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番外1・腹黒王子の秘密 前
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僕はクリス、十四歳。これでもこの国の第三王子だ。
兄上たちとはけっこう年が離れていて、王太子の長兄オーギュストは既に結婚している。次兄のリュシアンはまだ決まった相手はいないようだけど、各国から婿にという打診が相次いでいるらしい。
最近の僕の願いはただ一つ。早く大人になりたいということ。
この国では十八歳が成人とされ、社交界へのデビューはもちろん、それまでは結婚も認められない。つまり僕は、それまではまだまだ子供として扱われ、社交の場へは参加できない。そんなことはかまわない。別に、着飾った女性たちと喋ったり踊ったりしたいわけじゃないから。
ならば何が問題かというと……。
ダンドリュー侯爵家令嬢、マリレーヌ。オーギュスト兄上の学友で今は腹心のジェラール・ダンドリュー殿の妹だ。昔から兄妹揃って王子たちの遊び相手として、王宮へ出入りしていた。
マリレーヌ……マリィ姉さまは僕の四つ年上。初めて姉さまに会った日の事はよく覚えている。
当時僕は三歳だったと思う。ちなみにリュシアン兄上は僕より八つ上、オーギュスト兄上に至っては十三歳も離れている。兄上たちは僕を可愛がってはくれたけれど、どんなに頑張って追いかけても一緒に遊んではもらえなかった。今思えばそれも当然で、十一歳と十六歳の少年が、幼児となんか遊べるわけがないのだけど。当時の僕はそれが悲しくて悔しくて、しょっちゅう兄上たちを追いかけていた。
その日もあっという間に兄上たちに置いて行かれ、僕は芝生の上で泣いていた。
「どうして泣いているの?」
優しい声がして、目の前に薄桃色が広がった。驚いて顔を上げると、薄桃色のドレスを着たお人形のような女の子が、屈んで僕をのぞきこんでいる。それがマリィ姉さまだった。
その時から僕はマリィ姉さまが大好きになり、王宮へ来てくれるのを心待ちにするようになった。姉さまは優しくて綺麗で、宝石のような緑の瞳がいつもきらきら輝いている。僕は子供心に、いつか姉さまをお嫁さんにするんだ、と決めていた。
それが起こったのは、僕が六歳のときだった。
それ以来、僕には誰にも言えない秘密ができたんだ。今まで母上にも、もちろん兄上たちにも言ったことがない。
僕はその日も大好きなマリィ姉さまに遊んでもらい、中庭の植え込みで隠れんぼをしていた。姉さまが僕を探す声をワクワクして聞きながら、僕は傍らに咲く淡い色のチューリップを覗き込んだ。開いたばかりのふっくりとした花びらは、当時十歳のマリィ姉さまのように可愛らしかったから。
すると中から蜂が飛び出した。別に刺された訳ではないけれど、僕は驚いて泣き出してしまった。
「クリス、どうしたの?」
突然の泣き声に、姉さまが慌てて駆け寄ってくる声と足音。その時僕の脳裏に、ある知らない風景が浮かんだ。懐かしい顔の誰かが、泣いている僕に向かって駆けてくる姿。
―――あの時も、母さんが慌てて走ってきたっけ……? え……母さん?
突然僕の頭に、堰を切ったように沢山の記憶と情景が流れ込んできた。もちろん当時の僕の記憶ではない。その時の僕はわずか六歳だ。理解も制御もできない事態に、そのまま大泣きしたのを覚えている。
そして気が付いたら、「僕」は「クリス」になっていた。
元々クリスだろうって? いや、そうじゃないんだ。六歳のクリスの中に流れ込んだ記憶、それが「僕」。
自分でも紛らわしいとは思う。ここで一度、自己紹介をするべきなのか。
「僕」の名前は樫村祐樹。もちろんこの世界の人間じゃない。日本の、ちょっと田舎の片隅で地味に生きていた十六歳、高校一年生だった。
学校に遅刻しそうになって慌てて飛び出した僕は交通事故に遭い……、気がついたらここにいて、第三王子のクリスになっていたというわけだ。あまりにテンプレ通りで情けない。
当時は「僕」も混乱していたし、六歳のクリスに至ってはショックで知恵熱を出して三日寝込んだくらいだ。それでも十歳の精神年齢の差は大きかったんだろう。しばらくの間はこっちの「僕」がクリスの人格を半ば乗っ取るような状態で、「僕」とクリスは危ういバランスをとっていた。
そんな状態でどうにか現状を把握した「僕」は、この世界が何か分かったところで、ひどく落ち込んだ。
信じたくないけど、どうやらここは「僕」の姉ちゃんが持っていた乙女ゲーム「ヒミツの恋愛遊戯」の世界のなからしい。
両親ともに仕事で帰りが遅いこともあって、姉ちゃんはいつもいわゆる十八禁の乙女ゲームを、リビングで堂々とやっていた。もちろん僕のことなんか気にもしない。その姉ちゃんがよく興奮気味に「レオン様♡」とか「ジェラール様♡」とか騒いでいたんだよ。
そして、姉ちゃんはショタっていうの? ようするに年下大好きだったんだ。何が悲しくて、僕が姉ちゃんの理想のタイプ―――金髪碧眼天使の微笑みの王子様にならなきゃいけないんだ! しかもゲームの年齢をはるかに超えた六歳! いくら姉ちゃんでも、これは眼中にないだろ? 冗談じゃない、高校生になって彼女つくって、男ならみんな夢見るあんなことやこんなことをしてたっぷり楽しむはずだったのに!
どうしてこんなことになったんだ? 女子の喜ぶ言い回しが知りたくて、姉ちゃんの乙女ゲームを横目で見てたのがいけなかったのか? それとも、その先に備えてこっそりパソコンで見てた動画のほうか?
とにかく、どんなに悔やんでももうどうにもならない。「僕」はクリス(六歳)になってしまった。異世界の暮らしと子ども扱い(実際子どもなんだが)に戸惑いながら、それでも何とか毎日の暮らしになじんでいった。
そのうちに、十六歳の「僕」と六歳のクリスは、脳内で奇妙な融合を果たしたらしい。基本的な人格とか考え方は「僕」なんだけど、クリスの知識や記憶はそのまま引き継がれた。この世界で生きて行くには、その知識はありがたい。
ところが、それ以外にももう一つ。クリスの大好きだった「マリィ姉さま」への想いまでもが、僕に刻み込まれてしまったんだ。
つまり、どういうことかというと。精神年齢十六歳の「僕」が、あり得ないことに十歳の少女マリレーヌに、熱烈な恋をしてしまったんだ。別にロリコンなんかじゃなかったよ! それだけでも信じたくないって言うのに、外見(いや現実も)六歳、当分恋愛なんてありえない。いったいどんな地獄だよ?
クリスの刷り込みの威力はすごかった。成長するにつれ、王宮内で他の女性を目にすることは増えてくる。それなのに、どんな美少女を見ても全く気持ちが揺るがない。おかげであれから八年、クリスとして十四歳になった今でも、姉さまへの気持ちは冷めない……というよりは、思春期を迎えてますます強くなってくるばかりだ。
そして、ついに僕も、大人になった。大人だよ、大人。分かる? あの、アレだよ。体が成長……そう、男になったってこと。
そうしたら、この八年我慢できていたのが不思議なくらい、どうにもならなくなってしまった。自制心なんて軽く吹っ飛びそうになる。もう一日だって我慢できない。マリィ姉さまを、マリレーヌを手に入れなくてはおかしくなってしまう。
ところがちょうどそのころ、姉さまは成人してしまった。当然そのまま社交界にデビューし、僕に会いに来ることはなくなった。僕も王子としての教育が忙しくなり、姉さまとの接点は消えてしまった。
兄上たちとはけっこう年が離れていて、王太子の長兄オーギュストは既に結婚している。次兄のリュシアンはまだ決まった相手はいないようだけど、各国から婿にという打診が相次いでいるらしい。
最近の僕の願いはただ一つ。早く大人になりたいということ。
この国では十八歳が成人とされ、社交界へのデビューはもちろん、それまでは結婚も認められない。つまり僕は、それまではまだまだ子供として扱われ、社交の場へは参加できない。そんなことはかまわない。別に、着飾った女性たちと喋ったり踊ったりしたいわけじゃないから。
ならば何が問題かというと……。
ダンドリュー侯爵家令嬢、マリレーヌ。オーギュスト兄上の学友で今は腹心のジェラール・ダンドリュー殿の妹だ。昔から兄妹揃って王子たちの遊び相手として、王宮へ出入りしていた。
マリレーヌ……マリィ姉さまは僕の四つ年上。初めて姉さまに会った日の事はよく覚えている。
当時僕は三歳だったと思う。ちなみにリュシアン兄上は僕より八つ上、オーギュスト兄上に至っては十三歳も離れている。兄上たちは僕を可愛がってはくれたけれど、どんなに頑張って追いかけても一緒に遊んではもらえなかった。今思えばそれも当然で、十一歳と十六歳の少年が、幼児となんか遊べるわけがないのだけど。当時の僕はそれが悲しくて悔しくて、しょっちゅう兄上たちを追いかけていた。
その日もあっという間に兄上たちに置いて行かれ、僕は芝生の上で泣いていた。
「どうして泣いているの?」
優しい声がして、目の前に薄桃色が広がった。驚いて顔を上げると、薄桃色のドレスを着たお人形のような女の子が、屈んで僕をのぞきこんでいる。それがマリィ姉さまだった。
その時から僕はマリィ姉さまが大好きになり、王宮へ来てくれるのを心待ちにするようになった。姉さまは優しくて綺麗で、宝石のような緑の瞳がいつもきらきら輝いている。僕は子供心に、いつか姉さまをお嫁さんにするんだ、と決めていた。
それが起こったのは、僕が六歳のときだった。
それ以来、僕には誰にも言えない秘密ができたんだ。今まで母上にも、もちろん兄上たちにも言ったことがない。
僕はその日も大好きなマリィ姉さまに遊んでもらい、中庭の植え込みで隠れんぼをしていた。姉さまが僕を探す声をワクワクして聞きながら、僕は傍らに咲く淡い色のチューリップを覗き込んだ。開いたばかりのふっくりとした花びらは、当時十歳のマリィ姉さまのように可愛らしかったから。
すると中から蜂が飛び出した。別に刺された訳ではないけれど、僕は驚いて泣き出してしまった。
「クリス、どうしたの?」
突然の泣き声に、姉さまが慌てて駆け寄ってくる声と足音。その時僕の脳裏に、ある知らない風景が浮かんだ。懐かしい顔の誰かが、泣いている僕に向かって駆けてくる姿。
―――あの時も、母さんが慌てて走ってきたっけ……? え……母さん?
突然僕の頭に、堰を切ったように沢山の記憶と情景が流れ込んできた。もちろん当時の僕の記憶ではない。その時の僕はわずか六歳だ。理解も制御もできない事態に、そのまま大泣きしたのを覚えている。
そして気が付いたら、「僕」は「クリス」になっていた。
元々クリスだろうって? いや、そうじゃないんだ。六歳のクリスの中に流れ込んだ記憶、それが「僕」。
自分でも紛らわしいとは思う。ここで一度、自己紹介をするべきなのか。
「僕」の名前は樫村祐樹。もちろんこの世界の人間じゃない。日本の、ちょっと田舎の片隅で地味に生きていた十六歳、高校一年生だった。
学校に遅刻しそうになって慌てて飛び出した僕は交通事故に遭い……、気がついたらここにいて、第三王子のクリスになっていたというわけだ。あまりにテンプレ通りで情けない。
当時は「僕」も混乱していたし、六歳のクリスに至ってはショックで知恵熱を出して三日寝込んだくらいだ。それでも十歳の精神年齢の差は大きかったんだろう。しばらくの間はこっちの「僕」がクリスの人格を半ば乗っ取るような状態で、「僕」とクリスは危ういバランスをとっていた。
そんな状態でどうにか現状を把握した「僕」は、この世界が何か分かったところで、ひどく落ち込んだ。
信じたくないけど、どうやらここは「僕」の姉ちゃんが持っていた乙女ゲーム「ヒミツの恋愛遊戯」の世界のなからしい。
両親ともに仕事で帰りが遅いこともあって、姉ちゃんはいつもいわゆる十八禁の乙女ゲームを、リビングで堂々とやっていた。もちろん僕のことなんか気にもしない。その姉ちゃんがよく興奮気味に「レオン様♡」とか「ジェラール様♡」とか騒いでいたんだよ。
そして、姉ちゃんはショタっていうの? ようするに年下大好きだったんだ。何が悲しくて、僕が姉ちゃんの理想のタイプ―――金髪碧眼天使の微笑みの王子様にならなきゃいけないんだ! しかもゲームの年齢をはるかに超えた六歳! いくら姉ちゃんでも、これは眼中にないだろ? 冗談じゃない、高校生になって彼女つくって、男ならみんな夢見るあんなことやこんなことをしてたっぷり楽しむはずだったのに!
どうしてこんなことになったんだ? 女子の喜ぶ言い回しが知りたくて、姉ちゃんの乙女ゲームを横目で見てたのがいけなかったのか? それとも、その先に備えてこっそりパソコンで見てた動画のほうか?
とにかく、どんなに悔やんでももうどうにもならない。「僕」はクリス(六歳)になってしまった。異世界の暮らしと子ども扱い(実際子どもなんだが)に戸惑いながら、それでも何とか毎日の暮らしになじんでいった。
そのうちに、十六歳の「僕」と六歳のクリスは、脳内で奇妙な融合を果たしたらしい。基本的な人格とか考え方は「僕」なんだけど、クリスの知識や記憶はそのまま引き継がれた。この世界で生きて行くには、その知識はありがたい。
ところが、それ以外にももう一つ。クリスの大好きだった「マリィ姉さま」への想いまでもが、僕に刻み込まれてしまったんだ。
つまり、どういうことかというと。精神年齢十六歳の「僕」が、あり得ないことに十歳の少女マリレーヌに、熱烈な恋をしてしまったんだ。別にロリコンなんかじゃなかったよ! それだけでも信じたくないって言うのに、外見(いや現実も)六歳、当分恋愛なんてありえない。いったいどんな地獄だよ?
クリスの刷り込みの威力はすごかった。成長するにつれ、王宮内で他の女性を目にすることは増えてくる。それなのに、どんな美少女を見ても全く気持ちが揺るがない。おかげであれから八年、クリスとして十四歳になった今でも、姉さまへの気持ちは冷めない……というよりは、思春期を迎えてますます強くなってくるばかりだ。
そして、ついに僕も、大人になった。大人だよ、大人。分かる? あの、アレだよ。体が成長……そう、男になったってこと。
そうしたら、この八年我慢できていたのが不思議なくらい、どうにもならなくなってしまった。自制心なんて軽く吹っ飛びそうになる。もう一日だって我慢できない。マリィ姉さまを、マリレーヌを手に入れなくてはおかしくなってしまう。
ところがちょうどそのころ、姉さまは成人してしまった。当然そのまま社交界にデビューし、僕に会いに来ることはなくなった。僕も王子としての教育が忙しくなり、姉さまとの接点は消えてしまった。
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