Please Say That

国沢柊青

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act.23

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 正真正面のスターの姿を見て、観客は益々ヒートアップした。
 中には感極まって泣き出す男の子や、女の子までいた。
 ステージ上でレスポールを手に持ったままのショーンだったが、先程まで演奏していた高校生バンドのギタリストが『バルーン』の代表曲のリフを弾き始めると、それに反応したように彼は周囲のバンドマンに目をやった。
 皆、期待に打ち震えた顔つきでショーンを見つめていた。
 誰もが「さぁ弾いてくれ。俺達にあんたの素晴らしい音を聴かせてくれ」と目で訴えかけてきていた。
 ショーンは大きく息を吐くと、少しだけ苦笑みを浮かべ(それはまるで「しょうがないな・・・」と言っているようだった)、レスポールのベルトを肩に掛けた。それを見て、観客がまた歓声を上げる。
 次の瞬間、鳥肌が立つようなショーンの演奏が始まった。
 それは誰も真似ができない、くるくると表情を変えるショーン独特の音だった。
 バンドのヴォーカリストも、あまりの衝撃と感動に一瞬歌い遅れるほどだ。
 その音は分厚くグラマラスで、19歳の若者が出す音のようにはとても思えない。
 感覚的に弾き出される音は、表情豊かにホール内の空気を押し上げ、観客を興奮の坩堝に落とし込んだ。
 ギターに指を走らせるショーンは実に活き活きとしていて、迫力に満ちていた。さっきまで躊躇っていたとは思えないほど堂々としていて、大きく見えた。
 その鮮やかな身のこなし、汗粒の浮かぶ魅惑的な表情。どれもが『選ばれた者』を感じさせるオーラを放っている。
「・・・別人だな・・・」
 そんなステージ上のショーンを見て、羽柴が呟く。
「別人?」
 横でクリスが訊き返した。羽柴はショーンに見惚れたまま、頷く。
「俺の前での彼は・・・何というか脆くて危うくて。でもいつも思うんです。彼のギターの音を聴く度に、なんて生命力に溢れた力強い音なんだろうって。俺では到底追いつかないような強い何かが、彼の身体の芯には潜んでいるんだって」
「あなたでは到底追いつかないですって? ショーンはあなたを頼り切っているのに」
 クリスがそう返す。
 羽柴を見つめるショーンの瞳の色を見れば、それは明らかだ。
 しかし羽柴は、ステージ上のショーンを見つめたまま答えた。
「確かに俺は、今まで乗り越えなければならない“山”が大き過ぎて、そのお陰でここまでやってこれました。それを言うなら、俺は強い。ショーンの悩みを受け止める自信もある。けれどもう一人の自分が、それでいいのかって囁く時があるんです。なぜかは分からないけれど・・・」
 そう言う羽柴の表情は、苦々しさや切なさ、悲しみなどが入り混じったような複雑なものだった。
 だが次の瞬間には、まるでハタと正気に戻ったかのように苦笑いする。
「すみません。初対面のあなたに、こんな話・・・」
「いえ。こちらこそ、そんな話を聞かせてもらって光栄ですよ、とても・・・。それに、あの坊主は本当にラッキーだった」
 羽柴がクリスを見る。
 クリスは苦みの走った何とも言えない笑みを浮かべ、「最大のピンチにあなたのような人に出会えるなんて」と言った。
 きっとショーンが聞いたら驚くほどのクリスの素直な台詞だった。
 どんな相手に対しても棘のある言葉をしかけるクリスが見せた、心からの紳士的な言葉だった。
 羽柴が照れくさそうに微笑んだ時、一曲目の演奏が終わった会場内から、「ショーン歌って!!」という声が沸き上がっていた。
 皆、若輩の高校生が歌う歌よりも、現役バルーンメンバーがオリジナルの曲を歌うことを望んだ。
 だがショーンは苦々しい笑顔を浮かべ、マイク越しに言う。
「流石にそれはできないよ。バルーンの歌は、やっぱりイアンが歌わないとね。俺にはそんな資格なんてない」
 一瞬会場が静まり返る。その様子を見て、ショーンが更に続けた。
「それに俺、殆ど全ての曲、二番の歌詞を知らないんだ」
 ショーンのお茶目なジョークに会場中が湧いた。
「その代わり、ストーンズの『サティスファクション』はどうだい? そうすれば絶対皆、『満足する』と思うんだけど」
 ローリングストーンズの名曲に自分の台詞をかけてウインクするショーンを、誰が拒めるというのだろう。
 会場から悲鳴と指笛が沸き起こり、ショーンは王者の風格で伝説のロックバンドの名曲を指で弾いた。ちょっと鼻にかかったハスキーな声で歌うショーンは、華々しいロックスターそのものの姿だった。赤い魅力的な髪を振り乱し、汗を飛び散らせながら歌い、ギターを弾く様は、見ている者全員を魅了しノックダウンさせた。
 
 
 ショーンがステージを降りた後も、熱狂的な歓声は鳴りやまなかった。
 彼はステージを降りることを許して貰えず、何度もアンコールをした上でもこの熱狂ぶりで、プログラムの時間が確実に数時間押したことなど、スタッフを含め、皆ものともしていない様子だった。
 ステージを駆け下りてきたショーンは、感極まったかのようにギターを背中に回して羽柴の身体に飛びついた。
「コウ! 俺、やったよ! できた!! またバルーンの曲、弾けた!」
 羽柴も満面の笑みでショーンを抱き留める。
「凄くよかったよ、ショーン! あんまり迫力がすごくて、驚いた」
「そっか。アンプに通した音を聴くの初めてだもんね、コウ」
 ショーンはそこまで言うと、自分が汗まみれだということに気が付いた。
「ご、ごめんコウ! 俺、汗くさいよね」
 ショーンはそう言うと、今度は羽柴の身体から飛び退いた。
 その様子を見て、クリスがバカ笑いする。
「お前さん、まるでバネ仕掛けの人形だな」
「うるさい」
 ムッとした表情でショーンがクリスを睨み付けると、クリスはその頭にタオルをバサリとかけて「奥のバスルームを使いな。着替えは用意しといてやるから。きちんとしないと、こんな日は風邪をひく」と言った。
 熱気溢れる劇場内にいると全く分からないが、劇場の外は日も暮れて気温は既に氷点下だろう。雪こそ降らないが、寒さは冬本番だ。
 ショーンが風呂に入っている間、クリスと羽柴は酒を酌み交わして話に花を咲かせた。
 互いに深刻な話はせずに、クリスが興味を持っている日本の話をしたり、華やかなショービズの世界の舞台裏を話したりして盛り上がった。
 ショーンが風呂から出てくる頃には予定していた帰宅時間はもう随分前に過ぎてしまい、二人は慌てて帰り支度をすることとなった。
 今からの帰宅では、夕食というより夜食の時間帯だ。
 それでもスコットは、何も食べずに待っていることだろう。
 ショーンがシャワーを浴びている間、ステージに上がった高揚感が引いていくと、激しい空腹感に襲われてしまった。
 クリスは劇場の後始末があるから一緒には帰れないと言い、「俺の分の飯を残しておけ」とショーンに命令した。
 羽柴は酔っぱらうほどではないが、空腹の胃袋にそれなりの量の酒を流し込んだので車で帰るのはやめにし、二人して歩いて帰ることになった。風呂上がりのショーンが風邪をひいてはいけないと、出がけにクリスは厚手のコートをショーンに着せ、マフラーで顔の下半分から首元をグルグル巻きにした。そして手には厚手の手袋、頭にもニット帽を被せる。
「下手な変装より効果的かもね」
 重装備のお陰で人相が分からなくなってしまったショーンを見て、羽柴は吹き出す。
 ショーンは白い息を吐くこともままならない状態で、口をもごもご言わせた。
「え? 何? なんて言ってるか聞こえない」
「大げさなんだよ!」
 ショーンは格闘していたマフラーをやっと顔の下まで下げると、プハッと息を付いてそう叫んだ。
「クリスはそれだけショーンのことを思ってくれているんだよ。素敵な人だね」
「口は悪いけどね」
「それはショーンも同じ」
 羽柴にそうやり込められると、ショーンはバツが悪そうに口を尖らせた。
 そんなショーンに、羽柴は少し声のトーンを落として訊いた。
「ひょっとして・・・ショーンが言ったこと、本当なのかい?」
「え?」
「いや、ほら恋人とかっていう・・・」
 ショーンが羽柴を見て、目をパチパチとさせる。その目は『分かったのか?』と訊ねているようだった。
 羽柴はバツの悪そうな笑みを浮かべる。
「だって、彼を見ていたら・・・。随分華やかな人だし、ショービズの世界はそういう人が多いというから。それに、君のパパもハンサムだしね」
 ショーンが再び口を尖らせて、ひじ鉄をしてくる。
「本当にやめてよ、コウ。二人に手を出すのは。いくらおいしそうだからっていって」
「そんなこと、ある訳ないだろ!!」
 羽柴が思わず叫び声を上げる。
 シンと静まり返った暗闇に、大げさなほど声が響いて、思わず羽柴は口を覆った。
 なおもショーンは口を尖らせたまま、「ダッドはともかく、クリスはつまみ食いしそうなキャラだから困るんだよ。ダッドはいつもそれで泣かされてんだ」とブーたれている。
 羽柴は思わずゴホゴホと咳き込んだ。
 確かにあの華やかさを誇るクリス・カーターは引く手あまただろう。その奔放さが彼の魅力の一因にもなっていそうだ。
 しかし、それと羽柴自身の性の好みとごっちゃにされてはたまらない。
 羽柴は基本的にはヘテロセクシャルだし、本当に男性に対して性的興味を持ったのは真一だけなのだ。
 羽柴を置いて、ブツブツと呟きながら先を急ぐショーンを追いかけて、羽柴は重ねて言った。
「絶対に俺はそういうのないからな。本当に」
 羽柴の焦った声に、ショーンが立ち止まる。
 彼は羽柴の方をキッと振り返ると、「何度も言わなくても分かったよ、もう」と淡泊に言った。
 羽柴は何でか自分の口から溜息が出たのを感じて、ふいにおかしくなった。
 なぜこんなに焦る必要があるのか、と。
「フフッ、アハハ」
 ふいに笑い始めた羽柴に、ショーンが怪訝そうに顔を顰める。
「いや・・・、ごめんごめん。何でもない」
「何でもなくて、笑う? 普通」
「いや・・・。ひょっと、年甲斐もない自分が滑稽で・・・」
「?」
「いいじゃないか、そんなこと。それより・・・・」
「何?」
 羽柴の目の前には、濁りのない茜色の瞳がある。
 羽柴は自分が思わず言い出そうとしたことが、きっと彼を困らせてしまうんじゃないかと今更ながらに気が付いて、その先を言い淀んだ。
 益々ショーンは顔を顰める。
「今度は何?」
「いや、いいよ」
「よくないよ。気になる」
「でも・・・その先を話すと、君を傷つけてしまうかもしれないから」
 一瞬ショーンは口を噤んだ。少し不安げな表情を見せる。
「俺のこと、嫌いになったって言いたいの?」
 その問いに、羽柴がハッと息を吐き出す。
「そんな訳ないじゃないか」
「じゃ、何? ダッドのこと? それともクリスのこと?」
「違う、そんなんじゃないよ」
「じゃ、何? コウが言うことで俺が傷つくだなんてこと・・・。それをここで言われないことの方がもっと傷つくよ、俺は」
 頑なな表情のショーンが痛々しく見えて、羽柴は苦笑いを浮かべた。
「ごめん。逆に混乱させてしまって。俺が言いたかったことはつまり・・・。君の歌声は素晴らしいってこと」
 ショーンの大きな瞳が瞬きする。
 羽柴はバツが悪くなって、ガリガリと頭を掻いた。
「今日は心底そう思ってしまったんだ。もちろん、ギターの音色も最高なんだけど、それよりも君の歌声は素晴らしいって。正直、もっと聴いていたいと思ってしまった」
「コウ・・・」
「── 君が歌いたくても歌えない状況にあることは分かっているつもりだ。こんなことを言ったら、きっと君が困るだろうことも。だから俺は・・・ああ、まいったな」
 気の利いた言葉など全く思い浮かばず、羽柴は大きく溜息をついた。それでもこの場を何とか取り繕おうと羽柴は言葉を繋げようとする。
「何と言えばいいか・・・、つまりその・・・」
「コウ」
「別に俺は、この状況に甘んじるしかない君を責めるつもりは・・・」
「コウ、待って」
「いや、そんな言い方はないな。ええと、俺は君の歌声が聞けなくても平気な訳で・・・。や、これも違う。平気な訳じゃないが、君をこれ以上無理させたいんじゃなくて・・・」
「待って、コウ!」
 ショーンが、手袋に包まれた手で、羽柴の両手を掴む。
 羽柴はビックリして、思わず口を噤んだ。
 下からショーンの茜色の瞳が見上げてくる。
「俺の顔、困っているように見える?」
「え?」
 見下ろしたショーンの顔は穏やかな笑顔で。瞳は少しだけ濡れていた。
「ねぇ、俺の顔、悲しそう?」
「い、いや、そんなことはないが・・・。でも君、クリスマスパーティーで同じ様なことを言われて、困った顔をしてたから・・・」
「確かに、そうだけど・・・。でも俺は、そこまで気遣ってくれながらでも、コウに歌声が素晴らしいと言ってもらえて、本当に嬉しいよ」
 ショーンは羽柴の首に抱きついてくると、くごもった声で「ありがとう」と言った。
 羽柴も、ホッと息をついてショーンの背中を擦る。
 気付くと、頭を起こしたショーンの顔が驚くほど近い距離にあった。
 寒さでピンク色の染まった頬。まるで人形のように整った顔のライン。キュッと上がった口角。そして完璧なまでに美しい茜色の瞳に、羽柴は吸い込まれるような感覚に陥った。
 永遠に近いような一瞬の間があって、ふいに二人の唇が互いに誘われるように近づいたように見えたが、ふいにショーンの動きが止まった。
 ショーンの目の先には、羽柴の腕時計があった。
 周囲がシンと静まり返っていて分からなかったが、時間は今まさに新しい日を迎えていた。
 ニュー・イヤーズ・デイだ。
 どこか遠くで、「パッピー・ニュー・イヤー!」と口々に叫ぶ歓声と、クラッカーが鳴る音がする。通りの向こうの庭でロケット花火がけたたましく鳴り、空中にピンク色の火の玉が瞬いた。
 二人して、空に次々と上がるグリーンやレッド、ピンクの光玉を見上げる。
「ハッピー・ニュー・イヤー、コウ」
「ハッピー・ニュー・イヤー、ショーン」
 羽柴がそう応えると、ショーンはテレくさそうな微笑みを浮かべ、羽柴の腕から離れた。
 その笑顔は、今までの聡明ともいえる美しく儚い笑顔とは全く違う、とても少年臭いやんちゃな笑顔だった。
「シンデレラの魔法が切れる時間になっちゃった」
 そんなことを呟きながら、ショーンが鼻の下を擦る。
「ショーン・・・?」
 羽柴が今の台詞の意味を図りかねていると、それをまるでうち消すようにショーンが叫んだ。
「しまった! ダッド、一人きりで新年迎えちゃってる!」
「あ・・・! そ、そうだな」
 羽柴もハッとして顔を顰めた。
「ショーン、急ごう。走ろうか」
「うん」
 二人は、厚着のコートをバタバタとさせながら、家路を急いだのだった。
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