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第一章 聖者降臨
〇〇六 実質無料でお家に帰れる!?
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早く俺の息子を助けてやりたいのに、異世界で聖者やってたら勇者様に壁ドンされているんだがというこの現状はどうやって打破するのが正解なんだ。
「私が明日の式典で魔王討伐の褒賞として何でも好きなものを戴けるのをご存知ですか」
何と答えたものか困惑している俺に、エリアスは攻勢あるのみで更に角度を変えて斬り込んでくる。
「知、りません……」
「それは我が国の女王陛下だけでなく帝国の皇帝陛下からも戴くことが出来るのですが……」
「そうなんですか」
褒賞なんてどうせ爵位と領地だろ!
俺は元の世界へ帰るんだから、お前が何を手に入れようがどうでもいいんだよ!
だがドヤ顔で放たれたエリアスの次の一言で状況は一変する。
「あなたが私と結婚してくださるのでしたら、私は皇帝陛下に転移門の定期的な使用を申請するつもりです」
「マ!?」
勇者様と結婚すれば実質無料でお家に帰れる!?
と思った瞬間、張りつめていた気が緩み、張りつめて詰めていた股間も緩んで――イッた。
性的な意味で。
大事な話をしているときにイケメンのドヤ顔見ながらイッたなんて黒歴史すぎるんだぜ……。
「私が申請すればすぐにでも転移門の使用許可が下りるでしょう」
「ッく……! あッ……!」
服の下でペニスがビュクビュクと跳ねて下着が生暖かいもので濡れる。
一度箍が外れてしまえば後はもうなし崩しだ。
お陰で実質無料に釣られて男と結婚してしまうような最悪の事態だけは避けられたが、俺はまださっきの言葉を忘れてないぜ?
結婚と引き換えに転移門の定期的な使用申請って普通なら俺の両親に挨拶しに行くつもりなんだと思うじゃん?
でもあんたさっき、元の世界に俺が操立ててる相手がいると思い込んで決闘を申し込むとか言ってただろ!
それって転移門をカチコミの足にしたいだけじゃねえか!
絶対にコイツを俺の世界へ行かせるわけにはいかないが、残念ながら今イッたのは俺だった。
腰が砕けて立っていられず目の前のエリアスの逞しい腕に縋りついて俺は何度かに分けて射精していた。
ふえぇ、出ちゃったー!
出ちゃったよーおちんぽみるく!
「……? ナナセ……?」
「ぅ……っく!」
漸く異変に気付いたエリアスが身を屈めて俺を覗き込む。
その拍子にエリアスの腿が俺の股間を掠めた。
ゆうしゃ の こうげき!
せいじゃ に クリティカル ヒット!
「ひゃんっ!」
変な声出た! 変な声出たよ!
思わず縋りついたエリアスの胸の中、すげえいい匂いするし!
オサレ系のイケメンとすれ違ったときの匂い。なにこれ香水?
俺そういうの、キャラもののイメージフレグランスしか知らないんだけど?
官能にダイレクトに直撃するっていうか、チンコがずくんずくんて疼くような、ずっと嗅いでいたい匂いがする。
そっからはもう止まらない。
俺はゆらゆらと腰を振って固くなった股間をエリアスの太腿に擦り付けるのを止められなかった。
てか、エリアス、腰の位置高ェなオイッ!
脚か、脚の長さの差なのか!?
いや、そもそも俺とは身長が違うんですけれども。
ホントなんなのこのハイスペックイケメン。
「ナナセッ!? 一体どうし……!?」
俺を抱えるように覗き込んでいだエリアスが俺の股間の状態に気付いて息を呑む気配がする。
オワタ……俺オワタ……。
「……差し入れか何かに一服盛られましたか?」
「こ、これは、ち、違っ……」
なに?
差し入れ?
一服盛る?
何も考えられなくてただ首を振ると、エリアスは榛色の瞳にスッと剣呑な光を宿して更に問い詰めてきた。
「では、魔法士に何かされましたか?」
エリアスは何時になく険しい顔をしていて怒っているようだったが、それは決して俺に対してではない。
どうやら俺のこの状態を誰かに薬を盛られたか何らかの悪意のある魔法によるものだと思っているようだ。
これにも俺は首を振った。
因みに腰もずっと振り続けている。
勃起したチンコを勇者様の太腿に押し当ててこすこすしてすまない。本当にすまない。
すまないとは思っているが自分でも止められないんだ。すまない。こすこす。
「違っ、ちゆっ、のあとっ、いっつも、こぉ……ぅんっ」
「……治癒の後いつも……?」
確認するようにオウム返しで聞き返してくるエリアスに俺は何度も頷いた。
そうなんだよ治癒の後はいつもこうなんだよ。
だから勇者様におかれましては可及的速やかにお引き取り願いたく早漏……じゃなかった候。
エリアスは目を見開いて驚いていた様子だったから今度こそお分かり頂けたのではないだろうか。
「……なるほど。以前から私も不思議に思ってはいたんです」
エリアスは慎重に言葉を選びながら続ける。
「普通の治癒魔法では欠損や先天的な疾患までは治せない。けれどあなたには治せる――治せてしまう」
そこで再び言葉を切ったエリアスは暫し逡巡した後で口を開く。
「あなたが使っているのは遥か昔に失伝した『闇魔法』だ」
ファッ!? 闇魔法!?
なんか突然中二ワードきたこれ!
「へっ……? や、みま……?」
「その様子だとご自分でもよく分からないまま使っていたのですね」
お、おう……。
転移して拾われたお家が診療所で、なんとなく使えるようになったからな!
てことは、聖者から闇魔法士へのジョブチェンジ!?
聖属性から闇属性への属性変更!?
えええ……、それじゃあ設定からやり直しかよ……。
「闇魔法を行使するには贄として命を代償が必要不可欠です。けれど、あなたには贄を捧げている様子がない」
贄。
命を代償。
ああー、それってニワトリとかヒツジとかを生贄にささげるっていうやつか!?
そんなことするわけがないからエリアスのその言葉には心底驚いた。
そうか。エリアスは俺の治癒能力が闇魔法っぽいことに薄々気付いてはいたけど、俺が生贄捧げてる様子がないからずっと訝しんでいたんだろう。
しかしエリアスは続く言葉で更なる爆弾を落とした。
「ナナセのこの状態は恐らく闇魔法の代償に子種を捧げているのではないかと……」
それマ!?
「私が明日の式典で魔王討伐の褒賞として何でも好きなものを戴けるのをご存知ですか」
何と答えたものか困惑している俺に、エリアスは攻勢あるのみで更に角度を変えて斬り込んでくる。
「知、りません……」
「それは我が国の女王陛下だけでなく帝国の皇帝陛下からも戴くことが出来るのですが……」
「そうなんですか」
褒賞なんてどうせ爵位と領地だろ!
俺は元の世界へ帰るんだから、お前が何を手に入れようがどうでもいいんだよ!
だがドヤ顔で放たれたエリアスの次の一言で状況は一変する。
「あなたが私と結婚してくださるのでしたら、私は皇帝陛下に転移門の定期的な使用を申請するつもりです」
「マ!?」
勇者様と結婚すれば実質無料でお家に帰れる!?
と思った瞬間、張りつめていた気が緩み、張りつめて詰めていた股間も緩んで――イッた。
性的な意味で。
大事な話をしているときにイケメンのドヤ顔見ながらイッたなんて黒歴史すぎるんだぜ……。
「私が申請すればすぐにでも転移門の使用許可が下りるでしょう」
「ッく……! あッ……!」
服の下でペニスがビュクビュクと跳ねて下着が生暖かいもので濡れる。
一度箍が外れてしまえば後はもうなし崩しだ。
お陰で実質無料に釣られて男と結婚してしまうような最悪の事態だけは避けられたが、俺はまださっきの言葉を忘れてないぜ?
結婚と引き換えに転移門の定期的な使用申請って普通なら俺の両親に挨拶しに行くつもりなんだと思うじゃん?
でもあんたさっき、元の世界に俺が操立ててる相手がいると思い込んで決闘を申し込むとか言ってただろ!
それって転移門をカチコミの足にしたいだけじゃねえか!
絶対にコイツを俺の世界へ行かせるわけにはいかないが、残念ながら今イッたのは俺だった。
腰が砕けて立っていられず目の前のエリアスの逞しい腕に縋りついて俺は何度かに分けて射精していた。
ふえぇ、出ちゃったー!
出ちゃったよーおちんぽみるく!
「……? ナナセ……?」
「ぅ……っく!」
漸く異変に気付いたエリアスが身を屈めて俺を覗き込む。
その拍子にエリアスの腿が俺の股間を掠めた。
ゆうしゃ の こうげき!
せいじゃ に クリティカル ヒット!
「ひゃんっ!」
変な声出た! 変な声出たよ!
思わず縋りついたエリアスの胸の中、すげえいい匂いするし!
オサレ系のイケメンとすれ違ったときの匂い。なにこれ香水?
俺そういうの、キャラもののイメージフレグランスしか知らないんだけど?
官能にダイレクトに直撃するっていうか、チンコがずくんずくんて疼くような、ずっと嗅いでいたい匂いがする。
そっからはもう止まらない。
俺はゆらゆらと腰を振って固くなった股間をエリアスの太腿に擦り付けるのを止められなかった。
てか、エリアス、腰の位置高ェなオイッ!
脚か、脚の長さの差なのか!?
いや、そもそも俺とは身長が違うんですけれども。
ホントなんなのこのハイスペックイケメン。
「ナナセッ!? 一体どうし……!?」
俺を抱えるように覗き込んでいだエリアスが俺の股間の状態に気付いて息を呑む気配がする。
オワタ……俺オワタ……。
「……差し入れか何かに一服盛られましたか?」
「こ、これは、ち、違っ……」
なに?
差し入れ?
一服盛る?
何も考えられなくてただ首を振ると、エリアスは榛色の瞳にスッと剣呑な光を宿して更に問い詰めてきた。
「では、魔法士に何かされましたか?」
エリアスは何時になく険しい顔をしていて怒っているようだったが、それは決して俺に対してではない。
どうやら俺のこの状態を誰かに薬を盛られたか何らかの悪意のある魔法によるものだと思っているようだ。
これにも俺は首を振った。
因みに腰もずっと振り続けている。
勃起したチンコを勇者様の太腿に押し当ててこすこすしてすまない。本当にすまない。
すまないとは思っているが自分でも止められないんだ。すまない。こすこす。
「違っ、ちゆっ、のあとっ、いっつも、こぉ……ぅんっ」
「……治癒の後いつも……?」
確認するようにオウム返しで聞き返してくるエリアスに俺は何度も頷いた。
そうなんだよ治癒の後はいつもこうなんだよ。
だから勇者様におかれましては可及的速やかにお引き取り願いたく早漏……じゃなかった候。
エリアスは目を見開いて驚いていた様子だったから今度こそお分かり頂けたのではないだろうか。
「……なるほど。以前から私も不思議に思ってはいたんです」
エリアスは慎重に言葉を選びながら続ける。
「普通の治癒魔法では欠損や先天的な疾患までは治せない。けれどあなたには治せる――治せてしまう」
そこで再び言葉を切ったエリアスは暫し逡巡した後で口を開く。
「あなたが使っているのは遥か昔に失伝した『闇魔法』だ」
ファッ!? 闇魔法!?
なんか突然中二ワードきたこれ!
「へっ……? や、みま……?」
「その様子だとご自分でもよく分からないまま使っていたのですね」
お、おう……。
転移して拾われたお家が診療所で、なんとなく使えるようになったからな!
てことは、聖者から闇魔法士へのジョブチェンジ!?
聖属性から闇属性への属性変更!?
えええ……、それじゃあ設定からやり直しかよ……。
「闇魔法を行使するには贄として命を代償が必要不可欠です。けれど、あなたには贄を捧げている様子がない」
贄。
命を代償。
ああー、それってニワトリとかヒツジとかを生贄にささげるっていうやつか!?
そんなことするわけがないからエリアスのその言葉には心底驚いた。
そうか。エリアスは俺の治癒能力が闇魔法っぽいことに薄々気付いてはいたけど、俺が生贄捧げてる様子がないからずっと訝しんでいたんだろう。
しかしエリアスは続く言葉で更なる爆弾を落とした。
「ナナセのこの状態は恐らく闇魔法の代償に子種を捧げているのではないかと……」
それマ!?
10
異世界で聖者やってたら勇者に求婚されたんだが
第一章 聖者降臨
📖文庫版(紙の書籍)
📖Kindle(電子書籍)
📖BOOK☆WALKER(電子書籍)
次章続巻も順次刊行予定
OLOLON
※この作品の出版権は作者本人に帰属しています。詳しくはこちらを参照してください。
第一章 聖者降臨
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次章続巻も順次刊行予定
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