25 / 34
異世界編
勇者修行!
しおりを挟む
五分ほどの試行錯誤の末、シリウスは復活を遂げた。
「あれ....今、死んだ母さんと会ってたよ....。まだ来ちゃダメだって....」
うん、それは多分本物だな。
「シリウスっ!よかった!」
三人はやっと我に返った様子で、シリウスの方に駆け寄った。
ソフィアは起き上がったシリウスに抱きついたが、すぐに顔を赤くして突き飛ばした。
「べ、別に、恐くなんて無かったんだから!仲間がいなくなるのが、ほんのちょっと心配だっただけだし!?」
ツンデレかな?
いや、その返り血はジョークでは済まされないような気がするのだが....。
「そうか、心配してくれたんだね。僕なんかのために、ありがとう」
「『僕なんか』って....ああ、もう、知らない!」
流れる涙を我慢出来ないほど嬉しいのは俺にもよくわかったよ、ソフィアの君?
順調に他の2人も抱きついて終了!
俺よりも純粋にハーレムしてるとは、なんとも言えないことではある。
いや、さっきの惨状見てたら何とも言えないんだけど。
「でも何でみんなそんな血だらけなの?しかもソフィアの剣の血って誰の血なの....?」
シリウス君、それは気づいてはいけないことなんだよ。
君のためにも仲間のためにも.....。
ーーーーーーーーーー
「師匠!僕を魔王を倒せるまで鍛えてください!父の仇、魔王を倒せるだけの力をください」
突然改まって彼が頭を下げたのは、俺ではなく、バルバロス。
「はは、我が力に感動したか?よかろう、指導はしてやる。ただし、力は自分で手に入れるのだぞ?」
かくしてシリウスたちの修行が始まった。
しかしそれは大変厳しく、その実情は苛烈を極めた。
「カオスピさん、何かアドバイスはありますか?」
「カオスピじゃくて、アキヒサな。そうだなぁ、朝4時に起きて、生卵を5個飲んでからランニングしろ。 世界チャンピオンも遠くないぞ」
映画「ロッキー」で見た、とは言わないでおく。
「生卵ですか....やってみます!」
本当にやるのか.....驚いたなぁ....。
そうして一週間、他のパーティメンバーも修行を重ね、その間に俺は竜王の部屋を直したり、竜王の娘のフレイアちゃんと交流をしたりした。
彼女はいわゆる思春期で、ちょっとめんどくさかった。
「遊んで欲しいのか、欲しく無いのかどっちなんだ!?」
「遊ぶって何!もうそんな年齢じゃないし!でも、まあ?カオスピがどうしてもっていうなら付き合ってあげてもいいけど?」
別に年下好きじゃないけど、懐いてくるので、意外とかわいいやつである。
実際かわいいが。
「カオスピいー!何でにやけてるのー?」
でも機嫌損ねたハニーの方が面倒だっていうのは秘密。
「こっちの世界では知らんが、我が魔王城なら今のお前らごときでは攻略できんぞ。もっとチームワークを意識しろ!」
朝から晩まで、シリウスたちは修行続き。
魔法使いの子は、ハニーに何か教わっていたし、剣士の子にはMr.デリシャスを呼び寄せてやった。
回復役の子にはクリスタリアをつけてやった。
「こうステッキを素敵に、とうっ!てやるの」
「こうですか先輩、とうっ!」
夜になるとバルバロスとの実戦演習が行われていた。
暗闇の中でも相手と仲間を把握できるように、ということらしい。
はじめは慣れない様子で仲間の間での衝突、というか同士討ちの事故が多発したが、今となっては片目をつぶってでも空間を把握できるとか。
「今よシリウスっ!」
暗闇の中、魔法と剣がぶつかる瞬間の光が点滅し、反射する。
「貫け『聖なる雷』!」
振り下ろされた剣先から雷が轟き落ちる。
「ぐっ......」
大方は弾いたものの、さすがに全ては防ぎ切れず、バルバロスはここで止め、との合図を出した。
「よくやったぞお前たち。これで殆ど言うことは無い。明日、この世界の魔王城へ発つ。今日はよく寝るがいい」
シリウスたちにとって、旅の到着地となる魔王城。
今の彼らなら倒せそうな気がするのだが.....。
「魔王の討伐は僕たちの独力で行うつもりです。どうか手出しは無用でよろしくお願いします」
「あれ....今、死んだ母さんと会ってたよ....。まだ来ちゃダメだって....」
うん、それは多分本物だな。
「シリウスっ!よかった!」
三人はやっと我に返った様子で、シリウスの方に駆け寄った。
ソフィアは起き上がったシリウスに抱きついたが、すぐに顔を赤くして突き飛ばした。
「べ、別に、恐くなんて無かったんだから!仲間がいなくなるのが、ほんのちょっと心配だっただけだし!?」
ツンデレかな?
いや、その返り血はジョークでは済まされないような気がするのだが....。
「そうか、心配してくれたんだね。僕なんかのために、ありがとう」
「『僕なんか』って....ああ、もう、知らない!」
流れる涙を我慢出来ないほど嬉しいのは俺にもよくわかったよ、ソフィアの君?
順調に他の2人も抱きついて終了!
俺よりも純粋にハーレムしてるとは、なんとも言えないことではある。
いや、さっきの惨状見てたら何とも言えないんだけど。
「でも何でみんなそんな血だらけなの?しかもソフィアの剣の血って誰の血なの....?」
シリウス君、それは気づいてはいけないことなんだよ。
君のためにも仲間のためにも.....。
ーーーーーーーーーー
「師匠!僕を魔王を倒せるまで鍛えてください!父の仇、魔王を倒せるだけの力をください」
突然改まって彼が頭を下げたのは、俺ではなく、バルバロス。
「はは、我が力に感動したか?よかろう、指導はしてやる。ただし、力は自分で手に入れるのだぞ?」
かくしてシリウスたちの修行が始まった。
しかしそれは大変厳しく、その実情は苛烈を極めた。
「カオスピさん、何かアドバイスはありますか?」
「カオスピじゃくて、アキヒサな。そうだなぁ、朝4時に起きて、生卵を5個飲んでからランニングしろ。 世界チャンピオンも遠くないぞ」
映画「ロッキー」で見た、とは言わないでおく。
「生卵ですか....やってみます!」
本当にやるのか.....驚いたなぁ....。
そうして一週間、他のパーティメンバーも修行を重ね、その間に俺は竜王の部屋を直したり、竜王の娘のフレイアちゃんと交流をしたりした。
彼女はいわゆる思春期で、ちょっとめんどくさかった。
「遊んで欲しいのか、欲しく無いのかどっちなんだ!?」
「遊ぶって何!もうそんな年齢じゃないし!でも、まあ?カオスピがどうしてもっていうなら付き合ってあげてもいいけど?」
別に年下好きじゃないけど、懐いてくるので、意外とかわいいやつである。
実際かわいいが。
「カオスピいー!何でにやけてるのー?」
でも機嫌損ねたハニーの方が面倒だっていうのは秘密。
「こっちの世界では知らんが、我が魔王城なら今のお前らごときでは攻略できんぞ。もっとチームワークを意識しろ!」
朝から晩まで、シリウスたちは修行続き。
魔法使いの子は、ハニーに何か教わっていたし、剣士の子にはMr.デリシャスを呼び寄せてやった。
回復役の子にはクリスタリアをつけてやった。
「こうステッキを素敵に、とうっ!てやるの」
「こうですか先輩、とうっ!」
夜になるとバルバロスとの実戦演習が行われていた。
暗闇の中でも相手と仲間を把握できるように、ということらしい。
はじめは慣れない様子で仲間の間での衝突、というか同士討ちの事故が多発したが、今となっては片目をつぶってでも空間を把握できるとか。
「今よシリウスっ!」
暗闇の中、魔法と剣がぶつかる瞬間の光が点滅し、反射する。
「貫け『聖なる雷』!」
振り下ろされた剣先から雷が轟き落ちる。
「ぐっ......」
大方は弾いたものの、さすがに全ては防ぎ切れず、バルバロスはここで止め、との合図を出した。
「よくやったぞお前たち。これで殆ど言うことは無い。明日、この世界の魔王城へ発つ。今日はよく寝るがいい」
シリウスたちにとって、旅の到着地となる魔王城。
今の彼らなら倒せそうな気がするのだが.....。
「魔王の討伐は僕たちの独力で行うつもりです。どうか手出しは無用でよろしくお願いします」
0
お気に入りに追加
153
あなたにおすすめの小説
俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした
宮富タマジ
ファンタジー
アレンのスキルはたった一つ、『性行為』。職業は『愛の剣士』で、勇者パーティの中で唯一の男性だった。
聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。
「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」
イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。
「……どうしたんだ、イリス?」
アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。
だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。
そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。
「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」
女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。
異世界に射出された俺、『大地の力』で快適森暮らし始めます!
らもえ
ファンタジー
旧題:異世界に射出された俺、見知らぬ森の真中へ放り出される。周りには木しか生えていないけどお地蔵さんに貰ったレアスキルを使って何とか生き延びます。
俺こと杉浦耕平は、学校帰りのコンビニから家に帰る途中で自称神なるものに拉致される。いきなり攫って異世界へ行けとおっしゃる。しかも語り口が軽くどうにも怪しい。
向こうに行っても特に使命は無く、自由にしていいと言う。しかし、もらえたスキルは【異言語理解】と【簡易鑑定】のみ。いや、これだけでどうせいっちゅーに。そんな俺を見かねた地元の地蔵尊がレアスキルをくれると言うらしい。やっぱり持つべきものは地元の繋がりだよね!
それで早速異世界転移!と思いきや、異世界の高高度の上空に自称神の手違いで射出されちまう。紐なしバンジーもしくはパラシュート無しのスカイダイビングか?これ。
自称神様が何かしてくれたお陰で何とか着地に成功するも、辺りは一面木ばっかりの森のど真ん中。いやこれ遭難ですやん。
そこでお地蔵さんから貰ったスキルを思い出した。これが意外とチートスキルで何とか生活していくことに成功するのだった。
俺だけ異世界行ける件〜会社をクビになった俺は異世界で最強となり、現実世界で気ままにスローライフを送る〜
平山和人
ファンタジー
平凡なサラリーマンである新城直人は不況の煽りで会社をクビになってしまう。
都会での暮らしに疲れた直人は、田舎の実家へと戻ることにした。
ある日、祖父の物置を掃除したら変わった鏡を見つける。その鏡は異世界へと繋がっていた。
さらに祖父が異世界を救った勇者であることが判明し、物置にあった武器やアイテムで直人はドラゴンをも一撃で倒す力を手に入れる。
こうして直人は異世界で魔物を倒して金を稼ぎ、現実では働かずにのんびり生きるスローライフ生活を始めるのであった。
2年ぶりに家を出たら異世界に飛ばされた件
後藤蓮
ファンタジー
生まれてから12年間、東京にすんでいた如月零は中学に上がってすぐに、親の転勤で北海道の中高一貫高に学校に転入した。
転入してから直ぐにその学校でいじめられていた一人の女の子を助けた零は、次のいじめのターゲットにされ、やがて引きこもってしまう。
それから2年が過ぎ、零はいじめっ子に復讐をするため学校に行くことを決断する。久しぶりに家を出る決断をして家を出たまでは良かったが、学校にたどり着く前に零は突如謎の光に包まれてしまい気づいた時には森の中に転移していた。
これから零はどうなってしまうのか........。
お気に入り・感想等よろしくお願いします!!
ハズレ職の<召喚士>がS級万能職に化けました~世界で唯一【召喚スポット】をサーチ可能になった俺、次々と召喚契約して一瞬で成り上がる~
ヒツキノドカ
ファンタジー
全ての冒険者は職業を持ち、その職業によって強さが決まる。
その中でも<召喚士>はハズレ職と蔑まれていた。
召喚の契約を行うには『召喚スポット』を探し当てる必要があるが、召喚スポットはあまりに発見が困難。
そのためほとんどの召喚士は召喚獣の一匹すら持っていない。
そんな召喚士のロイは依頼さえ受けさせてもらえず、冒険者ギルドの雑用としてこき使われる毎日を過ごしていた。
しかし、ある日を境にロイの人生は一変する。
ギルドに命じられたどぶさらいの途中で、ロイは偶然一つの召喚スポットを見つけたのだ。
そこで手に入ったのは――規格外のサーチ能力を持つ最強クラスの召喚武装、『導ノ剣』。
この『導ノ剣』はあらゆるものを見つけ出せる。
たとえそれまでどんな手段でも探知できないとされていた召喚スポットさえも。
ロイは『導ノ剣』の規格外なサーチ能力によって発見困難な召喚スポットをサクサク見つけ、強力な召喚獣や召喚武装と契約し、急激に成長していく。
これは底辺と蔑まれた『召喚士』が、圧倒的な成長速度で成り上がっていく痛快な物語。
▽
いつも閲覧、感想等ありがとうございます! 執筆のモチベーションになっています!
※2021.4.24追記 更新は毎日12時過ぎにする予定です。調子が良ければ増えるかも?
※2021.4.25追記 お陰様でHOTランキング3位にランクインできました! ご愛読感謝!
※2021.4.25追記 冒頭三話が少し冗長だったので、二話にまとめました。ブクマがずれてしまった方すみません……!
何者でもない僕は異世界で冒険者をはじめる
月風レイ
ファンタジー
あらゆることを人より器用にこなす事ができても、何の長所にもなくただ日々を過ごす自分。
周りの友人は世界を羽ばたくスターになるのにも関わらず、自分はただのサラリーマン。
そんな平凡で退屈な日々に、革命が起こる。
それは突如現れた一枚の手紙だった。
その手紙の内容には、『異世界に行きますか?』と書かれていた。
どうせ、誰かの悪ふざけだろうと思い、適当に異世界にでもいけたら良いもんだよと、考えたところ。
突如、異世界の大草原に召喚される。
元の世界にも戻れ、無限の魔力と絶対不死身な体を手に入れた冒険が今始まる。
異世界をスキルブックと共に生きていく
大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。
現代ダンジョンで成り上がり!
カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる!
現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。
舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。
四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる