいのに固有名詞は英語っぽいものが多いからその影響だろうか。
異世界人がアルビオン人って呼ばれてるのも気になる。
そもそもアルビオンってラテン語の「白い」を語源とするイギリスの雅名じゃないか。
固有名詞はドイツ語っぽいのが多い気がしてたんだけどな……。
――ん?
固有名詞はドイツ語?
今どこからドイツが出て来たんだ?
だってそれっておかしくないか?
この世界で俺が今まで聞いてきた「固有名詞は英語っぽい」のに、俺は今何で「固有名詞はドイツ語っぽい」って思い込んでたんだ?
不意に浮かんだその違和感に俺は自分に自分で説明が付けられなかった。
悶々としながらも朝からもりもり食って、今日は何をさせられるのかと思ったら、またメイドに風呂に入れられ香油を塗られて頭の天辺から爪先までピカピカに磨き上げられた。
風呂は好きだからいいけどさ、昨夜のネグリジェとドロワーズみたいなピンクのフリフリの服は止めて欲しい。
――なんて思っていた時期が俺にもありました。
これを着ろと出された服を見るまでは。
メイドが取り出したのは繊細な金のチェーンを幾重にも重ねて宝石を連ねただけの、果たしてこれを「着る」と言っていいのかどうか甚だ疑問な代物だった。
そもそもこれは「服」なのか?
哲学的な意味で「服」という概念を「着る」のか?
これ、あれだろう?
中世の欧州で身分の低い娘が身分の高い貴族の男を誘惑するために夜会で身に着けたっていうあれだろ?
詳細に説明するのも嫌だが敢えて説明すると、何本もの細いチェーンのネックレスとブレスレットとボディチェーンをチェーンで繋ぎ合わせたようなものだ。
以上。布面積ゼロ。防御力ゼロ。
全裸より恥ずかしいってどういうことだよ!?
やっぱりピンクのフリフリでいいです!
しかもこの「服」はそれだけでは飽き足らず、幾本かのチェーンが垂れ下がった花のような形のクリップで乳首を挟み、更にネックレスから繋がったチェーンを左右のキンタマとチンコの根元と雁首に引っ掛けて宝石の付いたピン飾りを鈴口から尿道にぶっ刺すという衝撃のアイテムだったのだ。
起こしに来たメイドに手伝って貰って顔を洗い終えると、別のメイドが朝食を持ってくる。
昨夜の晩飯が旨かったから朝飯にも期待が高まるぜ。
大きなプレートに盛られて来たのはターンオーバーの目玉焼き、カリカリに焼いたベーコン、色んな種類のソーセージ類と血を腸詰にしたブラックプディングと血の入ってないホワイトプディングは表面をこんがり炙ってあり、薄切りにしてグリルしたトマト、マッシュルームのソテー、ベイクドビーンズはインゲン豆じゃなくてレンズ豆だったがこれは入手の都合だろう。
それからソーダブレッドとボクスティっていう薄く焼いたジャガイモのパンケーキにたっぷりのバターと紅茶。
これ、伝統的なアイリッシュブレックファストじゃないか。
まあ朝飯もすげえ旨くて食い過ぎたから細かいことはいいんだけど、この世界の食文化の勢力図がよく分からない。
昨夜は東欧と中東の融合だと思ったのに、今朝はアイルランドという。
そういえばここの公用語はラテン語ベースっぽいのに固有名詞は英語っぽいものが多いからその影響だろうか。
異世界人がアルビオン人って呼ばれてるのも気になる。
そもそもアルビオンってラテン語の「白い」を語源とするイギリスの雅名じゃないか。
固有名詞はドイツ語っぽいのが多い気がしてたんだけどな……。
――ん?
固有名詞はドイツ語?
今どこからドイツが出て来たんだ?
だってそれっておかしくないか?
この世界で俺が今まで聞いてきた「固有名詞は英語っぽい」のに、俺は今何で「固有名詞はドイツ語っぽい」って思い込んでたんだ?
不意に浮かんだその違和感に俺は自分に自分で説明が付けられなかった。
悶々としながらも朝からもりもり食って、今日は何をさせられるのかと思ったら、またメイドに風呂に入れられ香油を塗られて頭の天辺から爪先までピカピカに磨き上げられた。
風呂は好きだからいいけどさ、昨夜のネグリジェとドロワーズみたいなピンクのフリフリの服は止めて欲しい。
――なんて思っていた時期が俺にもありました。
これを着ろと出された服を見るまでは。
メイドが取り出したのは繊細な金のチェーンを幾重にも重ねて宝石を連ねただけの、果たしてこれを「着る」と言っていいのかどうか甚だ疑問な代物だった。
そもそもこれは「服」なのか?
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これ、あれだろう?
中世の欧州で身分の低い娘が身分の高い貴族の男を誘惑するために夜会で身に着けたっていうあれだろ?
詳細に説明するのも嫌だが敢えて説明すると、何本もの細いチェーンのネックレスとブレスレットとボディチェーンをチェーンで繋ぎ合わせたようなものだ。
以上。布面積ゼロ。防御力ゼロ。
全裸より恥ずかしいってどういうことだよ!?
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異世界で聖者やってたら勇者に求婚されたんだが
第一章 聖者降臨
📖文庫版(紙の書籍)
📖Kindle(電子書籍)
📖BOOK☆WALKER(電子書籍)
次章続巻も順次刊行予定
OLOLON
※この作品の出版権は作者本人に帰属しています。詳しくはこちらを参照してください。
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