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第二章 魔王復活
〇一七 苛めたいわけではない①
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救護院で思わぬヴェイラの歴史を聞いた後で、治癒を施し、隊舎に戻ったのが三〇分前。
俺は今、何故か裸に剥かれて両腕をエリアスの制服の飾緒で拘束されてベッドの上に転がされている。
先にシャワーを浴びたいという俺の希望は却下された。
エリアスは香水付けてていつも良い匂いするけど、俺は違うんだよ。分かれよ。
でも、前に「俺も香水付けよっかな」って言っただけで渋い顔をされた。
自分じゃ自分の匂いは分からないけど、エリアスは俺本来の匂いが好きだから余計なものを付けて消して欲しくないらしい。
俺は香水なんて、知識がなさ過ぎて何を選んでいいのか自分では決められないし、どこで売ってるのかも知らない。
だから生粋の御貴族様のエリアスの協力が必要不可欠なのに、それが得られそうにないから香水は断念したんだった。
今日はあしながおじさんが訪ねてきたりして変な汗を掻いたから、良い匂いのするエリアスに、どう思われてるのか気になって落ち着かない。
「ナナセ。私はナナセを苛めたいわけではない」
そうだろうとも。
今エリアスが愉しそうに指先で苛めてるのは俺じゃなくて、俺の乳首だもんな。
エリアスは俺のそこを苛めるのが好きだし、俺もそこをエリアスに苛められるのは吝かではない。
でも俺、乳首弱いんだよ。
そんなに摘まんだり引っ張ったり押し潰したりしないでくれよ。
もうイキそう……。
「だったら、もうこれ解いてくれよ……」
俺は飾緒で拘束された両腕を突き出す。
縛られたところはじんじんするし、乳首弄られてイキそうだし、それに多分もうすぐ治癒の弊害である発情が始まっちまう。
「駄目だ。ナナセの身体に刻まれた、魔王にされたことの全ての記憶を、私の記憶で塗り替えるまで、私にナナセを愛させて欲しいんだ」
エリアスはまず、攫われていた間に俺が魔王から受けた辱めの数々を、ひとつひとつ俺の口から洗い浚い吐かせる作業から始めた。
そうして、エリアスはそれらを自分のそれで上書きしようとしているわけだ。
確かに魔王に縛られるより、エリアスに縛られた方が強烈に印象に残るだろう。
それを裏付けるかのように、魔王に縛られたときはただ痛いだけだったのに、今は縛られた手首がじんじんと甘い疼きを訴えていて、どうしようもなく感じてしまう。
恐らく、他でもないエリアスに縛られているという事実が俺をそうさせているのだ。
大体この状況だって、いくらエリアスが相手でも無理矢理縛られたんだったら俺だって少しくらいは抵抗していたと思うけど、実はこの緊縛プレイは双方同意の上でのことだった。
最初の口頭尋問で、俺が魔王に緊縛されたと聞くや否や、エリアスは切なそうに愛を囁きながら絶妙に俺が断れない感じで真面目に緊縛プレイを頼み込んでくるものだから、つい承諾しちまったんだよ。惚れた弱みだ。仕方ないだろ。
「それから、この唇を奪われたんだったな?」
「んっ……」
唇を擦り合わせるように重ねられた刹那、今度は喰われるかと思うほど深く口付けられる。
乳首を散々苛められていたこともあって、俺はそれだけで呆気なくイッた。
最近はもう、チンコに触られなかったらメスイキがデフォになりつつある。
射精しないでイクから賢者タイムに入ることはなくなったけど、メスイキって長いんだ。
気持ち良い――。
エリアスのキスは毎回うっとりするくらい気持ちが良い。
舌を絡め取られて俺も同じように返すと、舌先をちょっと吸われたから俺もエリアスの舌先をちょっと吸い返した。
何度も角度を変えながら唇と舌とで丁寧に愛撫するような口付けにうっとりと目を瞑り、俺は忽ち夢中になった。
魔王の口付けはトラウマ級に気持ち悪くて悔し泣きしてたのに、エリアスに口付けられただけで、そんなのが吹き飛んでしまうほど気持ちが良くて涙が零れる。
俺は今、何故か裸に剥かれて両腕をエリアスの制服の飾緒で拘束されてベッドの上に転がされている。
先にシャワーを浴びたいという俺の希望は却下された。
エリアスは香水付けてていつも良い匂いするけど、俺は違うんだよ。分かれよ。
でも、前に「俺も香水付けよっかな」って言っただけで渋い顔をされた。
自分じゃ自分の匂いは分からないけど、エリアスは俺本来の匂いが好きだから余計なものを付けて消して欲しくないらしい。
俺は香水なんて、知識がなさ過ぎて何を選んでいいのか自分では決められないし、どこで売ってるのかも知らない。
だから生粋の御貴族様のエリアスの協力が必要不可欠なのに、それが得られそうにないから香水は断念したんだった。
今日はあしながおじさんが訪ねてきたりして変な汗を掻いたから、良い匂いのするエリアスに、どう思われてるのか気になって落ち着かない。
「ナナセ。私はナナセを苛めたいわけではない」
そうだろうとも。
今エリアスが愉しそうに指先で苛めてるのは俺じゃなくて、俺の乳首だもんな。
エリアスは俺のそこを苛めるのが好きだし、俺もそこをエリアスに苛められるのは吝かではない。
でも俺、乳首弱いんだよ。
そんなに摘まんだり引っ張ったり押し潰したりしないでくれよ。
もうイキそう……。
「だったら、もうこれ解いてくれよ……」
俺は飾緒で拘束された両腕を突き出す。
縛られたところはじんじんするし、乳首弄られてイキそうだし、それに多分もうすぐ治癒の弊害である発情が始まっちまう。
「駄目だ。ナナセの身体に刻まれた、魔王にされたことの全ての記憶を、私の記憶で塗り替えるまで、私にナナセを愛させて欲しいんだ」
エリアスはまず、攫われていた間に俺が魔王から受けた辱めの数々を、ひとつひとつ俺の口から洗い浚い吐かせる作業から始めた。
そうして、エリアスはそれらを自分のそれで上書きしようとしているわけだ。
確かに魔王に縛られるより、エリアスに縛られた方が強烈に印象に残るだろう。
それを裏付けるかのように、魔王に縛られたときはただ痛いだけだったのに、今は縛られた手首がじんじんと甘い疼きを訴えていて、どうしようもなく感じてしまう。
恐らく、他でもないエリアスに縛られているという事実が俺をそうさせているのだ。
大体この状況だって、いくらエリアスが相手でも無理矢理縛られたんだったら俺だって少しくらいは抵抗していたと思うけど、実はこの緊縛プレイは双方同意の上でのことだった。
最初の口頭尋問で、俺が魔王に緊縛されたと聞くや否や、エリアスは切なそうに愛を囁きながら絶妙に俺が断れない感じで真面目に緊縛プレイを頼み込んでくるものだから、つい承諾しちまったんだよ。惚れた弱みだ。仕方ないだろ。
「それから、この唇を奪われたんだったな?」
「んっ……」
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