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復讐
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まだ朝早いのに、なんだか街が騒がしいな…
カンカンカンカン♪
警鐘の音だ。
一体何があったんだ?
要塞は落としたのに、それなのに奴等は襲ってきたとでもいうのか?
俺は慌てて家を飛び出した。
外の景色を見て衝撃を受ける。
「人?…」
空を埋め尽くす黒い塊。
竜の民が小型の竜に乗って攻めて来たのだ。
竜の民の飛行隊は大軍だ。
まだ街には到達していない。
しかし、奴等がここまでくれば、火竜の時よりも大きな被害が出るかも。
本当に恐ろしいのは人なんだ。
俺は急いで本部へ向かった。
もう皆集まっていた。
「相変わらず遅いな…」
「ごめんなさい…」
「たった今司令部から作戦が発表された。」
「奴等を殲滅せよ。と、それだけだ。奴等の戦い方は未知だからな…」
「今、アクイラ領の離れ小島にある砦で奴等に応戦しているが、早く行かないと落とされるだろうな。」
「奴等の飛行隊とは以前、やり合ったことがあります。きっと今回も勝てるでしょう。」
「そうだな。行くぞ!」
三国の飛行隊と竜の民の飛行隊、初めての大規模空戦である。
「要塞を落としたのに攻めてくるなんて…要塞ひとつではどうってこと無いくらい奴等の軍事力が凄いのか、それとも単なるプライドによる報復なのか…」
俺たちの軍と同様、奴等も部隊毎に細かく別れていた。部隊同士の対決になりそうだ。
パン、パン、
銃声だ。戦闘が始まった。
奴等の1つの部隊が俺たちの部隊に狙いをつけて接近してきた。
「行くぞ‼」
ランサーさんが先陣をきる。
ピシュ!ピシュ!
射撃魔法で竜の民が数人落ちる。
「やっぱり奴等は鈍い!」
俺たちは簡単に奴等の背後を取った。
しかし、動きまわる竜の民に攻撃を当てるところまではいかない。
なんとももどかしい…
ピシュピシュ、パンパパパパパパ…
激しい撃ち合いだ。
だんだんどれが味方でどれが敵か分からなくなってくる。
魔泉カートリッジが切れた。交換しなくては。
この瞬間が一番怖い。無防備になってしまう。
シュッ
「うぉぉ!」
敵の一人が近距離攻撃をかけてきた。どうやら銃弾が無くなったが、チャンスと見て突っ込んできたのだ。
ガキッ、キーン
激しく刀を打ち合った。
鋭い金属音が鳴り響く。
ビヒューッ!
敵が突進してきた。
俺はすかさず空中で後ろ向きに回転しつつ、頭上に移動。下を抜ける敵を切り裂いた。
ズシャーー!
奴は血を吹きながら下へ落ちていった。
パン!
「痛っ…クッ…」
右肩に激痛が走る。銃弾が命中した。
ピシュン…
撃ってきた奴を味方が殺す。
奴等の部隊は全滅した。
「痛え…こんなに痛いの初めてだ…」
ヒュー…パァン…
敵が信号弾をうった。
なんだ?
敵が布陣をかえる。
上空へ上がっていく。
シュウウウ…
黒い塊が雨のように一斉に降下し、
パパパパパパパパパパパパパパ!
銃を乱射した。
上へ上がっては銃弾を乱射しつつ降下。
これは相当ヤバイ攻撃だ。
戦ってみて分かったことがある。
奴等の小型竜はスピード、旋回力は鳥に劣るが、馬力は上だ。つまり、奴等の急上昇急降下には追い付けない。
奴等はそれに気づいたのだ。
この攻撃にはついていけない。
「クッ、うわっ、…ッ、…」
味方が沢山落ちていった。
「あ…サニー‼」
サニーが落ちていく。
鳥が殺られたようだ。サニーは射たれていないようだが落ちる恐怖で気を失ったようだ。
俺は落ちていくサニーを必死においかけた。
凄い速さで落ちていく。
が、なんとか距離を詰められた。
俺は腕を伸ばして刀を振るった。
バツ、バツ、
鳥と搭乗員をつなぐベルトをなんとか切り裂く。
「くっ…」
大変困難な作業で、間違って腕に傷を負わせてしまった。
サニーは鳥から離れて落ちていく。
バシッ
なんとかサニーの腕を掴んだ。
上へ引き上げて抱えた。
無理に刀を振るったから、肩の傷から血が吹き出た。
(早く街へ送らないと!)
このままでは格好の的だ。
カチッ
(は……)
後ろに銃を構えた敵が現れた。
(殺…される…)
すると突然敵が吹っ飛んだ。
「早く送り届けてやれ、レイン!」
「ヴィルゴ!助かったよ!」
「さぁ、早く!敵は俺が片付けてやるぜ!」
俺はなんとか街へサニーを送った。
サニーはずっと意識を失っていた。
射撃が得意なサニーが戦えないのは結構痛手だ。
俺は戦場へ戻った。
敵の戦法は強力だったが、兵士たちは盾を上手く使って耐えていた。
しかし、奴等の方が数は上。徐々に押されてきていた。
カンカンカンカン♪
警鐘の音だ。
一体何があったんだ?
要塞は落としたのに、それなのに奴等は襲ってきたとでもいうのか?
俺は慌てて家を飛び出した。
外の景色を見て衝撃を受ける。
「人?…」
空を埋め尽くす黒い塊。
竜の民が小型の竜に乗って攻めて来たのだ。
竜の民の飛行隊は大軍だ。
まだ街には到達していない。
しかし、奴等がここまでくれば、火竜の時よりも大きな被害が出るかも。
本当に恐ろしいのは人なんだ。
俺は急いで本部へ向かった。
もう皆集まっていた。
「相変わらず遅いな…」
「ごめんなさい…」
「たった今司令部から作戦が発表された。」
「奴等を殲滅せよ。と、それだけだ。奴等の戦い方は未知だからな…」
「今、アクイラ領の離れ小島にある砦で奴等に応戦しているが、早く行かないと落とされるだろうな。」
「奴等の飛行隊とは以前、やり合ったことがあります。きっと今回も勝てるでしょう。」
「そうだな。行くぞ!」
三国の飛行隊と竜の民の飛行隊、初めての大規模空戦である。
「要塞を落としたのに攻めてくるなんて…要塞ひとつではどうってこと無いくらい奴等の軍事力が凄いのか、それとも単なるプライドによる報復なのか…」
俺たちの軍と同様、奴等も部隊毎に細かく別れていた。部隊同士の対決になりそうだ。
パン、パン、
銃声だ。戦闘が始まった。
奴等の1つの部隊が俺たちの部隊に狙いをつけて接近してきた。
「行くぞ‼」
ランサーさんが先陣をきる。
ピシュ!ピシュ!
射撃魔法で竜の民が数人落ちる。
「やっぱり奴等は鈍い!」
俺たちは簡単に奴等の背後を取った。
しかし、動きまわる竜の民に攻撃を当てるところまではいかない。
なんとももどかしい…
ピシュピシュ、パンパパパパパパ…
激しい撃ち合いだ。
だんだんどれが味方でどれが敵か分からなくなってくる。
魔泉カートリッジが切れた。交換しなくては。
この瞬間が一番怖い。無防備になってしまう。
シュッ
「うぉぉ!」
敵の一人が近距離攻撃をかけてきた。どうやら銃弾が無くなったが、チャンスと見て突っ込んできたのだ。
ガキッ、キーン
激しく刀を打ち合った。
鋭い金属音が鳴り響く。
ビヒューッ!
敵が突進してきた。
俺はすかさず空中で後ろ向きに回転しつつ、頭上に移動。下を抜ける敵を切り裂いた。
ズシャーー!
奴は血を吹きながら下へ落ちていった。
パン!
「痛っ…クッ…」
右肩に激痛が走る。銃弾が命中した。
ピシュン…
撃ってきた奴を味方が殺す。
奴等の部隊は全滅した。
「痛え…こんなに痛いの初めてだ…」
ヒュー…パァン…
敵が信号弾をうった。
なんだ?
敵が布陣をかえる。
上空へ上がっていく。
シュウウウ…
黒い塊が雨のように一斉に降下し、
パパパパパパパパパパパパパパ!
銃を乱射した。
上へ上がっては銃弾を乱射しつつ降下。
これは相当ヤバイ攻撃だ。
戦ってみて分かったことがある。
奴等の小型竜はスピード、旋回力は鳥に劣るが、馬力は上だ。つまり、奴等の急上昇急降下には追い付けない。
奴等はそれに気づいたのだ。
この攻撃にはついていけない。
「クッ、うわっ、…ッ、…」
味方が沢山落ちていった。
「あ…サニー‼」
サニーが落ちていく。
鳥が殺られたようだ。サニーは射たれていないようだが落ちる恐怖で気を失ったようだ。
俺は落ちていくサニーを必死においかけた。
凄い速さで落ちていく。
が、なんとか距離を詰められた。
俺は腕を伸ばして刀を振るった。
バツ、バツ、
鳥と搭乗員をつなぐベルトをなんとか切り裂く。
「くっ…」
大変困難な作業で、間違って腕に傷を負わせてしまった。
サニーは鳥から離れて落ちていく。
バシッ
なんとかサニーの腕を掴んだ。
上へ引き上げて抱えた。
無理に刀を振るったから、肩の傷から血が吹き出た。
(早く街へ送らないと!)
このままでは格好の的だ。
カチッ
(は……)
後ろに銃を構えた敵が現れた。
(殺…される…)
すると突然敵が吹っ飛んだ。
「早く送り届けてやれ、レイン!」
「ヴィルゴ!助かったよ!」
「さぁ、早く!敵は俺が片付けてやるぜ!」
俺はなんとか街へサニーを送った。
サニーはずっと意識を失っていた。
射撃が得意なサニーが戦えないのは結構痛手だ。
俺は戦場へ戻った。
敵の戦法は強力だったが、兵士たちは盾を上手く使って耐えていた。
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