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第二章 魔王復活
〇一一 「俺のフラグ折れてるぞ」④ ※エリアス視点
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「えっ!? なんでエリーがそれ持ってんだよっ!?」
「やはりこれがそうか。魔王が大事そうに首から提げていたから回収してきた」
中身はどう見てもナナセの髪色のそれだし、もしやと思っていたが正解だったようである。
この中身は魔王に剃られたナナセの陰毛だ。
「回収すんな! 早く捨てろよそんなもん!」
「そうは言うが、本当に捨ててしまっていいのか? 剃られたのは何時だ? 救出してからもうずいぶんと時間が経っているが、君のそこは未だつるつるのままで生えてくる気配がないぞ。もしかしたら一生そのままかも知れない」
「なっ……!? マジかよ!? そういえば全然生えてこないな……一生このままだったらどうしよう……」
「そんなに深刻に考えなくても大丈夫だ。私は生えていても生えていなくても気にしないし、元より私しか目にしないのだから問題ない」
「そ、そっか、そうだよな。エリーがいいならいっか……でもそれは捨てろよ」
「誤魔化されてはくれなかったか。私の婚約者殿は聡いな」
「そんなんで誤魔化されるかよ。俺の婚約者は時々ちょっとポンコツだけどな」
「そうか……。一つ確認するが、私が君の記憶を失う以前から、君は私のもので、私は君のものだ。これは間違いないな?」
「うん、それは間違いないけど……」
「……ということは、この涙壺の中身も君の一部だったものなのだから、私に所有権があると思うのだが」
「結局そこに着地するのかよ!」
私が涙壺を振って見せると、ナナセは「折角いい雰囲気だったのにぶち壊しだ。ゲームだったら今ので俺のフラグ折れてるぞ。フラグクラッシャーかよ」と意味の分からないことをぶつぶつ言っていたが、この件についてはそれ以上議論するつもりはないようで、不意に伸び上がって口付けを強請ってきた。
逸る気持ちを抑えて唇を重ねると、ナナセは口付けが好きなようで、もうそれだけでうっとりと目を瞑る。
こんなに快感に脆くていいのか?
色々と大丈夫なのか?
口付けを交わしながら身体の泡を洗い流し、ナナセをバスタオルに包んでベッドへ運んだ。
肌理が細かく手に吸い付くような象牙色の肌の肢体は、余り筋肉が付いておらず小柄だが、成長期のそれではなく成人男性のものだった。
それだけに、下生えのないつるつるした下腹部が際立って艶めかしい。
「いいところがあれば言って欲しい」
今の私にはナナセに関する記憶がなく、いつもどうやってナナセを抱いていたのかが分からない。
過不足があって期待に沿えないのではないかという不安があるが、そこは熱意で補うしかないだろう。
「うん……じゃあ、もっとキスしたい」
要望に応えて再び唇を重ねると、まだ口付けしかしていないというのに、ナナセの小ぶりだが薄紅に色づいた陰茎も勃起して先走りを零した。
私も痛いくらいに勃起している。
だが、こんなところで無駄撃ちするわけにはいかない。
最初はやはり、ナナセの中に出したい。
「なんだか、初めてをやり直してるみたいだな。俺の初めての相手はエリーだったんだぜ?」
恥じらいながら照れ隠しのようにそう呟くナナセを見て、私は自分自身に激しく嫉妬した。
「やはりこれがそうか。魔王が大事そうに首から提げていたから回収してきた」
中身はどう見てもナナセの髪色のそれだし、もしやと思っていたが正解だったようである。
この中身は魔王に剃られたナナセの陰毛だ。
「回収すんな! 早く捨てろよそんなもん!」
「そうは言うが、本当に捨ててしまっていいのか? 剃られたのは何時だ? 救出してからもうずいぶんと時間が経っているが、君のそこは未だつるつるのままで生えてくる気配がないぞ。もしかしたら一生そのままかも知れない」
「なっ……!? マジかよ!? そういえば全然生えてこないな……一生このままだったらどうしよう……」
「そんなに深刻に考えなくても大丈夫だ。私は生えていても生えていなくても気にしないし、元より私しか目にしないのだから問題ない」
「そ、そっか、そうだよな。エリーがいいならいっか……でもそれは捨てろよ」
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「そんなんで誤魔化されるかよ。俺の婚約者は時々ちょっとポンコツだけどな」
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「うん、それは間違いないけど……」
「……ということは、この涙壺の中身も君の一部だったものなのだから、私に所有権があると思うのだが」
「結局そこに着地するのかよ!」
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逸る気持ちを抑えて唇を重ねると、ナナセは口付けが好きなようで、もうそれだけでうっとりと目を瞑る。
こんなに快感に脆くていいのか?
色々と大丈夫なのか?
口付けを交わしながら身体の泡を洗い流し、ナナセをバスタオルに包んでベッドへ運んだ。
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※この作品の出版権は作者本人に帰属しています。詳しくはこちらを参照してください。
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