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第三章 黎明と黄昏
〇一八 「穢してしまった」 ※ヒュー視点
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⚠️過去。ヒュー×ナナセ睡眠姦(ナナセは知らない。ヒューの筆おろし)
それは魔王の城で聖者様が捕らわれているときのことだ。
おれはこじつけも甚だしい理由を笠に着て、魔王に慰み者にされて意識のない聖者様に童貞を捧げた。
精液は何時までも腸内に放置しておくと腹痛や下痢を引き起こすという。
指で粗方掻き出したが、結腸に溜まった分までは指では届かない。
異物を挿入して掻き出すのは腸壁を傷付ける恐れがあり躊躇われた。
アルビオンの人族が全員そうなのか、聖者様だけが特別なのかは分からないが、聖者様の身体は何処といわず全体的に小さい。
身体に厚みがないのは筋肉がついていないだけではなく、骨が細いのだと思う。
成人しているという噂だが、十四歳のおれよりも華奢に感じる。
魔王でなくても陰茎は結腸へ容易く届くだろう。
言い訳に聞こえるかもしれないが、そのときおれはまだ聖者様の治癒術が闇魔法であり子種を贄に捧げていることや、子種で体調を崩す心配はないということも知らなかったのだ。
聖者様の腕を空のバスタブの縁に引っ掛けて外に投げ出す格好で上半身を俯せにして凭れさせ小ぶりな臀部を抱え上げる。
初めて触れた肌の肌理は驚くほど細かくて手に吸い付くようだ。
おれは村では差別的な扱いを受けてはいたものの父親の悪しき血のせいで見目はそう悪くないので村の娘が色目を使いながらこれ見よがしに腕に乳房を押し付けられるようなことが間々あったが、吐き気を伴う嫌悪感しか募らなかった。
しかし、この時おれの陰茎は完全に勃起していて、みっともないくらいに先走りを滴らせていた。
挿入するだけなら、外に射精すれば大丈夫だ。
そう自分に言い聞かせて、己の陰茎と聖者様の秘所に潤滑油をたっぷりと塗り、性急に挿入し性急に腰を振り、気付いた時には中で射精していた。
大変なことをしてしまったと頭の片隅で思ったが、想像以上の快感に抗えなかったのだ。
おれは魔王のように性交にのめり込む者をまるで理解していなかった。
浅はかにも、性交にのめり込んで歯止めが利かなくなるのは個人の問題であり、おれは挿入しても完全に自分をコントロールできると信じて疑っていなかったのだ。
いざ自分がその状況に置かれたら、己を律することが出来なくなるとは微塵も考えていなかった。
結果、俺は獣のように腰を振り続け、二回、三回と吐精し、もう何回目かも数えられなくなったところで漸く我に返ることになる。
犯してしまった罪の意識に尚も昂り続ける陰茎を聖者様の中から引き抜くと、栓をなくしたそこから己の吐き出した精液がプシャッと溢れた。
それからおれはぶるぶると震える手で扱いて己を落ち着かせようとしたが、失敗して聖者様に向かって思い切り掛けてしまう。
そのとき何故か、中に出したときより強い罪悪感に苛まれたのを覚えている。
穢してしまった。
聖者様を己の汚い精液で穢してしまった。
それなのに俺の陰茎は未だ萎えるどころか一層昂っている。
穢れを落とさなければ。
おれはそのときぐちゃぐちゃに泣いていたと思うが、泣きながらもう一度己の勃起した陰茎を聖者様に挿入し、奥を突いた。
聖者様の雄膣はきゅうきゅうと締まりながら雄を誘うように波打って射精を促す。
射精をせずに引き抜けば、内壁が物欲しそうに縋りついてきて中に溜まっていた精液が外へ排出された。
信じられないことに、おれは恐ろしいほどの背徳を感じながら勃起が治まらなかったのだ。
そのとき、おれが忌み嫌っていた魔族の血を、おれ自身が誰よりも強く感じ嗚咽を止められなかった。
同時にまた、そのときほど興奮し陰茎を固くしたことはない。
だが、今では寧ろそれこそが最も人族らしい性のあり方だと知っている。
俺は純粋な魔族ならば、罪悪感など微塵も抱くことはなく、これほど昂ることはなかっただろう。
魔族が持ち得ない罪の意識こそが人族が人族たる所以なのだから。
おれは半人半魔ではあるが、そのとき確かに人族だったのだ。
腹がはち切れるほど体内に溜まっていた精液はすべて掻き出すことは出来たが、聖者様の穢れは落とせなかった。
おれに聖者様を穢すことは出来ても、穢れを落とすことは出来ないのだ。
あの勇者にならそれが出来るのだろうか。
おれのやっていることは、あの魔王と何ら変わりがない。
否、卑劣さで言えば、聖者様が認知し得ない状況下で犯している時点でおれのほうが酷いのだろう。
これは許されないことだ。
おれは決して許されないだろう。
皮肉なことに、この罪の意識こそが、おれが人でいられる唯一にして最後の砦なのだ。
それは魔王の城で聖者様が捕らわれているときのことだ。
おれはこじつけも甚だしい理由を笠に着て、魔王に慰み者にされて意識のない聖者様に童貞を捧げた。
精液は何時までも腸内に放置しておくと腹痛や下痢を引き起こすという。
指で粗方掻き出したが、結腸に溜まった分までは指では届かない。
異物を挿入して掻き出すのは腸壁を傷付ける恐れがあり躊躇われた。
アルビオンの人族が全員そうなのか、聖者様だけが特別なのかは分からないが、聖者様の身体は何処といわず全体的に小さい。
身体に厚みがないのは筋肉がついていないだけではなく、骨が細いのだと思う。
成人しているという噂だが、十四歳のおれよりも華奢に感じる。
魔王でなくても陰茎は結腸へ容易く届くだろう。
言い訳に聞こえるかもしれないが、そのときおれはまだ聖者様の治癒術が闇魔法であり子種を贄に捧げていることや、子種で体調を崩す心配はないということも知らなかったのだ。
聖者様の腕を空のバスタブの縁に引っ掛けて外に投げ出す格好で上半身を俯せにして凭れさせ小ぶりな臀部を抱え上げる。
初めて触れた肌の肌理は驚くほど細かくて手に吸い付くようだ。
おれは村では差別的な扱いを受けてはいたものの父親の悪しき血のせいで見目はそう悪くないので村の娘が色目を使いながらこれ見よがしに腕に乳房を押し付けられるようなことが間々あったが、吐き気を伴う嫌悪感しか募らなかった。
しかし、この時おれの陰茎は完全に勃起していて、みっともないくらいに先走りを滴らせていた。
挿入するだけなら、外に射精すれば大丈夫だ。
そう自分に言い聞かせて、己の陰茎と聖者様の秘所に潤滑油をたっぷりと塗り、性急に挿入し性急に腰を振り、気付いた時には中で射精していた。
大変なことをしてしまったと頭の片隅で思ったが、想像以上の快感に抗えなかったのだ。
おれは魔王のように性交にのめり込む者をまるで理解していなかった。
浅はかにも、性交にのめり込んで歯止めが利かなくなるのは個人の問題であり、おれは挿入しても完全に自分をコントロールできると信じて疑っていなかったのだ。
いざ自分がその状況に置かれたら、己を律することが出来なくなるとは微塵も考えていなかった。
結果、俺は獣のように腰を振り続け、二回、三回と吐精し、もう何回目かも数えられなくなったところで漸く我に返ることになる。
犯してしまった罪の意識に尚も昂り続ける陰茎を聖者様の中から引き抜くと、栓をなくしたそこから己の吐き出した精液がプシャッと溢れた。
それからおれはぶるぶると震える手で扱いて己を落ち着かせようとしたが、失敗して聖者様に向かって思い切り掛けてしまう。
そのとき何故か、中に出したときより強い罪悪感に苛まれたのを覚えている。
穢してしまった。
聖者様を己の汚い精液で穢してしまった。
それなのに俺の陰茎は未だ萎えるどころか一層昂っている。
穢れを落とさなければ。
おれはそのときぐちゃぐちゃに泣いていたと思うが、泣きながらもう一度己の勃起した陰茎を聖者様に挿入し、奥を突いた。
聖者様の雄膣はきゅうきゅうと締まりながら雄を誘うように波打って射精を促す。
射精をせずに引き抜けば、内壁が物欲しそうに縋りついてきて中に溜まっていた精液が外へ排出された。
信じられないことに、おれは恐ろしいほどの背徳を感じながら勃起が治まらなかったのだ。
そのとき、おれが忌み嫌っていた魔族の血を、おれ自身が誰よりも強く感じ嗚咽を止められなかった。
同時にまた、そのときほど興奮し陰茎を固くしたことはない。
だが、今では寧ろそれこそが最も人族らしい性のあり方だと知っている。
俺は純粋な魔族ならば、罪悪感など微塵も抱くことはなく、これほど昂ることはなかっただろう。
魔族が持ち得ない罪の意識こそが人族が人族たる所以なのだから。
おれは半人半魔ではあるが、そのとき確かに人族だったのだ。
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おれに聖者様を穢すことは出来ても、穢れを落とすことは出来ないのだ。
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これは許されないことだ。
おれは決して許されないだろう。
皮肉なことに、この罪の意識こそが、おれが人でいられる唯一にして最後の砦なのだ。
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