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最終章 砂漠の薔薇
〇〇二 俺氏と四〇人の奴隷商①
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「痛ッ! 痛ェッって! やめろ! やめろーっ!」
何を止めて欲しいかって、全裸で脚を大きく開かされるという恥ずかしい体勢で、褐色の肌の大男たちが俺のケツの穴を押し広げてやけに念入りに見ているのだ。
やめて!
後ろは処女だし前も童貞なの!
これってどういう状況!?
何で俺がこんな目に!?
気が付いたら俺は炎天下の砂漠にいて、駱駝に乗った一団が近付いてきたと思ったらあっという間に囲まれて、この大男たちに荷物みたいに駱駝に括り付けられて岩場のアジトみたいな場所に連れて来られて、着ていた服も装飾品も全て奪われた。
俺は常々駱駝に乗りたいと思っていたけど、それはフタコブラクダのコブの間に跨りたいという意味であって、ヒトコブラクダに荷物みたいに括り付けられて運ばれたいという意味では断じてない。
そんで今は、大男のぶっとい指にケツの穴の処女まで奪われそうになっているのだ。
こいつら盗賊か何かだろうか。
服装や風体が「アリババと四〇人の盗賊」の絵本に出てくる盗賊にそっくりだ。
今は俺氏と四〇人の盗賊だから、アリババじゃなくて俺の名前、俺は――俺は――誰だっけ……?
嘘だろ!?
なんにも思い出せない!
ここは誰? 俺はどこ?
じゃなかった。ここはどこ? 俺は誰?
【悲報】俺氏まさかの記憶喪失!?
「どう思う?」
「初物で間違いないだろ」
「それにこれは淫紋だな」
「別嬪とはいえ、まだ下の毛も生え揃ってねえ餓鬼に淫紋ねえ……俺たちが言うのもなんだがエグイことしやがる奴がいたもんだぜ」
俺ヤバくね!?
それより淫紋ってあの淫紋!?
不穏なワードに首を捻って自分の身体をあちこち見回してみれば、俺の下腹部のチンコのすぐ上あたりに変な模様が描かれている。
ていうかその場所にあったはずの俺のアンダーなヘアーが綺麗さっぱりなくなってるし!
そういえばさっきそれも言ってたね!
「下の毛も生え揃ってねえ」って言ってたね!
【秘宝】俺氏まさかのパイパン!?
記憶を失くしたことより、陰毛を失くしたことのほうが地味にショックがでかい。
「逆かもな。呪詛を受けるようなエグイことをコイツがしたのかも知れねえぜ」
「髪も爪も肌も手入れが行き届いてるから出荷直前にどこかから逃げ出してきた性奴隷か……?」
「この象牙色の肌はどう見てもうっかり転移してきたアルビオン人なんだが、歯並びが綺麗過ぎる」
「この手の象牙色の肌のアルビオン人はみんな歯並びが悪いもんだけどな」
そりゃあ俺は消防の頃、歯列矯正したからな!
嫌われがちな矯正装置だが、チタン合金製で格好良くて俺は大好きだった。
思えば俺の金属好きはあれからだな。
外すときは、あの子とお別れするのが悲しくして泣いたもんだ。
名前、なんだったっけあれは――そう、「ちぃたん」だ。
ちぃたんって名前だった。
自分の名前は覚えてないのに、なんであの子の名前は覚えてるんだよ。
あの子は何だったんだろう?
人間じゃなかったのは確かだけど、矯正装置の精?
わからない。
思い出せない。
なんにも思い出せない。
だがどうやら男たちが俺を売り飛ばすために品定めしているらしいことだけは分かる。
何を止めて欲しいかって、全裸で脚を大きく開かされるという恥ずかしい体勢で、褐色の肌の大男たちが俺のケツの穴を押し広げてやけに念入りに見ているのだ。
やめて!
後ろは処女だし前も童貞なの!
これってどういう状況!?
何で俺がこんな目に!?
気が付いたら俺は炎天下の砂漠にいて、駱駝に乗った一団が近付いてきたと思ったらあっという間に囲まれて、この大男たちに荷物みたいに駱駝に括り付けられて岩場のアジトみたいな場所に連れて来られて、着ていた服も装飾品も全て奪われた。
俺は常々駱駝に乗りたいと思っていたけど、それはフタコブラクダのコブの間に跨りたいという意味であって、ヒトコブラクダに荷物みたいに括り付けられて運ばれたいという意味では断じてない。
そんで今は、大男のぶっとい指にケツの穴の処女まで奪われそうになっているのだ。
こいつら盗賊か何かだろうか。
服装や風体が「アリババと四〇人の盗賊」の絵本に出てくる盗賊にそっくりだ。
今は俺氏と四〇人の盗賊だから、アリババじゃなくて俺の名前、俺は――俺は――誰だっけ……?
嘘だろ!?
なんにも思い出せない!
ここは誰? 俺はどこ?
じゃなかった。ここはどこ? 俺は誰?
【悲報】俺氏まさかの記憶喪失!?
「どう思う?」
「初物で間違いないだろ」
「それにこれは淫紋だな」
「別嬪とはいえ、まだ下の毛も生え揃ってねえ餓鬼に淫紋ねえ……俺たちが言うのもなんだがエグイことしやがる奴がいたもんだぜ」
俺ヤバくね!?
それより淫紋ってあの淫紋!?
不穏なワードに首を捻って自分の身体をあちこち見回してみれば、俺の下腹部のチンコのすぐ上あたりに変な模様が描かれている。
ていうかその場所にあったはずの俺のアンダーなヘアーが綺麗さっぱりなくなってるし!
そういえばさっきそれも言ってたね!
「下の毛も生え揃ってねえ」って言ってたね!
【秘宝】俺氏まさかのパイパン!?
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「逆かもな。呪詛を受けるようなエグイことをコイツがしたのかも知れねえぜ」
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だがどうやら男たちが俺を売り飛ばすために品定めしているらしいことだけは分かる。
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第一章 聖者降臨
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📖BOOK☆WALKER(電子書籍)
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※この作品の出版権は作者本人に帰属しています。詳しくはこちらを参照してください。
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