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出会い
ケヤキなんの木?気になる木!
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「あーさーだーぞー!おっきろー!」
「うわぁ!」
「あははは!寝坊助さんめ」
「え?今何時?」
叔母さんはニコッと笑うと「8時」と答えた。
「ホラホラ、早く下で歯磨きしてらっしゃい」
「う~ん・・」
ボクはこれから毎日この時間帯に起こされるのだろうか...。
洗面所に行くと、お兄ちゃんが先に歯磨きをしていた。
「おはよー」
「んばぶぉー」
「ボクの歯ブラシってどれ?」
「ぼこびばるばぼいばぶばびぶばっべびびぼ」
「あっ、これ?」
「ぼうぼう」
ガラガラガラーっぺ!
「うわぁ!お兄ちゃんもっと静かにうがいしてよ!コッチまで水が飛んできたじゃない!」
「あー、悪い悪いハハハ」
ボクは歯磨きを終え、顔を洗い、居間のテーブルに着いた。テーブルには極々一般的な、むしろとても日本人らしい朝食の数々が並んでいた。
「かずくんはパン派?ご飯派?」
「いつもはパンかシリアルかな」
パンやシリアルを食べるのは、作るのが簡単だからである。別に米が嫌いなわけじゃない。
「ボウズ!日本人は米だ!米!農耕民族はやっぱご飯を食わにゃあな!」
如何にも狩猟民族みたいな見た目の叔父さんは、米を信仰しているようだった。
「ご飯も大好きです」
「ホント?良かったぁ」
「よーし、食うべ食うべ」
「いただきまーす」
「たくや!くちゃくちゃ音を立てて食べないで!あぐらもかかない!箸もちゃんと持ちなさい!」
「カズが行儀良いせいで俺が怒られるんだぞ」
「ごめんなさい」
「アンタがちゃんとすりゃあ良いんでしょうが!」
「兄貴分の面子が立たねぇなぁこりゃあ」
「うっさいなぁ..」
この一家は朝食も賑やかなんだなぁ。
「今日は虫とりまくるからな!覚悟しとけよ!」
「OK~!」
今日はみんなでクワガタを捕る約束をしていた。
「アンタ変な虫とか卵とか持って帰らないでよ?去年部屋中カマキリだらけにして大変だったでしょ?」
「卵からあんなに産まれるとは思わなかったぜ!」
「どうせなら魚釣れ魚!タコ刺し食いてぇな」
「タコは魚じゃなくて魚介類だよ叔父さん」
「ボウズ、オメー頭良いんだな」
「漁師がそれでどうすんのよ」
「おじさん漁師さんなの!?」
「あぁ、遠洋漁業つってな。数ヶ月から長いと1年くらい海で漁をするんだ」
「今は何してるの?」
「休暇中だ。長い期間働くから長い期間休みを貰えるってわけだ」
「なるほど。じゃあ叔父さんも夏休みなんだ」
「ん?ハハハハ!そーさな、叔父さんも夏休みだ」
「主婦は毎日仕事ですけどね。いーわねー夏休みって」
「はい。洗濯手伝います」
「掃除と皿洗いもお願いね?」
「ごちそうさまー!いってーきまーす!」
ボクらはお互いに合図をし、一斉に走り出した。
「おいオメーらぁ!ずりーぞ!戻ってこーい!」
遠くから叔父さんの悲痛な声が聞こえる。
ごめんなさい。誰かが犠牲にならなくてはならないんだ。
ボクらは一気に走って公園まで辿り着いた。
「あぶねーとこだったな!」
「叔母さん...強いんだね..」
「親父はさぁ、怒鳴るからこえーんだけどさ、母ちゃんはさ、静かなんだけどこえーんだよ。怒鳴ると怖いのは分かるじゃん?笑顔なのに怖いってなんでなんだろうな?」
「う~ん・・何でだろう?」
「俺、思うんだけどさ、母ちゃんが怒ると見えない何かが現れてるんだと思うぜ?」
「何かって?」
「なんつーか、生霊ってやつ?オーラみたいなのが出てるんだぜ?きっと」
「だから強いんだね」
見えない何かが現れてるって事には何となく同意できた。般若か如来か鬼神かは分からないけど...
「あぁ、絶対そうだ」
「おっまたせ!」
そこに丁度お姉ちゃんがやって来た。
「コイツは次元が違うけどな」
「うんうん」
「何の話よ!」
「何でもねーよ」
「言わなきゃぶつよ‼︎」
「あっ、詰んだわ」
お兄ちゃんは何かを諦めたように、コッチに笑顔を向けた。
「この島で一番若くてキレイな人は誰って聞いたらお姉ちゃんが一番でおばさんが二番って話をしてたんだよ!」
ボクはその場で思い付いた有らん限りの出まかせを全て吐き出した。
「それホント?ホントなのたくや!」
お姉ちゃんはお兄ちゃんの襟を掴んでブンブン振り回している。
「モチロンサマイハニー」
「あらそうなの。フーン、そーゆーことなら別にいいけどさ」
「お姉ちゃん振り回すの辞めないとそろそろお兄ちゃん死んじゃう!」
「アラッ」
バタンーー。
完全に目を回したお兄ちゃんはその場に倒れ込んでしまった。
「大丈夫?たくや!?」
「へへっ、どってことないぜ」
とは言え焦点が合っていない。30秒程その場で休んでから歩き出した。
「そのぉ~、さっきはごめんね」
下を出しながら可愛らしく謝るお姉ちゃん。コレが猫を被るって意味なんだろうか?
「毎日鍛えてっからな」
「え?そうなの?その割に対して筋肉質じゃないわね」
「ハッハッハ」
多分、毎日お姉ちゃんからの暴力に耐えて鍛えてるって意味何だとボクは思う。
(にしてもさっきは助かったぜ!サンキューな!)
小声でお兄ちゃんは感謝の意を表した。
首をブンブン振り回される方がぶたれるよりマシらしい。
ボクとお兄ちゃんは、お姉ちゃんに見えないように拳を合わせた。
「アレがクヌギ。この木の樹液には虫が集まりやすいんだ。クワガタとか、カブトムシだけじゃなくてカミキリやカナブン、チョウも集まってくるだぜ!スズメバチなんかも来ちゃうからハチには気をつけろよ」
「へー!そーなんだ!」
「たまに木にポッカリ穴が空いてるやつなんかあるだろ?アレは"ウロ"つってさ。その中で樹液が流れてたりして、ノコギリやコクワガタが隠れてる時があるんだぜ」
「お兄ちゃんってさ・・」
「な、なんだよ..」
「スゴイ‼︎昆虫博士みたい‼︎」
「なっ、バーカ!それほどでもあるけどよ‼︎」
お兄ちゃんは盛大に照れている。
「全部お父さんの受け売りでしょ」
「言うなよあさみ!」
「アッハッハッハ」
「コッチにカミキリなら居たんだけどな・・」
「うわぁ~スゴい色」
「なんかさぁ、ルリボシカミキリってさぁ、アメリカのケーキみたいだよね」
「う~ん、分かるような分からないような」
多分派手って意味かな?
「青と黒って、赤もあればフランスなのにね」
「フランスは青、白、赤だよ🇫🇷お姉ちゃん」
「おっ、こっちにコクワがいんぞー!」
「うわっ!ホントだ!」
「もっと探してみよーよ」
「そうだな。取りあえず昼まで探してみるか」
ボクらはそれぞれで虫探しをすることにした。
10分程探索していると、お姉ちゃんが何かを観察しているようだったので声を掛けてみた。
「お姉ちゃんは何してるの?」
「あそこにいるチョウを見てるの」
「チョウ?」
「うん」
「カラスアゲハチョウって言うの。キレイでしょ?」
「ホントだ。キレイな色だね」
「でもチョウって不思議よね?」
「何が?」
「チョウになる前はあんなに気持ち悪い毛虫なのに、サナギになって、マユからかえるとあんなにもキレイなチョウになるのよ?どうしてかしら?」
「う~ん..」
困った。これは思った以上に難題だぞ。
「一度自分の体を溶かしてんだよ」
「お兄ちゃん!」
「サナギの中でチョウになるための不要な筋肉なんかを溶かして、羽根や新たな器官に作り変えてるんだ」
「うえ~。溶かすの?」
「あぁ、だからサナギの中ってドロドロの白い液体になってんだよ。因みに、幼虫の時の目の数って何個か知ってっか?」
「2つじゃないの?」
「6個付いてんだ」
「それが2つになっちゃうの?」
「逆だぜ?チョウは目が1万個以上付いてんだぜ」
「えっ!?あの丸々としたのが一個じゃないの!?」
「たくやってこーゆーのだけはムダに詳しいわよね」
「俺は昆虫博士だからな!」
「スゲーや兄ちゃん!」
「へっ!オレ様に任せとけ!」
「ちょっと~!ここにクワガタいるんだけど代わりにとってよ~」
「ボクやるー!」
「お~!ノコギリじゃんか!やっぱクワガタつったらノコが定番だよな~」
ボクらはこうして昼ご飯を食べた後も、ずっと虫採りに勤しんだ。
「うわぁ!」
「あははは!寝坊助さんめ」
「え?今何時?」
叔母さんはニコッと笑うと「8時」と答えた。
「ホラホラ、早く下で歯磨きしてらっしゃい」
「う~ん・・」
ボクはこれから毎日この時間帯に起こされるのだろうか...。
洗面所に行くと、お兄ちゃんが先に歯磨きをしていた。
「おはよー」
「んばぶぉー」
「ボクの歯ブラシってどれ?」
「ぼこびばるばぼいばぶばびぶばっべびびぼ」
「あっ、これ?」
「ぼうぼう」
ガラガラガラーっぺ!
「うわぁ!お兄ちゃんもっと静かにうがいしてよ!コッチまで水が飛んできたじゃない!」
「あー、悪い悪いハハハ」
ボクは歯磨きを終え、顔を洗い、居間のテーブルに着いた。テーブルには極々一般的な、むしろとても日本人らしい朝食の数々が並んでいた。
「かずくんはパン派?ご飯派?」
「いつもはパンかシリアルかな」
パンやシリアルを食べるのは、作るのが簡単だからである。別に米が嫌いなわけじゃない。
「ボウズ!日本人は米だ!米!農耕民族はやっぱご飯を食わにゃあな!」
如何にも狩猟民族みたいな見た目の叔父さんは、米を信仰しているようだった。
「ご飯も大好きです」
「ホント?良かったぁ」
「よーし、食うべ食うべ」
「いただきまーす」
「たくや!くちゃくちゃ音を立てて食べないで!あぐらもかかない!箸もちゃんと持ちなさい!」
「カズが行儀良いせいで俺が怒られるんだぞ」
「ごめんなさい」
「アンタがちゃんとすりゃあ良いんでしょうが!」
「兄貴分の面子が立たねぇなぁこりゃあ」
「うっさいなぁ..」
この一家は朝食も賑やかなんだなぁ。
「今日は虫とりまくるからな!覚悟しとけよ!」
「OK~!」
今日はみんなでクワガタを捕る約束をしていた。
「アンタ変な虫とか卵とか持って帰らないでよ?去年部屋中カマキリだらけにして大変だったでしょ?」
「卵からあんなに産まれるとは思わなかったぜ!」
「どうせなら魚釣れ魚!タコ刺し食いてぇな」
「タコは魚じゃなくて魚介類だよ叔父さん」
「ボウズ、オメー頭良いんだな」
「漁師がそれでどうすんのよ」
「おじさん漁師さんなの!?」
「あぁ、遠洋漁業つってな。数ヶ月から長いと1年くらい海で漁をするんだ」
「今は何してるの?」
「休暇中だ。長い期間働くから長い期間休みを貰えるってわけだ」
「なるほど。じゃあ叔父さんも夏休みなんだ」
「ん?ハハハハ!そーさな、叔父さんも夏休みだ」
「主婦は毎日仕事ですけどね。いーわねー夏休みって」
「はい。洗濯手伝います」
「掃除と皿洗いもお願いね?」
「ごちそうさまー!いってーきまーす!」
ボクらはお互いに合図をし、一斉に走り出した。
「おいオメーらぁ!ずりーぞ!戻ってこーい!」
遠くから叔父さんの悲痛な声が聞こえる。
ごめんなさい。誰かが犠牲にならなくてはならないんだ。
ボクらは一気に走って公園まで辿り着いた。
「あぶねーとこだったな!」
「叔母さん...強いんだね..」
「親父はさぁ、怒鳴るからこえーんだけどさ、母ちゃんはさ、静かなんだけどこえーんだよ。怒鳴ると怖いのは分かるじゃん?笑顔なのに怖いってなんでなんだろうな?」
「う~ん・・何でだろう?」
「俺、思うんだけどさ、母ちゃんが怒ると見えない何かが現れてるんだと思うぜ?」
「何かって?」
「なんつーか、生霊ってやつ?オーラみたいなのが出てるんだぜ?きっと」
「だから強いんだね」
見えない何かが現れてるって事には何となく同意できた。般若か如来か鬼神かは分からないけど...
「あぁ、絶対そうだ」
「おっまたせ!」
そこに丁度お姉ちゃんがやって来た。
「コイツは次元が違うけどな」
「うんうん」
「何の話よ!」
「何でもねーよ」
「言わなきゃぶつよ‼︎」
「あっ、詰んだわ」
お兄ちゃんは何かを諦めたように、コッチに笑顔を向けた。
「この島で一番若くてキレイな人は誰って聞いたらお姉ちゃんが一番でおばさんが二番って話をしてたんだよ!」
ボクはその場で思い付いた有らん限りの出まかせを全て吐き出した。
「それホント?ホントなのたくや!」
お姉ちゃんはお兄ちゃんの襟を掴んでブンブン振り回している。
「モチロンサマイハニー」
「あらそうなの。フーン、そーゆーことなら別にいいけどさ」
「お姉ちゃん振り回すの辞めないとそろそろお兄ちゃん死んじゃう!」
「アラッ」
バタンーー。
完全に目を回したお兄ちゃんはその場に倒れ込んでしまった。
「大丈夫?たくや!?」
「へへっ、どってことないぜ」
とは言え焦点が合っていない。30秒程その場で休んでから歩き出した。
「そのぉ~、さっきはごめんね」
下を出しながら可愛らしく謝るお姉ちゃん。コレが猫を被るって意味なんだろうか?
「毎日鍛えてっからな」
「え?そうなの?その割に対して筋肉質じゃないわね」
「ハッハッハ」
多分、毎日お姉ちゃんからの暴力に耐えて鍛えてるって意味何だとボクは思う。
(にしてもさっきは助かったぜ!サンキューな!)
小声でお兄ちゃんは感謝の意を表した。
首をブンブン振り回される方がぶたれるよりマシらしい。
ボクとお兄ちゃんは、お姉ちゃんに見えないように拳を合わせた。
「アレがクヌギ。この木の樹液には虫が集まりやすいんだ。クワガタとか、カブトムシだけじゃなくてカミキリやカナブン、チョウも集まってくるだぜ!スズメバチなんかも来ちゃうからハチには気をつけろよ」
「へー!そーなんだ!」
「たまに木にポッカリ穴が空いてるやつなんかあるだろ?アレは"ウロ"つってさ。その中で樹液が流れてたりして、ノコギリやコクワガタが隠れてる時があるんだぜ」
「お兄ちゃんってさ・・」
「な、なんだよ..」
「スゴイ‼︎昆虫博士みたい‼︎」
「なっ、バーカ!それほどでもあるけどよ‼︎」
お兄ちゃんは盛大に照れている。
「全部お父さんの受け売りでしょ」
「言うなよあさみ!」
「アッハッハッハ」
「コッチにカミキリなら居たんだけどな・・」
「うわぁ~スゴい色」
「なんかさぁ、ルリボシカミキリってさぁ、アメリカのケーキみたいだよね」
「う~ん、分かるような分からないような」
多分派手って意味かな?
「青と黒って、赤もあればフランスなのにね」
「フランスは青、白、赤だよ🇫🇷お姉ちゃん」
「おっ、こっちにコクワがいんぞー!」
「うわっ!ホントだ!」
「もっと探してみよーよ」
「そうだな。取りあえず昼まで探してみるか」
ボクらはそれぞれで虫探しをすることにした。
10分程探索していると、お姉ちゃんが何かを観察しているようだったので声を掛けてみた。
「お姉ちゃんは何してるの?」
「あそこにいるチョウを見てるの」
「チョウ?」
「うん」
「カラスアゲハチョウって言うの。キレイでしょ?」
「ホントだ。キレイな色だね」
「でもチョウって不思議よね?」
「何が?」
「チョウになる前はあんなに気持ち悪い毛虫なのに、サナギになって、マユからかえるとあんなにもキレイなチョウになるのよ?どうしてかしら?」
「う~ん..」
困った。これは思った以上に難題だぞ。
「一度自分の体を溶かしてんだよ」
「お兄ちゃん!」
「サナギの中でチョウになるための不要な筋肉なんかを溶かして、羽根や新たな器官に作り変えてるんだ」
「うえ~。溶かすの?」
「あぁ、だからサナギの中ってドロドロの白い液体になってんだよ。因みに、幼虫の時の目の数って何個か知ってっか?」
「2つじゃないの?」
「6個付いてんだ」
「それが2つになっちゃうの?」
「逆だぜ?チョウは目が1万個以上付いてんだぜ」
「えっ!?あの丸々としたのが一個じゃないの!?」
「たくやってこーゆーのだけはムダに詳しいわよね」
「俺は昆虫博士だからな!」
「スゲーや兄ちゃん!」
「へっ!オレ様に任せとけ!」
「ちょっと~!ここにクワガタいるんだけど代わりにとってよ~」
「ボクやるー!」
「お~!ノコギリじゃんか!やっぱクワガタつったらノコが定番だよな~」
ボクらはこうして昼ご飯を食べた後も、ずっと虫採りに勤しんだ。
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