異世界で聖者やってたら勇者に求婚されたんだが

マハラメリノ

文字の大きさ
上 下
24 / 266
第一章 聖者降臨

〇二三 お清めセックス

しおりを挟む
「こんなに真っ赤に熟れて、誘っているのですか? こんな可愛らしいものを目の前にチラつかされて正気でいられる男などいませんよ。少しは自覚してください」
「あっ、あっ……んっ……ひぅ……!」

ゆるゆると腰を緩慢に動かしながら、エリアスは俺の乳首にむしゃぶりついて離れない。
散々舐められたり、吸われたり、揉んだり、摘ままれたり、押し潰されたり、引っ張られたり、指で弾かれたり甘噛みされたりしたそこは、今まで自分でも見たことがないくらい赤くなって女みたいに大きくぷっくり勃ってコリコリに硬くなっていた。
充血して敏感になってるみたいで、ちょっと触れられるだけで身体が跳ねるし、甘噛みなんかされると脳天が痺れるくらい気持ちが良い。

乳首はやめてあげて!
そこは開発しないであげてよ!
もうね、発情状態は解けてるはずなのに乳首だけで何度もメスイキしちゃってるのね俺。
これってつまり、どういうことなんだってばよ!
それに当初のお清めセックスから主旨が若干ズレてるし!
頑なに抜かないとこはブレないのに、なんで肝心のそこでブレるんだよ!

「この愛らしい乳嘴を味わった男が、私の他にもいると思うと、嫉妬で気が狂いそうです。教えてください、彼らはどのようにここを可愛がったのですか? 叶うなら私がそれ以上の快楽を与え蕩けさせてしまいたい」

ブレ……てなかった!
乳首を開発されていると思っていたら、何時の間にか乳首をお清めされていた件について。

「今まで私は陰茎や睾丸など美しいと思ったことはありませんでしたが、ナナセはこんなところまで美しい……。後でこちらもたっぷり可愛がってあげますね。ああ、ここに与えられたであろう今までの快楽もすべて私で塗り替えてしまいたい……」

そこはっ、そこは扱かないで! 揉み込まないで!
挿入中だからできないだけで、今にもフェラしそうな雰囲気だし、エリアスは俺の身体をあちこち愛撫しながら、俺が如何に魅力的かを逐一丁寧に伝えてきて、本気で俺にそれを分からせようとしているようなんだが、とにかく恥ずかしいんだよ!
しかも必ずちょっと嫉妬が入ってるから、敬語キャラの言葉攻め、破壊力ばつ牛ン……!
なんなんだよ、このイケメン!

それなのに決定的な刺激は与えられず、奥がそれを求めてきゅんきゅんしている。
ただの排泄器官だったところを性器にしてしまった張本人のくせにそれはない。

俺は身の内に燻るような快楽にひんひん泣きながら遂に音を上げた。
わかったから、もうわかったから――。

「……抱いて♡」

自分でも信じられないくらい甘い声が出た。
絶対語尾にハートマーク付いてた。
いつものふざけた「待って♡」とは違うタイプのやつだった。
もうとっくに抱かれているんだが、こんな好い男にここまで情熱的に口説かれてしまっては、俺も男として応えないわけにはいかない。
何を言ってるか分からないと思うが俺にも分からない。
だけど、ホモとかメス堕ちとか恋愛感情とか関係なく男同士でも「抱いてー!」って思ってしまう瞬間があるんだよ。
それが今だった。
刹那、淡褐色と淡緑色の入り混じる榛色ヘイゼルの瞳に金色の光が揺らめく。

「ナナセ……!」

エリアスは言葉の意図を正確に汲み取り、俺を抱いた。
敬語キャラのくせに意外とアグレッシブなエリアスの本性は、求婚断ったのに食い下がって来たときなんかにも割とちょいちょい垣間見て来た気もするけど、こんなに苛烈と言っても差し支えないような一面があるなんて知らなかった。
俺はエリアスのことを本当に何も知ろうとしなかったのだ。
それは偏に俺の怠惰と怠慢のせいに他ならない。

これが終わったら、まずはエリアスを知ることから始めよう。
そうして、ちゃんとエリアスの気持ちと真摯に向き合って、答えを出そう。
それがエリアスの期待に応えられないものであっても自分の心に正直に返事をしようと思う。
エリアスは魔王を討伐した救世の勇者で、意味が分かんないくらい凄い奴だし、普通だったら近寄ることすら出来ないんだろうけど、何故か俺のことを好いてくれていて、俺のことも二度も助けてくれて……それから、それから……。
ああ、頭が真っ白になる――。
頭だけじゃない。
こんな俺でも、エリアスが触れたところから真っ白になって、全部許されていく気がする。
あんなに凹んでいて、情けなくて、恥ずかしくて、悔しかったのに、それが全部、全部。
そうか、これはきっと神聖な儀式なんだ。

「ひっ……ぐっ、ああッ……!」

何時になく余裕のないエリアスが息を乱していて、俺の胸に落ちるその滴る汗にさえ、感じてしまう。
激しく揺さぶられ続けて前後どころか上下も分からない。
バツンッバツンッと腰を打ち付けられ、痛かったはずのケツの感覚だってもうない。
それなのに、俺は前よりずっと鋭敏にエリアスを感じた。

やがてエリアスが俺の中で何度目かの射精をして果てると、散々俺を苛めて甚振っていたものが俺の中からずるりと引き抜かれる。
くぱりと空いて蕩けたそこが外気に曝され身震いする間もなく、今度は食われるんじゃないかってくらい深い口付けをされて、リミッターの外れたエリアスに口の中をべろべろ舐められる。
流石に酷いキスだと思ったけど、その行為自体が妙にエロくて異常に萌えた。

その頃になると、俺はもう脚の感覚がなくって膝を立てることすら出来なくなっていたんだが、お清めセックスはまだ終わっていなかったらしく、エリアスはお湯をたっぷり使い、石鹸で俺の身体を隅々まで念入りに洗った。
鬱血痕のある場所は痛いくらい擦られたが、好きにさせておくしかない。
洗いながらお湯で流して、エリアスは鬱血痕をひとつひとつ吸って上から新たに自分で痕を付けていく。

それが終わると、手足の指の一本一本まで誉めそやされながら、ちゅっちゅと口付けられ、そのうち俺の身体でエリアスの舌と唇が触れていない部分がなくなってくると、耳の中や鼻の穴の中まで舐められるという上級者プレイが始まった。
しおりを挟む
異世界で聖者やってたら勇者に求婚されたんだが
第一章 聖者降臨


📖文庫版(紙の書籍)
📖Kindle(電子書籍)
📖BOOK☆WALKER(電子書籍)

次章続巻も順次刊行予定
OLOLON

※この作品の出版権は作者本人に帰属しています。詳しくはこちらを参照してください。
感想 21

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

悪役令息の七日間

リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。 気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。 ★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

処理中です...