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家族
しおりを挟む「お父さん、誕生日おめでとう!」
お父さんは、少し驚いたような表情を見せる。
「俺もお父さんみたいな立派な兵士になるよ。」
俺が花束を差し出すと、お父さんはそれを両手で丁寧に受け取った。
「グスッ…ありがとう…」
「そんな、泣くほどのことじゃないでしょ」
お父さんは大きくて、男らしい人なんだが…
こういうのには、めっぽう弱い。
「よかったですね、でも、あんまり泣いてると格好つかないですよ」
お母さんが微笑みながらお父さんをなだめる。
「だってよぉ…」お父さんの涙は止まらない。
「立派になったね、レイン。」
お母さんが優しく言ってくれた。
「そ…そうかなぁ?」すごく照れくさかった。
「お前なら、きっと誰よりも優しくて強い兵士になれる。」
「お父さんまで…」
恥ずかしくって、顔が熱くなった。
「さ、そろそろご飯にしない?俺が作ってあげるよ。」
俺は逃げるように台所へ向かう。
「母さんも手伝うわ」
「いいよ、二人でゆっくりしてて」
シチューを作ってみた。まずまずの出来だ。
「うん!おいしい!」
二人はすごく喜んでくれた。
「幸せな1日だったよ。ありがとう。」
「うん。これからもよろしくね!」
俺自身にとっても、とても大切で、幸せな1日だった。
俺の家族はすごく仲が良い。それが俺にとって、何よりの自慢だった。
父の名前はデルフィ=クライシス
兵士をやっていて、街の人から尊敬を集めている。今この国は東の工業国「ザギート」と緊張状態にあるから、何かなければいいが…
母の名は、ルテア=クライシス
優しくて、いつも家族のことを気にかけてくれるし、専業主婦として毎日頑張っている。
少し体が弱いのだけれど、今は元気で良かった。
俺は一人っ子だから、両親はとても大事に育ててくれた。俺が兵士になりたいと言った時は、なかなか受け入れてはくれなかったが、今は俺の熱意を理解してくれている。
明日俺は軍刀の実技試験を受ける。
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両親の為にも、きっと合格してみせる。
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