10 / 17
第1章
第9話
しおりを挟む
「ん……んー……」
朝。太陽が地平線から顔を出し始める時間帯。
窓から差し込む陽の光が、下着姿の彼女の体を徐々に照らして行きます。
そして、寝癖の悪さから下着がズレ、隠すはずのところが隙間から見え隠れしていました。
ドテッ……
「ッ!?……イテテテ……」
もう何度かも分からない寝返りを打った所で、ギリギリだったベッドから転げ落ち、衝撃で目が覚めました。
「うーん……やっぱりベッドは落ちるから嫌だな……」
頭を擦りながらもそもそと起き上がり、眠気を飛ばすために伸びをする。
少しストレッチをした後に、ズレた下着を直し、新しく用意したACU迷彩服のOEFCPパターンを着て、各種装備を、昨日のうちにセットしたものをワンタッチして装備します。
新しく新調したベルトキットには、腰の左側にP-90用ダブルマガジンポーチ。反対には、ファイブセブンと、そのホルスター。
それ以外には、サバイバルナイフと言われれば私が真っ先に連想する、Ka-Barナイフ。
あると何かと便利、マルチツール。
念の為の、サバイバルキット。
あとは、一リットルは入る容量の水筒などです。
ベルトキットと同じように新調したタクティカルベストには、ファイブセブン用マガジンポーチを二個。
その他には、特にこれといったものがないため、大小様々な小物入れを配置。
マガジンポーチなども共通して、便利系魔法の一つ、収納魔法を施し、携行量の増加を図ります。
今後よく使う二つマガジンポーチには、特に重要な所であり、片方ずつで用途が違います。
一方は、"弾薬が入った"マガジンを入れる用。最大で、マガジンが八個入れられます。
もう一方は"弾薬が入っていない"マガジンを入れる用です。
「ふむ、いい感じ」
部屋内に設置されていた鏡で、本格的な兵士のようになった私を見て、気合を入れると上からスロゥルを被り、部屋をあとにしました。
ベリーさんに軽く挨拶をして、今日の狩りがいい物になるように祈られると、霧が舞ってどことなく神秘的な村をギルドへと向かいます。
とりあえずは、ギルド朝食を取れるみたいなので、それを食べて、クエストを受けて、今日も稼ぎましょう。
今回は……出来れば散歩中に見つけた奴隷館に行って、1人ぐらい雇えたらいいですね。
ギルド付近の露店で、もみくちゃにされることも、道に迷うことも無く、比較的静かな朝のギルドに着きました。
冒険者の数が少ないのに比例して、受付嬢の姿も少ないようです。
手っ取り早く、受付嬢さんからメニューをもらい、席についてそれを開きました。
ギルドの料理はボリュームが大きく、冒険者タグを必要とすれば、かなり安い物が多くありました。
メニューには殆ど肉系が多く、野菜も頼んでバランスを取ります。
討伐クエストなどで、常人以上のエネルギーを必要とするから高カロリー低予算なのだと理解しつつ、口へと運びました。
身体強化魔法などで、並以上の筋力があるとはいえ、元々ついている体力は低いので、それを補う点でもいい……のかな?
必死に言い訳を考えながら、一口、また一口と、スパイスが効きすぎて辛い肉料理を、パンや野菜でなんとか誤魔化しました。
「……ふぅ」
一時間かけて、昨日の飲食店で食べたクリームパスタの倍近い量を、何とか完食した瞬間、大きく溜息を着いてしまいました。
予想よりも量が多く、休み休み食べたので時間がかかりました。今のお腹の様子だと、もう少し消化を待った方がいいかもしれません。
「うーん……とりあえず、クエストは押さえておこうかな」
昨日下見した時に、目星を付けたクエストを探し、消化を待っている間に取られたら嫌なので、先に受けておきます。
《オーガ討伐:1匹につき小銀貨15枚》
それをすぐに見つけると、貼り付けてあったクリップを丁寧に取り、クエスト用紙を確保しました。
これは、ロイスローがいた平野や森沿いなどよりも奥部にいるオーガを討伐するクエスト。
街道を開拓している時や商人がここ近くを通る時、たまに出くわしてしまい多大な被害を被る事があるとかないとか。定期的に間引く事で、それを防止するそうです。
普段は森奥にいる為、その前にいるロイスローやコボルトなどの処理で手間取ることがあるらしく、中級クエスト的な扱いに近いようで、オーガ自体はそこまで強くないものの、その道中が危険というクエストの様です。
副目標として、上記のモンスターもクエスト対象としてあるので、もしオーガがダメでもそちらの方にシフトすれば、儲けは十分にあるというもの。
道中の魔物遭遇を避けるために魔除の芳香を持っていくと良いと補足として書いてあるので後で買っていこうと思います。
とりあえずは、クエスト受付カウンターに並び、受付の女性にクエスト用紙を渡して、受注をお願いしました。
「オーガ討伐のクエストですね。では、冒険者タグをお貸しください」
「はい、どうぞ」
冒険者タグを受付の女性に渡し、クエスト内容を以前と同じ様にタグの裏側に書かれると、返却時にもう一枚、同じようなタグを渡されました。
タグには、
《オーガ討伐:最低討伐数10》
《現在の討伐数:0》
そう書かれています。
「ありがとうございます。これは、クエスト終了時に返却する感じですか?」
渡されたタグを指さして聞いてみました。
気になったワードなどはとりあえず聞くか、調べるタイプ。
そのせいか、親も私も、辞書をひくのが上手かったりします。
「そうです。この専用のタグが集計をして、最終的な結果を記録します」
何その歩数計みたいな持ってれば、勝手にカウントしてくれるようなやつ……。
まぁ、前のロイスロー討伐クエストみたいに尻尾を討伐の指標とする必要はなく、素材として換金することが出来るので、手間は増えず、お金だけが増えたようなものでしょうか。
「なるほど、それは便利ですね」
冒険者タグと一緒に首にかけ、胸元にしまう。ちょっとジャリジャリするけど、ここは我慢せねば……。
小物入れに入れて別個にしようとしたものの、首にかけないとダメと言われました。
「では、お気をつけて」
「はい!ありがとうございます」
そう言って、軽く頭を下げて見送る受付の女性にお礼を言いながらカウンターを後にしました。
目的地は、ロイスロー討伐の時の東門を通って一直線に森奥まで。
そこからは北側に進みP-90の残弾が8割を切った所で副目標であるロイスロー狩りにシフト。全弾を使い切った所で最寄りの門から帰る予定です。
とりあえず、道具屋に寄って魔除の芳香など道具を揃えてから行きましょう。
ギルドの2階へ続く、入り口から見て右側の階段を上り、道具屋の陳列品を見て回ります。
魔除の芳香、燻製肉。回復アイテムにありがちなポーションなど、色々買い揃えた所で装備を整えると、お腹の調子も整ってきたので、東門へと向かいました。
東門へと行く道は、前のロイスロー討伐の時にマウエズさんと一緒に言った道を通って、スムーズに行けました。
迷わず無事に東門に到着すると、門番の人に冒険者タグを見せて通してもらい、一直線に森奥へと進みます。
森沿い付近でたまたま出くわしたロイスローにファイブセブンで蹴散らし、魔除の芳香を使用して奥部へと侵入を開始します。
念の為それをしまわずに構えて、いつでも撃てるように警戒。
さらに腰を低くして、なるべく見つからない様に進んで行きます。
──────
森の中を歩いて50分ほど。魔除の芳香が効いたのか、一度の接敵もなしに奥深くへと侵入できました。
そろそろオーガと遭遇してもおかしくない所まで来たので、ファイブセブンの残弾数を確認し、セーフティーをかけてホルスターしまうと、肩からぶら下げてあったP-90を構えます。
セーフティーを解除したのを忘れずに確認し初弾を装填すると、いつでも戦闘できる態勢を整えました。
辺りは鬱蒼としていて、視界が悪いです。密林の中にいるような、そんな感じ。
今の所、敵の気配はないからスマホで現在位置とオーガの位置を確認しておきましょう。
そう考え、P-90を構えたまま、スマホを取り出して、マップアプリでオーガと検索しました。
現在位置は村より数km離れたほど。近くには……オーガが三匹ほど固まったのが4個ぐらい。まずはこれから片付けましょう。
「楽しませてもらいますよ……」
そう呟くと、暗い森の中獲物を求めて走り出しました。
静かに草木の間から覗くと、早くもオーガ3匹の集団を視認。
申し訳程度のボロボロの服と言うよりは布に、棍棒の様な物を持っています。そして、マッチョマン。
棍棒とあの筋肉量を見ればまともに受けたら一瞬であの世行き確定。慎重に行かなくては。
大きく息を吸って……吐いて……射撃の邪魔にならない様に息を止め、ロイスロー討伐の時のイメージで1匹目に照準を合わせトリガーを軽く握りました。
パパパッ!パパパッ!パパパッ!
いきなり鳴った銃声と、マズルフラッシュに照らされ振り向いた時、彼らはもう遅かった。
強靭な肉体でも5.7mm弾には適わない。動きを封じるために狙った足から、赤い鮮血を吹き出して、三匹とも倒れました。
タンッ!タンッ!タンッ!
狙いが定まったところで、痛みに呻きうずくまるオーガの頭を狙い、単射を三回。
体がピクピクと痙攣し、うんともすんとも言わなくなったオーガを確認すると、草むらの中から姿を表し、銃声を聞いて他のオーガが来ないうちに魔法水を2、3滴かけました。
間を置いて、ほのかに香るバラの香り。処理が適切にできた証拠です。
「(さて、次の獲物はどこでしょうかねぇ)」
次の獲物を探すその目は血に飢えた飢狼の如く。
スマホで次の目標を確認すると、静かにまた草むらの中へと消えました。
その後は……言わずとも。
銃声を聞いて集まっていたオーガの群れを横からの突撃連射で一網打尽したり、わざわざオークの群れの中に飛び込んで連射したりとアクロバティクを極め、あっという間に残弾を残り2割に減らして行きました。
これを誰かが見ていたら「狂戦士」と名前を付けてもおかしくなかったでしょう。
「ふぅ~……ん、これであと2割。これを処理したら戻りましょうか」
周辺に倒れるオーガ8匹。1匹1匹に魔法水をかけて処理を終わらすと、空になった弾倉を交換し、魔除の芳香を使用せず森の中を歩いて行きます。
途中、コボルトの群れに遭遇し、これを壊滅させると、ロイスローの勢力圏の森沿いに出ました。
ちょうど森を抜けた先に、ロイスローの群れもいたのでサクッと討伐。
この時、P-90の弾が切れたので、ファイブセブンへとシフトします。
手慣らしにロイスロー3匹相手に撃って全滅させると、処理を行い。安全地帯を作ったところでタグを確認しました。
《オーガ討伐:最低討伐数10》
《現在の討伐数:92》
《オーガ:73》
《コボルト:8》
《ロイスロー:12》
「おお、結構狩りましたね」
確か、
オーガが73匹×銀貨1枚、小銀貨5枚(1,500円相当)。
コボルトが8匹×小銀貨3枚、大銅貨5枚(3,500円相当)。
ロイスローが12匹×小銀貨5枚、大銅貨(1,500円相当)で、合計大銀貨1枚、銀貨5枚、小銀貨5枚、大銅貨5枚(155,500円相当)。
以前が。銀貨7枚、小銀貨3枚(73,000円相当)なので、数倍増えたことが分かります。
もう少し稼ぎたいので、ファイブセブン(5-7)の残りの5個のマガジンにある100発の弾薬を、P-90のマガジン2個分へ入れ替えます。
入れ替えが終わると、P-90のマガジンを装填し、ボルトを引来ました。ジャキンッ!という金属音が響き、初弾がチェンバーへ送られ、攻撃準備が整います。
残弾は、P-90用マガジンが二個だけで、ここからまた潜るのは危険なので、ロイスローを狩って帰る事にしました。
フルオートで無駄弾を撃つのが惜しいので、セレクトをセミオートに変更。
森沿いを歩き、見つけた端から倒し、さらにロイスローの死体を作っては、魔法水をかけての繰り返しを行い、全てが終わったのは太陽が天頂から降り始めた時でした。
朝。太陽が地平線から顔を出し始める時間帯。
窓から差し込む陽の光が、下着姿の彼女の体を徐々に照らして行きます。
そして、寝癖の悪さから下着がズレ、隠すはずのところが隙間から見え隠れしていました。
ドテッ……
「ッ!?……イテテテ……」
もう何度かも分からない寝返りを打った所で、ギリギリだったベッドから転げ落ち、衝撃で目が覚めました。
「うーん……やっぱりベッドは落ちるから嫌だな……」
頭を擦りながらもそもそと起き上がり、眠気を飛ばすために伸びをする。
少しストレッチをした後に、ズレた下着を直し、新しく用意したACU迷彩服のOEFCPパターンを着て、各種装備を、昨日のうちにセットしたものをワンタッチして装備します。
新しく新調したベルトキットには、腰の左側にP-90用ダブルマガジンポーチ。反対には、ファイブセブンと、そのホルスター。
それ以外には、サバイバルナイフと言われれば私が真っ先に連想する、Ka-Barナイフ。
あると何かと便利、マルチツール。
念の為の、サバイバルキット。
あとは、一リットルは入る容量の水筒などです。
ベルトキットと同じように新調したタクティカルベストには、ファイブセブン用マガジンポーチを二個。
その他には、特にこれといったものがないため、大小様々な小物入れを配置。
マガジンポーチなども共通して、便利系魔法の一つ、収納魔法を施し、携行量の増加を図ります。
今後よく使う二つマガジンポーチには、特に重要な所であり、片方ずつで用途が違います。
一方は、"弾薬が入った"マガジンを入れる用。最大で、マガジンが八個入れられます。
もう一方は"弾薬が入っていない"マガジンを入れる用です。
「ふむ、いい感じ」
部屋内に設置されていた鏡で、本格的な兵士のようになった私を見て、気合を入れると上からスロゥルを被り、部屋をあとにしました。
ベリーさんに軽く挨拶をして、今日の狩りがいい物になるように祈られると、霧が舞ってどことなく神秘的な村をギルドへと向かいます。
とりあえずは、ギルド朝食を取れるみたいなので、それを食べて、クエストを受けて、今日も稼ぎましょう。
今回は……出来れば散歩中に見つけた奴隷館に行って、1人ぐらい雇えたらいいですね。
ギルド付近の露店で、もみくちゃにされることも、道に迷うことも無く、比較的静かな朝のギルドに着きました。
冒険者の数が少ないのに比例して、受付嬢の姿も少ないようです。
手っ取り早く、受付嬢さんからメニューをもらい、席についてそれを開きました。
ギルドの料理はボリュームが大きく、冒険者タグを必要とすれば、かなり安い物が多くありました。
メニューには殆ど肉系が多く、野菜も頼んでバランスを取ります。
討伐クエストなどで、常人以上のエネルギーを必要とするから高カロリー低予算なのだと理解しつつ、口へと運びました。
身体強化魔法などで、並以上の筋力があるとはいえ、元々ついている体力は低いので、それを補う点でもいい……のかな?
必死に言い訳を考えながら、一口、また一口と、スパイスが効きすぎて辛い肉料理を、パンや野菜でなんとか誤魔化しました。
「……ふぅ」
一時間かけて、昨日の飲食店で食べたクリームパスタの倍近い量を、何とか完食した瞬間、大きく溜息を着いてしまいました。
予想よりも量が多く、休み休み食べたので時間がかかりました。今のお腹の様子だと、もう少し消化を待った方がいいかもしれません。
「うーん……とりあえず、クエストは押さえておこうかな」
昨日下見した時に、目星を付けたクエストを探し、消化を待っている間に取られたら嫌なので、先に受けておきます。
《オーガ討伐:1匹につき小銀貨15枚》
それをすぐに見つけると、貼り付けてあったクリップを丁寧に取り、クエスト用紙を確保しました。
これは、ロイスローがいた平野や森沿いなどよりも奥部にいるオーガを討伐するクエスト。
街道を開拓している時や商人がここ近くを通る時、たまに出くわしてしまい多大な被害を被る事があるとかないとか。定期的に間引く事で、それを防止するそうです。
普段は森奥にいる為、その前にいるロイスローやコボルトなどの処理で手間取ることがあるらしく、中級クエスト的な扱いに近いようで、オーガ自体はそこまで強くないものの、その道中が危険というクエストの様です。
副目標として、上記のモンスターもクエスト対象としてあるので、もしオーガがダメでもそちらの方にシフトすれば、儲けは十分にあるというもの。
道中の魔物遭遇を避けるために魔除の芳香を持っていくと良いと補足として書いてあるので後で買っていこうと思います。
とりあえずは、クエスト受付カウンターに並び、受付の女性にクエスト用紙を渡して、受注をお願いしました。
「オーガ討伐のクエストですね。では、冒険者タグをお貸しください」
「はい、どうぞ」
冒険者タグを受付の女性に渡し、クエスト内容を以前と同じ様にタグの裏側に書かれると、返却時にもう一枚、同じようなタグを渡されました。
タグには、
《オーガ討伐:最低討伐数10》
《現在の討伐数:0》
そう書かれています。
「ありがとうございます。これは、クエスト終了時に返却する感じですか?」
渡されたタグを指さして聞いてみました。
気になったワードなどはとりあえず聞くか、調べるタイプ。
そのせいか、親も私も、辞書をひくのが上手かったりします。
「そうです。この専用のタグが集計をして、最終的な結果を記録します」
何その歩数計みたいな持ってれば、勝手にカウントしてくれるようなやつ……。
まぁ、前のロイスロー討伐クエストみたいに尻尾を討伐の指標とする必要はなく、素材として換金することが出来るので、手間は増えず、お金だけが増えたようなものでしょうか。
「なるほど、それは便利ですね」
冒険者タグと一緒に首にかけ、胸元にしまう。ちょっとジャリジャリするけど、ここは我慢せねば……。
小物入れに入れて別個にしようとしたものの、首にかけないとダメと言われました。
「では、お気をつけて」
「はい!ありがとうございます」
そう言って、軽く頭を下げて見送る受付の女性にお礼を言いながらカウンターを後にしました。
目的地は、ロイスロー討伐の時の東門を通って一直線に森奥まで。
そこからは北側に進みP-90の残弾が8割を切った所で副目標であるロイスロー狩りにシフト。全弾を使い切った所で最寄りの門から帰る予定です。
とりあえず、道具屋に寄って魔除の芳香など道具を揃えてから行きましょう。
ギルドの2階へ続く、入り口から見て右側の階段を上り、道具屋の陳列品を見て回ります。
魔除の芳香、燻製肉。回復アイテムにありがちなポーションなど、色々買い揃えた所で装備を整えると、お腹の調子も整ってきたので、東門へと向かいました。
東門へと行く道は、前のロイスロー討伐の時にマウエズさんと一緒に言った道を通って、スムーズに行けました。
迷わず無事に東門に到着すると、門番の人に冒険者タグを見せて通してもらい、一直線に森奥へと進みます。
森沿い付近でたまたま出くわしたロイスローにファイブセブンで蹴散らし、魔除の芳香を使用して奥部へと侵入を開始します。
念の為それをしまわずに構えて、いつでも撃てるように警戒。
さらに腰を低くして、なるべく見つからない様に進んで行きます。
──────
森の中を歩いて50分ほど。魔除の芳香が効いたのか、一度の接敵もなしに奥深くへと侵入できました。
そろそろオーガと遭遇してもおかしくない所まで来たので、ファイブセブンの残弾数を確認し、セーフティーをかけてホルスターしまうと、肩からぶら下げてあったP-90を構えます。
セーフティーを解除したのを忘れずに確認し初弾を装填すると、いつでも戦闘できる態勢を整えました。
辺りは鬱蒼としていて、視界が悪いです。密林の中にいるような、そんな感じ。
今の所、敵の気配はないからスマホで現在位置とオーガの位置を確認しておきましょう。
そう考え、P-90を構えたまま、スマホを取り出して、マップアプリでオーガと検索しました。
現在位置は村より数km離れたほど。近くには……オーガが三匹ほど固まったのが4個ぐらい。まずはこれから片付けましょう。
「楽しませてもらいますよ……」
そう呟くと、暗い森の中獲物を求めて走り出しました。
静かに草木の間から覗くと、早くもオーガ3匹の集団を視認。
申し訳程度のボロボロの服と言うよりは布に、棍棒の様な物を持っています。そして、マッチョマン。
棍棒とあの筋肉量を見ればまともに受けたら一瞬であの世行き確定。慎重に行かなくては。
大きく息を吸って……吐いて……射撃の邪魔にならない様に息を止め、ロイスロー討伐の時のイメージで1匹目に照準を合わせトリガーを軽く握りました。
パパパッ!パパパッ!パパパッ!
いきなり鳴った銃声と、マズルフラッシュに照らされ振り向いた時、彼らはもう遅かった。
強靭な肉体でも5.7mm弾には適わない。動きを封じるために狙った足から、赤い鮮血を吹き出して、三匹とも倒れました。
タンッ!タンッ!タンッ!
狙いが定まったところで、痛みに呻きうずくまるオーガの頭を狙い、単射を三回。
体がピクピクと痙攣し、うんともすんとも言わなくなったオーガを確認すると、草むらの中から姿を表し、銃声を聞いて他のオーガが来ないうちに魔法水を2、3滴かけました。
間を置いて、ほのかに香るバラの香り。処理が適切にできた証拠です。
「(さて、次の獲物はどこでしょうかねぇ)」
次の獲物を探すその目は血に飢えた飢狼の如く。
スマホで次の目標を確認すると、静かにまた草むらの中へと消えました。
その後は……言わずとも。
銃声を聞いて集まっていたオーガの群れを横からの突撃連射で一網打尽したり、わざわざオークの群れの中に飛び込んで連射したりとアクロバティクを極め、あっという間に残弾を残り2割に減らして行きました。
これを誰かが見ていたら「狂戦士」と名前を付けてもおかしくなかったでしょう。
「ふぅ~……ん、これであと2割。これを処理したら戻りましょうか」
周辺に倒れるオーガ8匹。1匹1匹に魔法水をかけて処理を終わらすと、空になった弾倉を交換し、魔除の芳香を使用せず森の中を歩いて行きます。
途中、コボルトの群れに遭遇し、これを壊滅させると、ロイスローの勢力圏の森沿いに出ました。
ちょうど森を抜けた先に、ロイスローの群れもいたのでサクッと討伐。
この時、P-90の弾が切れたので、ファイブセブンへとシフトします。
手慣らしにロイスロー3匹相手に撃って全滅させると、処理を行い。安全地帯を作ったところでタグを確認しました。
《オーガ討伐:最低討伐数10》
《現在の討伐数:92》
《オーガ:73》
《コボルト:8》
《ロイスロー:12》
「おお、結構狩りましたね」
確か、
オーガが73匹×銀貨1枚、小銀貨5枚(1,500円相当)。
コボルトが8匹×小銀貨3枚、大銅貨5枚(3,500円相当)。
ロイスローが12匹×小銀貨5枚、大銅貨(1,500円相当)で、合計大銀貨1枚、銀貨5枚、小銀貨5枚、大銅貨5枚(155,500円相当)。
以前が。銀貨7枚、小銀貨3枚(73,000円相当)なので、数倍増えたことが分かります。
もう少し稼ぎたいので、ファイブセブン(5-7)の残りの5個のマガジンにある100発の弾薬を、P-90のマガジン2個分へ入れ替えます。
入れ替えが終わると、P-90のマガジンを装填し、ボルトを引来ました。ジャキンッ!という金属音が響き、初弾がチェンバーへ送られ、攻撃準備が整います。
残弾は、P-90用マガジンが二個だけで、ここからまた潜るのは危険なので、ロイスローを狩って帰る事にしました。
フルオートで無駄弾を撃つのが惜しいので、セレクトをセミオートに変更。
森沿いを歩き、見つけた端から倒し、さらにロイスローの死体を作っては、魔法水をかけての繰り返しを行い、全てが終わったのは太陽が天頂から降り始めた時でした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
107
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる