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出会い
初めまして
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叔母さんは入江に一番近い古家の玄関を開けた。
どうやらココが叔母さんの家らしい。
「たっだいまー!かずくん来たわよー!」
家中に広がるぐらいの大きな声で叫んだ。
すると、奥の方からアロハシャツにグラサン、短髪の背の高い男が現れた。
「おぉ、来たかボウズ」
その男はぶっきらぼうな口ぶりで話しかけて来た。
この時のボクは、正直に言うとちょービビっていた。
「アンタこの子怖がってるわよ」
「おりゃあ何もしてねーべや!」
「大丈夫よかずくん!あの見た目がこわ~い人は私の旦那のひろ叔父ちゃんよ」
それを聞いて驚いた。優しそうな叔母さんに、こんな怖そうな叔父さんが夫婦だなんて・・
「おじさん・・よろしくお願いします・・」
「あははは!アンタ見た目怖すぎるのよ!」
「う、うるせー!生まれつきだコンチクショウ!」
2人仲良く談笑してる。叔父は案外優しい人なのかもしれない。
「あれ?そういえばたくやは?」
思い出したかのように呟いた。
「ここだよ」
叔父の大きな体に隠れて、ボクよりちょっとだけ背の高い男の子が現れた。
「アンタは何照れてんのよ。早く自己紹介なさい」
「照れてねーよ!」
顔を赤らめながらその男の子は叫んだ。
「俺はたくや。小学5年生・・」
「そのー、なんだ。当分ここに住むんだろ?」
ボクは「うん」と言って頷いた。
「じゃあ今日からお前は俺の弟分ってこった!いいな!」
一体どんな理屈なのだろうか。
「なーに言ってんだかこの子は・・」
「へへ、いいから見てろって」
叔父と叔母は傍観に回った。
反応に困ってしまったが、一人っ子であるボクに兄弟が出来た気がして、
「弟分ってことは、お兄ちゃんって呼んでいいの?」
と聞いてみた。
たくやは笑いながら応えた。
「なんかちげーけど、まぁいいや!」
「よろしくな!かず!」
「うん!よろしくねお兄ちゃん!」
どうやらボクは無事に舎弟になれたらしい。
すると、お兄ちゃんは手の平を握りながら「グー出せグー✊」と催促して来た。
「グー?」
「いいからホラ」
ボクは言われた通りに拳を握ってかざした。
するとお兄ちゃんは"コツン"と拳と拳を合わせて言った。
「今日から兄弟!男の誓いな!」
ちょっと痛かったけど、なんだか心の奥底から熱いものが溢れて来るような気持ちになった。
「な?これが友情って奴だ」
「男ってこういうのが好きなの?」
「女にゃあ分かんねーかなぁ~。ロマンだよロマン‼︎」
「アンタほど暑苦しいロマンはないわよ」
「それ、ちゃんと褒めてんのか?」
「さっ、かずくん。晩御飯まで自由行動の時間よ」
「はーい!」
「おい公園行こうぜ」
「うん!」
「なぁ?褒め言葉だよなぁ?」
「~♩~♩~🎵」
どうやらココが叔母さんの家らしい。
「たっだいまー!かずくん来たわよー!」
家中に広がるぐらいの大きな声で叫んだ。
すると、奥の方からアロハシャツにグラサン、短髪の背の高い男が現れた。
「おぉ、来たかボウズ」
その男はぶっきらぼうな口ぶりで話しかけて来た。
この時のボクは、正直に言うとちょービビっていた。
「アンタこの子怖がってるわよ」
「おりゃあ何もしてねーべや!」
「大丈夫よかずくん!あの見た目がこわ~い人は私の旦那のひろ叔父ちゃんよ」
それを聞いて驚いた。優しそうな叔母さんに、こんな怖そうな叔父さんが夫婦だなんて・・
「おじさん・・よろしくお願いします・・」
「あははは!アンタ見た目怖すぎるのよ!」
「う、うるせー!生まれつきだコンチクショウ!」
2人仲良く談笑してる。叔父は案外優しい人なのかもしれない。
「あれ?そういえばたくやは?」
思い出したかのように呟いた。
「ここだよ」
叔父の大きな体に隠れて、ボクよりちょっとだけ背の高い男の子が現れた。
「アンタは何照れてんのよ。早く自己紹介なさい」
「照れてねーよ!」
顔を赤らめながらその男の子は叫んだ。
「俺はたくや。小学5年生・・」
「そのー、なんだ。当分ここに住むんだろ?」
ボクは「うん」と言って頷いた。
「じゃあ今日からお前は俺の弟分ってこった!いいな!」
一体どんな理屈なのだろうか。
「なーに言ってんだかこの子は・・」
「へへ、いいから見てろって」
叔父と叔母は傍観に回った。
反応に困ってしまったが、一人っ子であるボクに兄弟が出来た気がして、
「弟分ってことは、お兄ちゃんって呼んでいいの?」
と聞いてみた。
たくやは笑いながら応えた。
「なんかちげーけど、まぁいいや!」
「よろしくな!かず!」
「うん!よろしくねお兄ちゃん!」
どうやらボクは無事に舎弟になれたらしい。
すると、お兄ちゃんは手の平を握りながら「グー出せグー✊」と催促して来た。
「グー?」
「いいからホラ」
ボクは言われた通りに拳を握ってかざした。
するとお兄ちゃんは"コツン"と拳と拳を合わせて言った。
「今日から兄弟!男の誓いな!」
ちょっと痛かったけど、なんだか心の奥底から熱いものが溢れて来るような気持ちになった。
「な?これが友情って奴だ」
「男ってこういうのが好きなの?」
「女にゃあ分かんねーかなぁ~。ロマンだよロマン‼︎」
「アンタほど暑苦しいロマンはないわよ」
「それ、ちゃんと褒めてんのか?」
「さっ、かずくん。晩御飯まで自由行動の時間よ」
「はーい!」
「おい公園行こうぜ」
「うん!」
「なぁ?褒め言葉だよなぁ?」
「~♩~♩~🎵」
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