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第一章 聖者降臨
〇〇九 さようなら、俺の処女
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エリアスは処女である俺を気遣って殊更慎重に進めているようだった。
気遣いは嬉しいが、感度爆上げのこの状態でそれは、逆に拷問になりかねないほど如何ともしがたくもどかしいし、出来ればその気遣いはもっと早い段階に別の形で発揮して欲しかったと思う。
例えば、求婚をお断りした時点ですごすごとお帰りになられるとかな。
だがしかし、今この状態で放置されても困るのは俺なので、とりあえず責任もってイかせて欲しい。
気持ち良いのは事実だしな。
俺はチンコを扱くのも忘れて、与えられる快感を余すところなく拾うため、エリアスの指の動きに合わせて腰をくねらせる。
と、その拍子にエリアスの指が前立腺を掠めたらしく、刹那、俺はかつて感じたことのない強烈な快感に襲われた。
「あッ……! アアッ……!?」
なにこれ!?
なにこれ!?
一瞬で過ぎ去ってしまったが、さっきのもう一度やって欲しい!
前立腺を内側から刺激されるのは相当に気持ちが良いという噂は知っている。
興味がないわけではなかったが、エリアスの長い指が探り当てたそこを弄られると、自分でシコるのとは比較にならないほど気持ち良かった。
そうと知れれば、闇魔法の代償を求める俺の身体は忽ち快感を追って貪欲になる。
俺の頭にあるのもうさっきの快感のことだけだ。
もう何をされているのかもわかんない。
自分が何を言ってるのかもわかんない。
「っひぅんっ……! ゆぅ、しゃ、さまっそこ、きもちいっ……ああああぁんっ!」
「ナナセ、エリアスと。どうかエリアスとお呼びください」
「ぇりぁす……?」
エリアスって名前には日本人の不得手な「R」の発音が入っているわけじゃないからラックススーパーリッチの練習はしなくてもいいんだが、「エリアス」というよりどちらかというと「イリス」に近くて、正しい発音で呼ぶには実は俺には結構難しい。
しかし呂律が回らなくて舌足らずな今の状態ではそれがかえって良かったようで奇跡的に正確に発音できた。
すると唐突に俺の中を弄っていたエリアスの指が引き抜かれる。
「ああっ……ナナセ、ナナセ、ナナセッ!」
エリアスは妙に感じ入って嬉しそうに顔を綻ばせ、何度もキスをしてきた。
それから両脚を抱え上げられ、まんぐり返し――いや、男だからちんぐり返しか――的な姿勢を取らされたかと思うと、さっきまでエリアスの指が犯していた場所に熱くぬるついたものが宛がわれる。
「……ナナセ、入れます」
「待っ……」
次の瞬間、俺は太くて硬いものに貫かれていた。
嗚呼。
守りたかった。
守れなかった。
さようなら、俺の処女。
こんにちは、非処女の俺。
「ッ……!」
一突きで結腸まで届くほどの、明らかに通常の許容範囲を超えた質量のものを咥え込まされ、圧迫感で息が詰まり悲鳴すら出なかった。
酷いことにエリアスは俺が視界がチカチカして前後不覚に陥っているのも構わずすぐに抽挿を始める。
「エリッ……ひんっ! ひぅっ! あっ、ひっ! っひん! エリアスッ! むりっ! むりだからっ抜いて! 抜いてぇえええっ! おねがっ……ぅひぁぁぁっんっ!」
「すみま、せんっ……! もう、私も、我慢っが、きかなく、て……っ!」
藻掻いた手足は簡単に抑え込まれ、逃げようとした腰は引きずり戻され、逆に深い挿入を許してしまう。
バツッ、バツッと叩き付けるような激しいピストンに揺さぶられ、俺はひんひん泣きながらエリアスの名前を叫び「抜いて」と懇願することしか出来ない。
ヤバイ、俺、男にケツを犯されてる!
勇者様に犯されてる!
マジで聖剣に貫かれちゃってる!
エリアスのチンコは俺の中の気持ち良いところも痛いところも容赦なくガツガツと穿っていき、気持ち良いのと痛いのと苦しいのとでもう何が何だか分からない。
俺、童貞だから知らなかったけど、セックスってこんなに激しいものなのか!?
「ひっくっ、おねがっ、エリアスッ……も、抜いてっ……抜い、ひんっ……! おねがっ、エリアッ……、おねがぃ……そんなにされたら、されたらっ俺、もぉっ、もっ……!」
「ナナセッ、恐らく子種を出せば楽になります。少しの間、耐えてくださいっ」
やがて、俺の叫びが啜り泣きに変わる頃、身体は生存本能から他の感覚を遮断して快感だけを拾いだして、俺は初めて射精せずにイッた。
ドライオーガズム――所謂メスイキってやつだ。
頭が真っ白になる。
気が遠くなるほど強烈な快感。
こんなに気持ち良いこと、知らない。
涙って気持ち良くても出るんだな。
俺の内壁がエリアスのチンコをきゅうきゅうと締め付けているのをリアルに感じながらメスイキの余韻に浸っていると、俺の中に穿たれたままのものがビクビクと動いてエリアスの限界が近いことを知らせた。
「……ナナセッ! 出ます……! くっ……!」
エリアスは俺に圧し掛かる勢いで身体を密着させ最奥を抉ると、眉根を切なげに寄せ、俺の中でイッた。
あ、俺これ知ってる!
種付けプレスってやつだ!
でも、マックのJKは種付けプレスなんて言わない。
それにしてもイケメンはイキ顔までイケメンかよ。
放たれたエリアスの精液が胎内にじんわりと広がっていく感覚に身震いする。
うわ、エリアス、マジで俺の中に射精した。
俺、ケツの穴に精液を中出しされちゃった……。
エリアス、俺なんかでイッたのかよ。
マジか……マジか……。
排泄器官だと信じて疑わなかった部位が、雄膣になってしまった……。
俺の中に突っ込まれたままのエリアスは射精後なのに硬度が落ちる気配がなくて聖剣はマジ聖剣だった。
俺もまだイッたままだ。
メスイキって凄い長いのな。
それに今すごく大事なことに気づいたけど俺これアヘ顔してるんじゃないか?
M字開脚させられてるし、後は「んほおおおおッ♡」とか言いながらダブルピースしたら役満だろ。
ここはやっとくべき?
期待されてる?
強いられてる?
問題はカメラもないのにどこへ向かってやるかってことと、疲労困憊していて指一本動かせそうにないってことだ。
セックス、マジ疲れる……。
けれどそんな俺の事情などお構いなしにエリアスは俺に挿入したまま抜かずに二ターン目に突入するようだ。
知ってた……!
聖剣の硬度で薄々な!
ワンパンキルが信条の白騎士隊がわざわざ二ターン目に持ち越ししてまで俺の死体を蹴らないで!
やめて! 俺のライフはもうゼロよ!
死なないで俺!
次回、「俺死す」
乞う! ご期待!
気遣いは嬉しいが、感度爆上げのこの状態でそれは、逆に拷問になりかねないほど如何ともしがたくもどかしいし、出来ればその気遣いはもっと早い段階に別の形で発揮して欲しかったと思う。
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気持ち良いのは事実だしな。
俺はチンコを扱くのも忘れて、与えられる快感を余すところなく拾うため、エリアスの指の動きに合わせて腰をくねらせる。
と、その拍子にエリアスの指が前立腺を掠めたらしく、刹那、俺はかつて感じたことのない強烈な快感に襲われた。
「あッ……! アアッ……!?」
なにこれ!?
なにこれ!?
一瞬で過ぎ去ってしまったが、さっきのもう一度やって欲しい!
前立腺を内側から刺激されるのは相当に気持ちが良いという噂は知っている。
興味がないわけではなかったが、エリアスの長い指が探り当てたそこを弄られると、自分でシコるのとは比較にならないほど気持ち良かった。
そうと知れれば、闇魔法の代償を求める俺の身体は忽ち快感を追って貪欲になる。
俺の頭にあるのもうさっきの快感のことだけだ。
もう何をされているのかもわかんない。
自分が何を言ってるのかもわかんない。
「っひぅんっ……! ゆぅ、しゃ、さまっそこ、きもちいっ……ああああぁんっ!」
「ナナセ、エリアスと。どうかエリアスとお呼びください」
「ぇりぁす……?」
エリアスって名前には日本人の不得手な「R」の発音が入っているわけじゃないからラックススーパーリッチの練習はしなくてもいいんだが、「エリアス」というよりどちらかというと「イリス」に近くて、正しい発音で呼ぶには実は俺には結構難しい。
しかし呂律が回らなくて舌足らずな今の状態ではそれがかえって良かったようで奇跡的に正確に発音できた。
すると唐突に俺の中を弄っていたエリアスの指が引き抜かれる。
「ああっ……ナナセ、ナナセ、ナナセッ!」
エリアスは妙に感じ入って嬉しそうに顔を綻ばせ、何度もキスをしてきた。
それから両脚を抱え上げられ、まんぐり返し――いや、男だからちんぐり返しか――的な姿勢を取らされたかと思うと、さっきまでエリアスの指が犯していた場所に熱くぬるついたものが宛がわれる。
「……ナナセ、入れます」
「待っ……」
次の瞬間、俺は太くて硬いものに貫かれていた。
嗚呼。
守りたかった。
守れなかった。
さようなら、俺の処女。
こんにちは、非処女の俺。
「ッ……!」
一突きで結腸まで届くほどの、明らかに通常の許容範囲を超えた質量のものを咥え込まされ、圧迫感で息が詰まり悲鳴すら出なかった。
酷いことにエリアスは俺が視界がチカチカして前後不覚に陥っているのも構わずすぐに抽挿を始める。
「エリッ……ひんっ! ひぅっ! あっ、ひっ! っひん! エリアスッ! むりっ! むりだからっ抜いて! 抜いてぇえええっ! おねがっ……ぅひぁぁぁっんっ!」
「すみま、せんっ……! もう、私も、我慢っが、きかなく、て……っ!」
藻掻いた手足は簡単に抑え込まれ、逃げようとした腰は引きずり戻され、逆に深い挿入を許してしまう。
バツッ、バツッと叩き付けるような激しいピストンに揺さぶられ、俺はひんひん泣きながらエリアスの名前を叫び「抜いて」と懇願することしか出来ない。
ヤバイ、俺、男にケツを犯されてる!
勇者様に犯されてる!
マジで聖剣に貫かれちゃってる!
エリアスのチンコは俺の中の気持ち良いところも痛いところも容赦なくガツガツと穿っていき、気持ち良いのと痛いのと苦しいのとでもう何が何だか分からない。
俺、童貞だから知らなかったけど、セックスってこんなに激しいものなのか!?
「ひっくっ、おねがっ、エリアスッ……も、抜いてっ……抜い、ひんっ……! おねがっ、エリアッ……、おねがぃ……そんなにされたら、されたらっ俺、もぉっ、もっ……!」
「ナナセッ、恐らく子種を出せば楽になります。少しの間、耐えてくださいっ」
やがて、俺の叫びが啜り泣きに変わる頃、身体は生存本能から他の感覚を遮断して快感だけを拾いだして、俺は初めて射精せずにイッた。
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頭が真っ白になる。
気が遠くなるほど強烈な快感。
こんなに気持ち良いこと、知らない。
涙って気持ち良くても出るんだな。
俺の内壁がエリアスのチンコをきゅうきゅうと締め付けているのをリアルに感じながらメスイキの余韻に浸っていると、俺の中に穿たれたままのものがビクビクと動いてエリアスの限界が近いことを知らせた。
「……ナナセッ! 出ます……! くっ……!」
エリアスは俺に圧し掛かる勢いで身体を密着させ最奥を抉ると、眉根を切なげに寄せ、俺の中でイッた。
あ、俺これ知ってる!
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でも、マックのJKは種付けプレスなんて言わない。
それにしてもイケメンはイキ顔までイケメンかよ。
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うわ、エリアス、マジで俺の中に射精した。
俺、ケツの穴に精液を中出しされちゃった……。
エリアス、俺なんかでイッたのかよ。
マジか……マジか……。
排泄器官だと信じて疑わなかった部位が、雄膣になってしまった……。
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俺もまだイッたままだ。
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乞う! ご期待!
10
異世界で聖者やってたら勇者に求婚されたんだが
第一章 聖者降臨
📖文庫版(紙の書籍)
📖Kindle(電子書籍)
📖BOOK☆WALKER(電子書籍)
次章続巻も順次刊行予定
OLOLON
※この作品の出版権は作者本人に帰属しています。詳しくはこちらを参照してください。
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