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第一章 聖者降臨
〇三四 ぐぬぬ
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「あれが聖者様!? なんかめっちゃ可愛くね!? ていうかちっちゃくね!?」
「聞いて驚け。あれでもとっくに成人しているらしいぞ」
「マジかよ! あれ以上大きくならないとか、合法か!」
「見ろよあの足首。ちょっと力入れたら折れちまいそう」
「足首ってお前、見てるところがマニアックだな。オレは断然あのちっちぇーケツにぶちこみてぇけどな」
「何でだよ!? あの朴念仁の隊長がどうやってあんな可愛い子を落としたんだよ!?」
「隊長みたいな事故物件でも勇者補正が付くと、あのレベルの子にも振り向いて貰えるのか……」
「いいな~隊長、あんな可愛い子と毎日ヤれんのかよ……」
「くっそ、隊長早く愛想つかされないかな」
「隊長が振られてもお前じゃ相手にもされないだろうよ」
「オレならワンチャン」
「ねーよ!」
――全部聞こえてるけど大丈夫か白騎士隊。
フリードリヒ陛下から慰問についての返答は昨日すぐに来て、是非にということで今日から早速赴くことになっていた。
そのついでに、今後エリアスがいないときに俺の警護に付いて貰う白騎士隊の隊員を紹介して貰う手筈になっていたのだが、そこへひょっこり顔を出したフリードリヒ陛下にエリアスが対応している間にこの有様だ。
本当に精鋭部隊なのか?
エリアスお前、隊員からも事故物件て評価なんだな?
それに俺に対するこの謎の高評価はなんなんだ。
俺、可愛いとか言われたの初めてだぜ。ありがとな。
全員男で俺のケツを狙っているというのが腑に落ちないが、そもそも他人から性の対象として見られることに慣れていないので何とも言えん。
勿論エリアスにも聞こえているらしく、俺の腰を抱いていた手が今はケツの方へ移動しているんだが特に触る気配とかはなくて、これは隊員の不躾な視線から隠そうとしてくれてる的なやつか?
俺のケツは勇者に守られてるのか?
エリアスお前ホントそういうとこな!
「――ナナセよ、此度の慰問の申し出、獣人領の君主として嬉しく思うぞ」
いけね。外野の話に気を取られてフリードリヒ陛下の話を聞いてなかった。
以前の朝食会みたいな席と違って、部外者がいる前で何時もの調子で話すわけにもいかないので、俺は一言「陛下」と言って目を閉じてお辞儀しておいた。
直々に声を掛けられて感極まってそれ以上話せない感じも出せるし「陛下」は万能だ。
「そうそう、其方が余に献上した『聖者のメダイユ』な、側近に自慢してやったら彼奴等羨ましがっての!」
フリードリヒ陛下が鼻持ちならない感じになっていた。
自慢すんなよそんなもん!
真鍮だぞあれ。真鍮っていったら銅と亜鉛の合金だぞ。
金も銀も入ってないんだぞ。
金属の価値だけみれば獣人領発行の銅貨一枚の価値より低いんだぞ。
五円玉とだいたい同じ素材だが五円玉より小さいんだぞ。
返す言葉が見つからないが、幾ら万能でも二連続「陛下」は駄目だろうと引き攣った笑顔を浮かべならエリアスを見上げて助けを求めると、俺の意図にすぐに気付いて「わかった」とアイコンタクトを送ってきた。
流石勇者様、頼りになるぜ!
「私も失くさぬようにこうして聖剣に埋め込み、肌身離さず持ち歩いています」
エリアスは言いながら聖剣の柄の部分に填まった貴石を指し示しながら良く見えるように掲げた。
見れば、どうやって入れたのか石の底にメダイユが透けている。
白騎士隊のほうから「おお~!」とどよめきが起こった。
待って♡
「なっ!? お主も持っておったのか!? 余だけではなかったのか……」
「ええ、勿論。私はナナセの婚約者ですから当然です」
エーリーアースー!
ちっげーよッ!
そーじゃねーだろッ!
助けてくれるんじゃなかったのかよ!
煽ってどうすんだよ!
「ぐぬぬ……」
リアルで「ぐぬぬ」って言う人初めて見たな。
エリアス、勇者なんだから王様苛めんなよ。
フリードリヒ陛下泣いちゃったじゃん。
王様泣かしといてドヤ顔でこっち見んな!
収拾付かないからチャッチャと治癒して帰るぞもう!
獣人領では病院の役割を担っているのは神殿で、職務中に怪我をしたり体調を崩したりした宮中勤めの者たちは、城の敷地内にある神殿塔で宮廷治癒術士に手当をして貰う。
治癒術を受けても完治に至らなかった者は、通常は自宅療養となり、入院のようなシステムがないため、城内の怪我人や病人をフリードリヒ陛下に召集を掛けて貰ったのだ。
神殿で俺は熱烈な歓迎を受け、治癒を施した後は大袈裟なほど感謝をされてその場を後にしたのだが、これには俺も思うところがあった。
フリードリヒ陛下の招集したのは貴族やそれに類する特権階級の者たちのみで、言うなれば上級市民ってやつだった。
王城で募ったのだから当たり前なのだが、こういう形で格差を見せつけられることを馬鹿で想像力の足りない俺は想定していなかったのだ。
無駄に女子力の高いファンシーな部屋までの帰り道、俺は始終無言で考え込んでいた。
俺はこのまま部屋に戻っていんだろうか。
気付いたのだから、まだやり直せるかも知れない。
後悔にも似た言い知れぬ感情に後ろ髪を引かれる想いで振り返れば、白騎士隊が一糸乱れぬ隊列を組んで付き従っている。
こういう様子を見るとやはり精鋭部隊なのだろう。
顔を上げると、窓の外には城内の広場が見えた。
俺の部屋のある塔は敷地の奥の方なので静かだが、ここは城門の近くで、昼間は商人などが入ってきて広場で露店を開いて商いをしているので活気がある。
「なあエリー、ちょっと寄り道してもいいか?」
急に立ち止まった俺の視線の先を追い、今から俺がやろうとしていることに瞬時に気付いたらしいエリアスが心配そうに覗き込んできた。
「……大丈夫なのか?」
「それはエリーの今夜の頑張りに掛かってる」
「それこそ杞憂だ」
不敵に笑ったエリアスの後ろから野次が飛ぶ。
だがしかし、さっきまでとは違い、今はフリードリヒ陛下がいない。
礼を取るべき相手がいないということは……。
「お前ら……さっきから私が黙っていれば……」
多分手加減はしていたんだと思われるが、振り向き様に聖剣を抜き放ったエリアスの魔法攻撃を乗せた剣戟が華麗に繰り出され、咄嗟に白刃を鞘走らせた隊員たちが障壁魔法のようなものを展開して霧散させて受け流した。
だがしかし、エリアスの背後に庇われていたにも拘わらず、ちょっと退くくらいの光とドンッという轟音と衝撃波を食らって俺氏完全にビビる。
衝撃波で肺の空気が押し出されて一瞬呼吸が止まったからな俺?
こ、攻撃魔法って初めて見た、けど、それよりもだな……。
エリアスが聖剣を振り抜いた刹那すっごい音したの、あれ、魔法じゃなくて剣の切っ先が音速を超えてた、から、じゃないか……?
戦闘機とか高速で移動する物体の飛行速度が音速に到達すると発生するソニックブームってやつ?
鞭でソニックブーム出せる人なら元の世界でもよくいるけど、剣で出せるのかよコイツ!
もうそれ魔法(物理)じゃね?
戦闘機一機分の戦力ってサーヴァントかよ!
――高度に発達した科学は魔術と見分けがつかない。
とはアーサー・C・クラークの言葉だが、俺の持病の中二病がエリアスが格好良すぎて倒れそうだって全力で訴えている。
頼んだら見せてくれるかな?
「ちょっ! 隊長っ! こんなとこでマズイっすよそれ! 城壊す気っすか!?」
「お前たちが肉壁となれば壊れない!」
「ひでえっ!」
「聖者様、隊長はこういうヤツなんですよ! 騙されないでくださいね!」
「貴様、何勝手にナナセに話しかけている!? 死ぬか!?」
「うわ、心狭っ!」
……。
あー、これ、DKがじゃれてるやつですわー。
きっとパワーが有り余ってるんだな。
格好良いとか思って損したわ。
それにしても、エリアスが戦うところを初めて見たけど、幾ら白騎士隊といえど勇者と実力差は歴然で、エリアスが一方的に弱い者苛めをしているようにしか見えなかったのがとても印象的だった。
もうこいつら置いてっていいかな?
「聞いて驚け。あれでもとっくに成人しているらしいぞ」
「マジかよ! あれ以上大きくならないとか、合法か!」
「見ろよあの足首。ちょっと力入れたら折れちまいそう」
「足首ってお前、見てるところがマニアックだな。オレは断然あのちっちぇーケツにぶちこみてぇけどな」
「何でだよ!? あの朴念仁の隊長がどうやってあんな可愛い子を落としたんだよ!?」
「隊長みたいな事故物件でも勇者補正が付くと、あのレベルの子にも振り向いて貰えるのか……」
「いいな~隊長、あんな可愛い子と毎日ヤれんのかよ……」
「くっそ、隊長早く愛想つかされないかな」
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「オレならワンチャン」
「ねーよ!」
――全部聞こえてるけど大丈夫か白騎士隊。
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そのついでに、今後エリアスがいないときに俺の警護に付いて貰う白騎士隊の隊員を紹介して貰う手筈になっていたのだが、そこへひょっこり顔を出したフリードリヒ陛下にエリアスが対応している間にこの有様だ。
本当に精鋭部隊なのか?
エリアスお前、隊員からも事故物件て評価なんだな?
それに俺に対するこの謎の高評価はなんなんだ。
俺、可愛いとか言われたの初めてだぜ。ありがとな。
全員男で俺のケツを狙っているというのが腑に落ちないが、そもそも他人から性の対象として見られることに慣れていないので何とも言えん。
勿論エリアスにも聞こえているらしく、俺の腰を抱いていた手が今はケツの方へ移動しているんだが特に触る気配とかはなくて、これは隊員の不躾な視線から隠そうとしてくれてる的なやつか?
俺のケツは勇者に守られてるのか?
エリアスお前ホントそういうとこな!
「――ナナセよ、此度の慰問の申し出、獣人領の君主として嬉しく思うぞ」
いけね。外野の話に気を取られてフリードリヒ陛下の話を聞いてなかった。
以前の朝食会みたいな席と違って、部外者がいる前で何時もの調子で話すわけにもいかないので、俺は一言「陛下」と言って目を閉じてお辞儀しておいた。
直々に声を掛けられて感極まってそれ以上話せない感じも出せるし「陛下」は万能だ。
「そうそう、其方が余に献上した『聖者のメダイユ』な、側近に自慢してやったら彼奴等羨ましがっての!」
フリードリヒ陛下が鼻持ちならない感じになっていた。
自慢すんなよそんなもん!
真鍮だぞあれ。真鍮っていったら銅と亜鉛の合金だぞ。
金も銀も入ってないんだぞ。
金属の価値だけみれば獣人領発行の銅貨一枚の価値より低いんだぞ。
五円玉とだいたい同じ素材だが五円玉より小さいんだぞ。
返す言葉が見つからないが、幾ら万能でも二連続「陛下」は駄目だろうと引き攣った笑顔を浮かべならエリアスを見上げて助けを求めると、俺の意図にすぐに気付いて「わかった」とアイコンタクトを送ってきた。
流石勇者様、頼りになるぜ!
「私も失くさぬようにこうして聖剣に埋め込み、肌身離さず持ち歩いています」
エリアスは言いながら聖剣の柄の部分に填まった貴石を指し示しながら良く見えるように掲げた。
見れば、どうやって入れたのか石の底にメダイユが透けている。
白騎士隊のほうから「おお~!」とどよめきが起こった。
待って♡
「なっ!? お主も持っておったのか!? 余だけではなかったのか……」
「ええ、勿論。私はナナセの婚約者ですから当然です」
エーリーアースー!
ちっげーよッ!
そーじゃねーだろッ!
助けてくれるんじゃなかったのかよ!
煽ってどうすんだよ!
「ぐぬぬ……」
リアルで「ぐぬぬ」って言う人初めて見たな。
エリアス、勇者なんだから王様苛めんなよ。
フリードリヒ陛下泣いちゃったじゃん。
王様泣かしといてドヤ顔でこっち見んな!
収拾付かないからチャッチャと治癒して帰るぞもう!
獣人領では病院の役割を担っているのは神殿で、職務中に怪我をしたり体調を崩したりした宮中勤めの者たちは、城の敷地内にある神殿塔で宮廷治癒術士に手当をして貰う。
治癒術を受けても完治に至らなかった者は、通常は自宅療養となり、入院のようなシステムがないため、城内の怪我人や病人をフリードリヒ陛下に召集を掛けて貰ったのだ。
神殿で俺は熱烈な歓迎を受け、治癒を施した後は大袈裟なほど感謝をされてその場を後にしたのだが、これには俺も思うところがあった。
フリードリヒ陛下の招集したのは貴族やそれに類する特権階級の者たちのみで、言うなれば上級市民ってやつだった。
王城で募ったのだから当たり前なのだが、こういう形で格差を見せつけられることを馬鹿で想像力の足りない俺は想定していなかったのだ。
無駄に女子力の高いファンシーな部屋までの帰り道、俺は始終無言で考え込んでいた。
俺はこのまま部屋に戻っていんだろうか。
気付いたのだから、まだやり直せるかも知れない。
後悔にも似た言い知れぬ感情に後ろ髪を引かれる想いで振り返れば、白騎士隊が一糸乱れぬ隊列を組んで付き従っている。
こういう様子を見るとやはり精鋭部隊なのだろう。
顔を上げると、窓の外には城内の広場が見えた。
俺の部屋のある塔は敷地の奥の方なので静かだが、ここは城門の近くで、昼間は商人などが入ってきて広場で露店を開いて商いをしているので活気がある。
「なあエリー、ちょっと寄り道してもいいか?」
急に立ち止まった俺の視線の先を追い、今から俺がやろうとしていることに瞬時に気付いたらしいエリアスが心配そうに覗き込んできた。
「……大丈夫なのか?」
「それはエリーの今夜の頑張りに掛かってる」
「それこそ杞憂だ」
不敵に笑ったエリアスの後ろから野次が飛ぶ。
だがしかし、さっきまでとは違い、今はフリードリヒ陛下がいない。
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だがしかし、エリアスの背後に庇われていたにも拘わらず、ちょっと退くくらいの光とドンッという轟音と衝撃波を食らって俺氏完全にビビる。
衝撃波で肺の空気が押し出されて一瞬呼吸が止まったからな俺?
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エリアスが聖剣を振り抜いた刹那すっごい音したの、あれ、魔法じゃなくて剣の切っ先が音速を超えてた、から、じゃないか……?
戦闘機とか高速で移動する物体の飛行速度が音速に到達すると発生するソニックブームってやつ?
鞭でソニックブーム出せる人なら元の世界でもよくいるけど、剣で出せるのかよコイツ!
もうそれ魔法(物理)じゃね?
戦闘機一機分の戦力ってサーヴァントかよ!
――高度に発達した科学は魔術と見分けがつかない。
とはアーサー・C・クラークの言葉だが、俺の持病の中二病がエリアスが格好良すぎて倒れそうだって全力で訴えている。
頼んだら見せてくれるかな?
「ちょっ! 隊長っ! こんなとこでマズイっすよそれ! 城壊す気っすか!?」
「お前たちが肉壁となれば壊れない!」
「ひでえっ!」
「聖者様、隊長はこういうヤツなんですよ! 騙されないでくださいね!」
「貴様、何勝手にナナセに話しかけている!? 死ぬか!?」
「うわ、心狭っ!」
……。
あー、これ、DKがじゃれてるやつですわー。
きっとパワーが有り余ってるんだな。
格好良いとか思って損したわ。
それにしても、エリアスが戦うところを初めて見たけど、幾ら白騎士隊といえど勇者と実力差は歴然で、エリアスが一方的に弱い者苛めをしているようにしか見えなかったのがとても印象的だった。
もうこいつら置いてっていいかな?
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異世界で聖者やってたら勇者に求婚されたんだが
第一章 聖者降臨
📖文庫版(紙の書籍)
📖Kindle(電子書籍)
📖BOOK☆WALKER(電子書籍)
次章続巻も順次刊行予定
OLOLON
※この作品の出版権は作者本人に帰属しています。詳しくはこちらを参照してください。
第一章 聖者降臨
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