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第一章 聖者降臨
〇二三 お清めセックス
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「こんなに真っ赤に熟れて、誘っているのですか? こんな可愛らしいものを目の前にチラつかされて正気でいられる男などいませんよ。少しは自覚してください」
「あっ、あっ……んっ……ひぅ……!」
ゆるゆると腰を緩慢に動かしながら、エリアスは俺の乳首にむしゃぶりついて離れない。
散々舐められたり、吸われたり、揉んだり、摘ままれたり、押し潰されたり、引っ張られたり、指で弾かれたり甘噛みされたりしたそこは、今まで自分でも見たことがないくらい赤くなって女みたいに大きくぷっくり勃ってコリコリに硬くなっていた。
充血して敏感になってるみたいで、ちょっと触れられるだけで身体が跳ねるし、甘噛みなんかされると脳天が痺れるくらい気持ちが良い。
乳首はやめてあげて!
そこは開発しないであげてよ!
もうね、発情状態は解けてるはずなのに乳首だけで何度もメスイキしちゃってるのね俺。
これってつまり、どういうことなんだってばよ!
それに当初のお清めセックスから主旨が若干ズレてるし!
頑なに抜かないとこはブレないのに、なんで肝心のそこでブレるんだよ!
「この愛らしい乳嘴を味わった男が、私の他にもいると思うと、嫉妬で気が狂いそうです。教えてください、彼らはどのようにここを可愛がったのですか? 叶うなら私がそれ以上の快楽を与え蕩けさせてしまいたい」
ブレ……てなかった!
乳首を開発されていると思っていたら、何時の間にか乳首をお清めされていた件について。
「今まで私は陰茎や睾丸など美しいと思ったことはありませんでしたが、ナナセはこんなところまで美しい……。後でこちらもたっぷり可愛がってあげますね。ああ、ここに与えられたであろう今までの快楽もすべて私で塗り替えてしまいたい……」
そこはっ、そこは扱かないで! 揉み込まないで!
挿入中だからできないだけで、今にもフェラしそうな雰囲気だし、エリアスは俺の身体をあちこち愛撫しながら、俺が如何に魅力的かを逐一丁寧に伝えてきて、本気で俺にそれを分からせようとしているようなんだが、とにかく恥ずかしいんだよ!
しかも必ずちょっと嫉妬が入ってるから、敬語キャラの言葉攻め、破壊力ばつ牛ン……!
なんなんだよ、このイケメン!
それなのに決定的な刺激は与えられず、奥がそれを求めてきゅんきゅんしている。
ただの排泄器官だったところを性器にしてしまった張本人のくせにそれはない。
俺は身の内に燻るような快楽にひんひん泣きながら遂に音を上げた。
わかったから、もうわかったから――。
「……抱いて♡」
自分でも信じられないくらい甘い声が出た。
絶対語尾にハートマーク付いてた。
いつものふざけた「待って♡」とは違うタイプのやつだった。
もうとっくに抱かれているんだが、こんな好い男にここまで情熱的に口説かれてしまっては、俺も男として応えないわけにはいかない。
何を言ってるか分からないと思うが俺にも分からない。
だけど、ホモとかメス堕ちとか恋愛感情とか関係なく男同士でも「抱いてー!」って思ってしまう瞬間があるんだよ。
それが今だった。
刹那、淡褐色と淡緑色の入り混じる榛色の瞳に金色の光が揺らめく。
「ナナセ……!」
エリアスは言葉の意図を正確に汲み取り、俺を抱いた。
敬語キャラのくせに意外とアグレッシブなエリアスの本性は、求婚断ったのに食い下がって来たときなんかにも割とちょいちょい垣間見て来た気もするけど、こんなに苛烈と言っても差し支えないような一面があるなんて知らなかった。
俺はエリアスのことを本当に何も知ろうとしなかったのだ。
それは偏に俺の怠惰と怠慢のせいに他ならない。
これが終わったら、まずはエリアスを知ることから始めよう。
そうして、ちゃんとエリアスの気持ちと真摯に向き合って、答えを出そう。
それがエリアスの期待に応えられないものであっても自分の心に正直に返事をしようと思う。
エリアスは魔王を討伐した救世の勇者で、意味が分かんないくらい凄い奴だし、普通だったら近寄ることすら出来ないんだろうけど、何故か俺のことを好いてくれていて、俺のことも二度も助けてくれて……それから、それから……。
ああ、頭が真っ白になる――。
頭だけじゃない。
こんな俺でも、エリアスが触れたところから真っ白になって、全部許されていく気がする。
あんなに凹んでいて、情けなくて、恥ずかしくて、悔しかったのに、それが全部、全部。
そうか、これはきっと神聖な儀式なんだ。
「ひっ……ぐっ、ああッ……!」
何時になく余裕のないエリアスが息を乱していて、俺の胸に落ちるその滴る汗にさえ、感じてしまう。
激しく揺さぶられ続けて前後どころか上下も分からない。
バツンッバツンッと腰を打ち付けられ、痛かったはずのケツの感覚だってもうない。
それなのに、俺は前よりずっと鋭敏にエリアスを感じた。
やがてエリアスが俺の中で何度目かの射精をして果てると、散々俺を苛めて甚振っていたものが俺の中からずるりと引き抜かれる。
くぱりと空いて蕩けたそこが外気に曝され身震いする間もなく、今度は食われるんじゃないかってくらい深い口付けをされて、リミッターの外れたエリアスに口の中をべろべろ舐められる。
流石に酷いキスだと思ったけど、その行為自体が妙にエロくて異常に萌えた。
その頃になると、俺はもう脚の感覚がなくって膝を立てることすら出来なくなっていたんだが、お清めセックスはまだ終わっていなかったらしく、エリアスはお湯をたっぷり使い、石鹸で俺の身体を隅々まで念入りに洗った。
鬱血痕のある場所は痛いくらい擦られたが、好きにさせておくしかない。
洗いながらお湯で流して、エリアスは鬱血痕をひとつひとつ吸って上から新たに自分で痕を付けていく。
それが終わると、手足の指の一本一本まで誉めそやされながら、ちゅっちゅと口付けられ、そのうち俺の身体でエリアスの舌と唇が触れていない部分がなくなってくると、耳の中や鼻の穴の中まで舐められるという上級者プレイが始まった。
「あっ、あっ……んっ……ひぅ……!」
ゆるゆると腰を緩慢に動かしながら、エリアスは俺の乳首にむしゃぶりついて離れない。
散々舐められたり、吸われたり、揉んだり、摘ままれたり、押し潰されたり、引っ張られたり、指で弾かれたり甘噛みされたりしたそこは、今まで自分でも見たことがないくらい赤くなって女みたいに大きくぷっくり勃ってコリコリに硬くなっていた。
充血して敏感になってるみたいで、ちょっと触れられるだけで身体が跳ねるし、甘噛みなんかされると脳天が痺れるくらい気持ちが良い。
乳首はやめてあげて!
そこは開発しないであげてよ!
もうね、発情状態は解けてるはずなのに乳首だけで何度もメスイキしちゃってるのね俺。
これってつまり、どういうことなんだってばよ!
それに当初のお清めセックスから主旨が若干ズレてるし!
頑なに抜かないとこはブレないのに、なんで肝心のそこでブレるんだよ!
「この愛らしい乳嘴を味わった男が、私の他にもいると思うと、嫉妬で気が狂いそうです。教えてください、彼らはどのようにここを可愛がったのですか? 叶うなら私がそれ以上の快楽を与え蕩けさせてしまいたい」
ブレ……てなかった!
乳首を開発されていると思っていたら、何時の間にか乳首をお清めされていた件について。
「今まで私は陰茎や睾丸など美しいと思ったことはありませんでしたが、ナナセはこんなところまで美しい……。後でこちらもたっぷり可愛がってあげますね。ああ、ここに与えられたであろう今までの快楽もすべて私で塗り替えてしまいたい……」
そこはっ、そこは扱かないで! 揉み込まないで!
挿入中だからできないだけで、今にもフェラしそうな雰囲気だし、エリアスは俺の身体をあちこち愛撫しながら、俺が如何に魅力的かを逐一丁寧に伝えてきて、本気で俺にそれを分からせようとしているようなんだが、とにかく恥ずかしいんだよ!
しかも必ずちょっと嫉妬が入ってるから、敬語キャラの言葉攻め、破壊力ばつ牛ン……!
なんなんだよ、このイケメン!
それなのに決定的な刺激は与えられず、奥がそれを求めてきゅんきゅんしている。
ただの排泄器官だったところを性器にしてしまった張本人のくせにそれはない。
俺は身の内に燻るような快楽にひんひん泣きながら遂に音を上げた。
わかったから、もうわかったから――。
「……抱いて♡」
自分でも信じられないくらい甘い声が出た。
絶対語尾にハートマーク付いてた。
いつものふざけた「待って♡」とは違うタイプのやつだった。
もうとっくに抱かれているんだが、こんな好い男にここまで情熱的に口説かれてしまっては、俺も男として応えないわけにはいかない。
何を言ってるか分からないと思うが俺にも分からない。
だけど、ホモとかメス堕ちとか恋愛感情とか関係なく男同士でも「抱いてー!」って思ってしまう瞬間があるんだよ。
それが今だった。
刹那、淡褐色と淡緑色の入り混じる榛色の瞳に金色の光が揺らめく。
「ナナセ……!」
エリアスは言葉の意図を正確に汲み取り、俺を抱いた。
敬語キャラのくせに意外とアグレッシブなエリアスの本性は、求婚断ったのに食い下がって来たときなんかにも割とちょいちょい垣間見て来た気もするけど、こんなに苛烈と言っても差し支えないような一面があるなんて知らなかった。
俺はエリアスのことを本当に何も知ろうとしなかったのだ。
それは偏に俺の怠惰と怠慢のせいに他ならない。
これが終わったら、まずはエリアスを知ることから始めよう。
そうして、ちゃんとエリアスの気持ちと真摯に向き合って、答えを出そう。
それがエリアスの期待に応えられないものであっても自分の心に正直に返事をしようと思う。
エリアスは魔王を討伐した救世の勇者で、意味が分かんないくらい凄い奴だし、普通だったら近寄ることすら出来ないんだろうけど、何故か俺のことを好いてくれていて、俺のことも二度も助けてくれて……それから、それから……。
ああ、頭が真っ白になる――。
頭だけじゃない。
こんな俺でも、エリアスが触れたところから真っ白になって、全部許されていく気がする。
あんなに凹んでいて、情けなくて、恥ずかしくて、悔しかったのに、それが全部、全部。
そうか、これはきっと神聖な儀式なんだ。
「ひっ……ぐっ、ああッ……!」
何時になく余裕のないエリアスが息を乱していて、俺の胸に落ちるその滴る汗にさえ、感じてしまう。
激しく揺さぶられ続けて前後どころか上下も分からない。
バツンッバツンッと腰を打ち付けられ、痛かったはずのケツの感覚だってもうない。
それなのに、俺は前よりずっと鋭敏にエリアスを感じた。
やがてエリアスが俺の中で何度目かの射精をして果てると、散々俺を苛めて甚振っていたものが俺の中からずるりと引き抜かれる。
くぱりと空いて蕩けたそこが外気に曝され身震いする間もなく、今度は食われるんじゃないかってくらい深い口付けをされて、リミッターの外れたエリアスに口の中をべろべろ舐められる。
流石に酷いキスだと思ったけど、その行為自体が妙にエロくて異常に萌えた。
その頃になると、俺はもう脚の感覚がなくって膝を立てることすら出来なくなっていたんだが、お清めセックスはまだ終わっていなかったらしく、エリアスはお湯をたっぷり使い、石鹸で俺の身体を隅々まで念入りに洗った。
鬱血痕のある場所は痛いくらい擦られたが、好きにさせておくしかない。
洗いながらお湯で流して、エリアスは鬱血痕をひとつひとつ吸って上から新たに自分で痕を付けていく。
それが終わると、手足の指の一本一本まで誉めそやされながら、ちゅっちゅと口付けられ、そのうち俺の身体でエリアスの舌と唇が触れていない部分がなくなってくると、耳の中や鼻の穴の中まで舐められるという上級者プレイが始まった。
10
異世界で聖者やってたら勇者に求婚されたんだが
第一章 聖者降臨
📖文庫版(紙の書籍)
📖Kindle(電子書籍)
📖BOOK☆WALKER(電子書籍)
次章続巻も順次刊行予定
OLOLON
※この作品の出版権は作者本人に帰属しています。詳しくはこちらを参照してください。
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