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第三章 黎明と黄昏
〇三〇 音速の貴公子②
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ああ、そうか。
そうだ、そうだったんだ。
ずっと俺を呼んでいたのはお前だったのか――ルヴァの燃え滓!
お前だったんだな。
どうすればいいのかなんて分からない。
月を指さすのに手を見ていては、その先にある月が見えないから。
俺はただ、月を見れば良かったんだ。
激しいピストンに揺さぶられながら、俺は真っすぐにエリアスを見て、それから指を絡めて繋いでいた手を胸のところへ持って行ってエリアスの手を両手で強く握り直した。
「エリー、俺がっ、いる、よっ……!」
返事の代わりに深く突き上げられ、またイッた。
イキながら子種を搾り取ろうと俺の雄膣が波打ってエリアスは低く呻いてまた俺に種付けする。
腹はエリアスの子種で破裂寸前で正直痛いし苦しいが、俺が今からやろうとしている闇魔法にはこれだけあってもまだ足りないかも知れない。
なんてたって魔導書を編纂するのだから。
エリアスは俺を護るために力が必要だった。
それで魔王なんかになっちゃいそうになってんだよな。
俺を護るのに必死で、自分を護れなかったんだ。
でも安心してくれよ。
そういうときのために俺がいるんだぜ。
エリーが俺を護るなら、俺がエリーを護るから。
俺は戦闘からっきしだけど、エリーだって治癒はからっきしだろ?
互いの足りないところを補い合って、二人合わせて丁度良かった。
俺たちはずっとそうしてきたじゃないか。
確かな手ごたえがあった。
手の中でそれは徐々に存在感を増して行き、次第に俺の手に負えないほどに膨れ上がる。
流石にエリアスも繋いだ手の中の異変に気付いて驚いているが、それでもピストンは止めなかった。
だが、手の中のそれは思ったより重い。
物理的な質量という意味の重さじゃない。
魔力の重圧とでも言おうか、耐えがたい重さが俺に圧し掛かる。
だめだ、もうだめだ。
溢れる――!
堪えきれずに目を瞑った刹那、俺の手を力強い手が覆った。
恐る恐る目を開けるとエリアスの手が覆うように俺の手を外側から包み込んでいるのが見える。
そこからは早かった。
俺一人のときより格段に速い。
流石、音速の貴公子!
「イク、イッっちゃう!」
「ナナセッ、イけ、好きなだけイけっ!」
エリアスが最奥を突き、子種を放つ。
刹那、手の中で何かが弾けた。
手を開くと、片手で握ったら隠せてしまいそうなほど小さな金色の金属の立方体が出来ていた。
それは宙に浮いたままゆっくりと回転していて、触れようとすると離れていく。
これが俺の……否、俺とエリアスの魔導書――。
「『黎明と黄昏』」
そうだ、そうだったんだ。
ずっと俺を呼んでいたのはお前だったのか――ルヴァの燃え滓!
お前だったんだな。
どうすればいいのかなんて分からない。
月を指さすのに手を見ていては、その先にある月が見えないから。
俺はただ、月を見れば良かったんだ。
激しいピストンに揺さぶられながら、俺は真っすぐにエリアスを見て、それから指を絡めて繋いでいた手を胸のところへ持って行ってエリアスの手を両手で強く握り直した。
「エリー、俺がっ、いる、よっ……!」
返事の代わりに深く突き上げられ、またイッた。
イキながら子種を搾り取ろうと俺の雄膣が波打ってエリアスは低く呻いてまた俺に種付けする。
腹はエリアスの子種で破裂寸前で正直痛いし苦しいが、俺が今からやろうとしている闇魔法にはこれだけあってもまだ足りないかも知れない。
なんてたって魔導書を編纂するのだから。
エリアスは俺を護るために力が必要だった。
それで魔王なんかになっちゃいそうになってんだよな。
俺を護るのに必死で、自分を護れなかったんだ。
でも安心してくれよ。
そういうときのために俺がいるんだぜ。
エリーが俺を護るなら、俺がエリーを護るから。
俺は戦闘からっきしだけど、エリーだって治癒はからっきしだろ?
互いの足りないところを補い合って、二人合わせて丁度良かった。
俺たちはずっとそうしてきたじゃないか。
確かな手ごたえがあった。
手の中でそれは徐々に存在感を増して行き、次第に俺の手に負えないほどに膨れ上がる。
流石にエリアスも繋いだ手の中の異変に気付いて驚いているが、それでもピストンは止めなかった。
だが、手の中のそれは思ったより重い。
物理的な質量という意味の重さじゃない。
魔力の重圧とでも言おうか、耐えがたい重さが俺に圧し掛かる。
だめだ、もうだめだ。
溢れる――!
堪えきれずに目を瞑った刹那、俺の手を力強い手が覆った。
恐る恐る目を開けるとエリアスの手が覆うように俺の手を外側から包み込んでいるのが見える。
そこからは早かった。
俺一人のときより格段に速い。
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「イク、イッっちゃう!」
「ナナセッ、イけ、好きなだけイけっ!」
エリアスが最奥を突き、子種を放つ。
刹那、手の中で何かが弾けた。
手を開くと、片手で握ったら隠せてしまいそうなほど小さな金色の金属の立方体が出来ていた。
それは宙に浮いたままゆっくりと回転していて、触れようとすると離れていく。
これが俺の……否、俺とエリアスの魔導書――。
「『黎明と黄昏』」
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異世界で聖者やってたら勇者に求婚されたんだが
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次章続巻も順次刊行予定
OLOLON
※この作品の出版権は作者本人に帰属しています。詳しくはこちらを参照してください。
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