異世界で聖者やってたら勇者に求婚されたんだが

マハラメリノ

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第二章 魔王復活

〇〇二 賢者の顔をした勇者②

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そんな折とはつまり、救護院から戻った俺がエリアスと絶賛セックス中だった折ってことだ。
一応、治癒の後は消耗が激しいから暫く休憩するってことになってるけど、ずっと二人で部屋に籠ってるし、終わった後は勇者が賢者の顔で現れるから俺たちがセックスしてるのなんて隊員のみんなにもバレバレだよな……。

忙しないノックの音に邪魔をされ、エリアスは不機嫌を隠さず「すぐに行く」と扉の外へ向かって返事をした。
セックスの邪魔されて怒らない生き物なんていないものな。

「……非常事態だ。おざなりになってしまうが、すまない」

トロトロに蕩けた頭では理解が追い付かず、淡褐色と淡緑色の混ざり合う榛色ヘイゼルの瞳に金色の光が揺れる様をとろんと見詰めていた刹那、ガンッと奥まで突き上げられたかと思うと、そのままガツガツと激しいピストンが始まった。

「はっ、激、しッ……! イッ……イッちゃ……あッ……!」

おざなりと言いつつ、エリアスは俺をきっちりイかせてから自分の俺の中に精を放つ。
俺は無意識にだいしゅきホールドしながら、エリアスのチンコをきゅうきゅう締め付けて子種をたっぷり搾り取り、満たされた気分でメスイキの余韻を味わった。

エリアスはゆるゆると数回腰を揺すって最後の一滴まで俺の中に注いでから引き抜くと、手早く俺の後始末をしてから自分も身支度を整える。

「先に行っているから、ナナセはゆっくり風呂に入ってから来い」
「ん、俺もすぐ行く……」
「駄目だ。そんな顔で人前へ出るな」
「そんな酷いか……?」
「襲ってくれと言っているようなものだ」
「……風呂、入ってから行く」
「それでいい」

よく考えたら賢者の顔をした勇者に言われることじゃなかったが、それでも俺は言われた通り、ゆっくり風呂に浸かってから制服を着て一階の談話室へ降りて行くと、召集を掛けられた隊員たちが出動準備を整えているところだった。
丁度現地と連絡を取っていたらしいエリアスがすぐに気付いて俺を手招きしたので側に寄る。

この世界の通信はビー玉みたいな小さな水晶玉で行う。
僅かな魔力で音声だけじゃなく映像も送れるし、なかなか高性能だが、スマホと同じで持っている者同士でないと連絡が取れない。
個人で所有している者は貴族や裕福な商人くらいなのだとか。
俺も通信出来たら便利だから、エリアスにやり方を教わって試させて貰ったら、魔力を込めた途端割ってしまったので二度と触らないようにしている。

魔法についてはその他にも、入隊してからエリアスに基礎から懇切丁寧に教えて貰ったんだけど、俺にはさっぱり使えなかった。
四大精霊――火、水、風、地のどれも俺に力を貸してくれないのだ。
俺が四属性魔法を使えないことをエリアスは大方予想していたらしく、最初からあくまで知識だけ教えるつもりでいたらしい。

因みにエリアスは勇者なので、その四種全ての精霊から祝福を受けていて、四種の属性を使いこなすことが出来るばかりでなく、精霊を使役することも出来るのだという。精霊たちのご贔屓だ。

どうも俺には、精霊の力や魔法陣を必要としない代わりに生贄を捧げる闇魔法の治癒術と、魔力と魔法陣に依るところが大きい転移魔法しか適性がないらしい。
四種の属性の盛り合わせ、精霊たちのご贔屓コースは羨ましいけど、元からハイスペックなエリアスと比べてはいけない。
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異世界で聖者やってたら勇者に求婚されたんだが
第一章 聖者降臨


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次章続巻も順次刊行予定
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