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執事に愛される

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「お嬢様~、朝ですよ」
「んんっ……」
「そんなに無防備だと襲っちゃいますよ?」

 そう言っているのはフルール侯爵家専属執事のライルだった。ライルは侯爵家の令嬢のクリスティーナにつかえていた。ライルはクリスティーナがまだ寝ていることを確認すると彼女が寝ているベッドの中に潜り込んできた。

「あともうちょっとだけ……」
「お嬢様が寝ているなら僕が脱がせてあげます」

 ライルはクリスティーナの体に馬乗りになってそっとネグリジェのボタンに手をかけた。

「待って!ライル」

 クリスティーナはパッと目を覚まし、ライルの手を止めるように飛び起きた。

「お嬢様、目を覚ましましたか」
「ライル、ベッドに入らないようにって何度も言っているでしょ」
「お嬢様が起きないのが悪いんですから」
「それは……今日は学園に行きたくないから」

 クリスティーナ・フルールは侯爵令嬢であり、美しい金色の髪の毛と透き通った水色の瞳で整った容姿をしていた。一方ライルはクリスティーナにつかえている執事でふわふわしたクリーム色の髪の毛と緑色の瞳をしていた。傍から見れば端正な顔立ちで人懐っこい性格をしており、人々から好印象を持たれていたが、クリスティーナにとってはくっつきすぎて犬みたいな存在だった。

「ウィリアム様のことですか?」
「そうよ……」

 クリスティーナの通う学園では今日が卒業パーティーの行われる日だった。通常このようなパーティーでは婚約者のいるものは婚約者にエスコートをされるのだが、クリスティーナの婚約者であるウィリアムはクリスティーナではなくアンナという男爵令嬢をエスコートするということがもっぱら噂となっていた。実際、クリスティーナのもとにエスコートの申し出がなされておらず、一人で行かなければならなかった。

「僕がお嬢様と婚約していたらこんなことはしないのに」
「ライルが私のことを慕ってくれているのは嬉しいけど、これはどうにもならないことよ」
「でも今日は僕がエスコートしますよ」

 ライルはクリスティーナを見つめて得意げに笑った。
 
 ウィリアムがいないことでエスコートを誰にお願いしようと思っていたところ、ライルが申し出てくれた。パーティーで婚約者のいない令嬢は親族や執事などにエスコートされることもあるので、ライルがエスコートすることになって本当に良かった。
 
「そうね、あなたがいてくれてよかったわ」


 ――――――――――


 パーティーのためにメイドたちに着飾ってもらうと一層むなしくになってきた。今日は赤色のプリンセスラインのドレスで胸元がざっくり空いている大人な印象を与えるものだった。髪の毛はハーフアップにしてメイドたちに結ってもらった。いつもより大人っぽい感じなのは、卒業パーティーということで自分が成長した部分を見せなければならないからだった。それにウィリアムにも少しは私との将来を期待してもらうように美しく見せたかった。だけどウィリアムという婚約者がいるのに今日の姿を一番に見てもらえないことは、少し悲しくさせることだった。

「お嬢様、準備はよろしいですか」

 ドアの向こうからライルの声が聞こえてきた。

「いいわ、入ってきて」

 ライルが入ってくるとこっちを見てそのまま固まってしまった。

「ライル?変だったかしら」
「い、いえ。とても美しいです」
「なんだかいつもと違うわね。緊張しているの?」
「そんなことはないですよ!ただ、お嬢様のそんな格好はほかの男性から邪な気持ちを抱かれますよ……」
「そうみえる?なら良かったわ。ウィリアム様にもそう思われないといけないから」

 ライルの冗談はいつもなら受け流しているところだったが、今日はライルから見ても女性として大人っぽく見えているとわかって安心した。

「あいつなんか……」

 そんなことを考えているとライルの言ったことを聞き逃してしまった。

「ライル、なんか言った?」
「いいえ、しかしウィリアム様に会うまではこの姿は見せないようにしましょう。僕だからいいものの、男が見たらすぐに手を出したくなりますよ」

 そういってライルは近くにあったショールを肩にかけた。

「ライル、学園の生徒はそんな粗暴な人たちじゃないわ。みな貴族として紳士な人ばかりよ?」
「お嬢様は男のことを分かっていないからそう言えるのです」
「そんなことは言わないの。でも、安心して。ライルはそうじゃないことは知っているわ」
「そうじゃない、ですか?」
「そうよ、信頼しているもの」

 そう言ってクリスティーナは続けた。

「ライルはいつも調子に乗ったようなことをしているけど、一線を超えないことは知っているわ。そうよね?」
「……はい」

 ライルのことを見上げると少し暗い顔をしていた。いつもは良く話しかけてくるのに今日は口数が少ないし、やっぱり緊張しているのかと心配になった。


 ――――――――――


「お嬢様、行きましょう」
「ええ」

 午後になってパーティーの時間になった。辺りは暗くなり始めているけれど会場はきらびやかだった。ライルのエスコートについていくと色とりどりの令嬢たちのドレスが鮮やかに映った。生徒たちは私たちのことを見て、噂話をしていた。しかし、令嬢はライルの顔に見惚れている人もいて思ったよりも注目の的になっておらず安心した。顔がいい執事を持つといいこともあるのね。

「お嬢様、今日は私のそばを離れないでください」
「でもウィリアム様と話がしたいわ」
「あいつなんかお嬢様に見合っていません。とにかく、俺のそばに……」

 いきなりライルがウィリアム様を下げることを言うので少しムキになった。

「そんなことを言う必要ないじゃない。なんでよ……」

 そういって人ごみのほうへ歩いて行った。少し目にも涙が浮かんでもいた。

 私だって今の状態でウィリアム様と仲良くなれる可能性は低いと思っていたけど、まだ心が私の方に向いてくれることもあるじゃない。ウィリアム様が気を向いてくれるようにしっかりとしたマナーを身に着け、今日はいつもより大人っぽくして。あれ、でもウィリアム様の好みはこんな風だったけ。噂になっているアンナ様はもっと小柄で愛嬌が良くて……。私がウィリアム様のためにやっていたことはあの子と全然違う。

 私の方が人を見ていなかったのかも……。

 一人で考え込んでいると人混みで酔いそうになってしまった。周りの人も1人でいる私に興味の目を向けている。とにかくライルを探して謝らなければいけない。そばを離れるなとも言っていたし……。

 会場を見渡しても人が多すぎてライルが見当たらない。とにかく壁際について人の目から離れよう。

 クリスティーナが一人になっていることで周りがこちらを見て噂話をしているように感じた。人の目を離れるようにどうにかしてテラスに出ると、日が下がって冷えてくるのを感じた。

 それに男の人がやってきてここから出ていかなければと思った。婚約してもいない男女が暗闇で2人きりでいるとあられもない噂が立ってしまうからだ。

「クリスティーナ様、お一人ですか?」

 その人から話しかけられたのでびっくりした。話しかけてきた人の顔を見るとシュート伯爵子息だった。優しい顔立ちで女性に人気だというのは聞いたことがある。しかし、一人かという質問が引っ掛かった。ウィリアム様と一緒にいないのはなぜかという意味だろうか……。

「今は一人ですわ」

 今、ということを強調して言っておいた。ウィリアム様がいつか来るかもしれないという含みを持たせたが、その可能性が低いとこんな言い訳はむなしくなる。

「クリスティーナ様、こんな野暮な質問をしてすみませんでした。今日はパーティーですから、楽しまないと」

 そういってシュートはグラスに入ったドリンクを差し出した。

「は、はい」

 クリスティーナはシュートに謝らせてしまい、自分の言い訳が筒抜けだということ気にがついて恥ずかしくなった。恥ずかしさを打ち消すように出されたグラスを受け取り、注いてあったものを口にした。ピンク色の飲み物だったが、甘くておいしかった。

「クリスティーナ様、おいしいですか?」
「ええ、とってもおいしいわ」

 そういってシュート様の方を見るとこちらを熱を込めた視線で見つめていた。

「シュート様?」

「クリスティーナ様、ウィリアム様があなたのことをこんな風に扱うのは見ていられません」
「えっ」
 
 クリスティーナは自分の状況の醜さを指摘されて顔を下げてしまった。シュートはそんなクリスティーナの頬に手を当てて自分の方に向かせた。

「あなたはこんなにも美しいのに、ウィリアム様は見る目がないと思います」
「で、でも」
「僕ならあなたを幸せにしてあげられます。僕はあなたのことを慕っています。あなたがウィリアム様と結婚しないのなら、僕と結婚しませんか」

 突然のプロポーズに頭が混乱した。だが、本当に頭がくらくらしてきているように思えた。そして、立っていられなくなり、クリスティーナはシュートの方へ倒れこんでしまった。

「薬が効いてきましたか。僕の方に倒れこむなんて返事は受け入れたということですかね」

 ニヤリとした笑顔を見せてシュートはそういった。


 ――――――――――


 目を覚ますと、ベッドの上で両手をシュート様の手でからめとられ、身動きが取れないようになっていた。それに体に馬乗りになっていて押し倒されている形になってた。

「ああ、あなたとこんなことができる日が来るなんて夢にも思わなかったよ。それも、すべてあの人のおかげだ」
「……っ」

 クリスティーナは身の危険を感じ、抵抗しようとした。しかし、男女の力の差は大きく、びくともしなかった。それに、恐怖を感じて大きな声が出せずになっていた。

「クリスティーナ様、あなたと僕は今から結ばれるんだ。抵抗しても無駄だよ」

 シュートはそういうとクリスティーナの手をひとまとめにし、空いている方の手で肌が見えている胸元を触ってきた。

「こんなに肌を出して、今日は会場中の男が君のことをエッチな目で見ていたの、君は気付かなかったのかな」
「やっ」

 クリスティーナは嫌なはずなのになぜだか触れた場所が熱を持っているのを感じた。それがとても怖くなった。

「そうだ、君は媚薬を飲んだからね。どうしても体は感じると思うよ」

 そういってシュートは手をドレスの中まで入れ込み胸を揉んだ。

「ああ、クリスティーナ様」
「やあっ」

 クリスティーナは目に涙をため込み、もうこれ以上抵抗するすべがないと感じて絶望していた。そして目をつむりシュートのすることを我慢した。

 
 そのとき大きな音が部屋に響いた。音のする方に目をやると、そこにはライルがたっていた。

「お前、俺のお嬢様に何してるの?」

 そういうとベッドに近づき、シュートをクリスティーナから引きはがした。そして乱れたクリスティーナのドレスを隠すようにジャケットを被せてきた。

「何ってこれはあの女がしろって……」

 シュートは焦ったように言い訳を始めた。
 
「アンナってひとのこと?」

 そういうと部屋の外から騎士たちが入ってきてシュートをとらえた。そしてライルは一枚の紙を見せてこう言った。

「アンナ男爵令嬢は今日公爵家の財産をだまし取った罪で逮捕されたよ。それに、お前も俺のお嬢様に対する行為もいづれ罰せられるだろうね」

 シュートはそのまま騎士に連れられていった。部屋にはライルとクリスティーナ二人きりになった。ライルはクリスティーナを抱きしめた。

「お嬢様、怖かったでしょう。僕が来たのでもう大丈夫ですよ」
「ライル、ごめんなさい」

 クリスティーナもライルのことを抱きしめた。いつもライルに触れられるのはじゃれあっているような感じだったが、今日だけはライルの大きな体に包まれて安心感をもって受け入れることができた。


 ――――――――――

 
 馬車の中で揺られていると、クリスティーナはだんだん体が熱くなってくるのを感じた。ライルが来たときは混乱していて、薬の影響はあまり感じなかったものの、今安心して馬車の中にいると媚薬の影響をすごく感じてきていた。

「お嬢様?まだ怖いですか?」

 クリスティーナが薬の影響で無口になっているとライルがそういってクリスティーナの手を握った。ライルの手の感触がだんだんと気持ちよくなってくるが、これは人前で出してはいけない感情だと思い我慢した。しかし、息が荒くなってしまうのは止められなかった。

「お嬢様?」

 ライルが近づいてくると敏感になった肌で感じてしまうのが分かった。
 
「んっ……」

 ライルの方を向くと緊張して顔が赤くなってしまった。

「もしかして、何か飲まされましたか?」

 ライルはいつもとは違う様子を不思議に思い、自分の意思とは違うもので高揚しているようなクリスティーナが心配になった。

「ラ、ライル、私、自分で処理するから大丈夫よ……」

 ライルは何か感づいているようだったので、クリスティーナはこれ以上心配させないようにさせないようにした。さっきも襲われそうになっていたのを助けてくれて迷惑をかけてばかりだったので、自分で何とかする旨を伝えた。

 ライルは自分で処理するという言葉の意味とクリスティーナの様子で事の概要は理解したようだった。
 
「媚薬を飲まされたんですか?ダメです!それは女性が飲んだ場合、男性の精をうけいれないと……」

「とにかく、家に帰ったらウィリアム様に連絡いたします」
「なんで?」

 クリスティーナはウィリアムは自分の方に向いてくれないことはもう感づいてしまっていた。それに、自分のウィリアムに対する気持ちも冷めてきていた。ウィリアム様の精を受け入れるということになったら、向こうはどう思うだろうか。

「お嬢様の婚約者だからですよ。アンナ様は捕まったものの、ウィリアム様は被害者という立場なので、お嬢様との婚約は続いています。公爵家の被害もあったものの、彼には猶予があります」
「ライルじゃダメ?」

 そういうとライルは驚き固まった。

「いま、なんて?」
「ライルじゃダメなの?ウィリアム様よりもライルのほうが安心するし……」

 ライルは顔を赤らめ、クリスティーナのことを見つめた。

「なんてことを言うんですか。僕はあなたの執事であって、そんな関係にはなれません」
「ウィリアム様とは婚約破棄してもいいわ。こんなことになったんだもの、お父様も許してくれるでしょう?」
「それは、本気ですか?」
「本気よ、あの人は私とは結局合わなかったみたい」

 そう言って、ライルの方を見ると考え込んでいるようだった。そして、少し時間がたった後、小さな声でつぶやいた。

「家に帰ったら、覚悟してくださいね」


 ――――――――――


 馬車が侯爵家につくとライルはクリスティーナを抱き上げ、部屋に連れて行った。そしてベッドに優しく下ろした。

「お嬢様、本当に僕でいいのですか」
「ライルがいいの、はやく……」
「熱に浮かされているだけですか」

 クリスティーナは媚薬がすでに体中に回っていて、どうしようもない状態だった。とにかく気持ちよくなりたくて、ライルの腕を掴んでいた。

 そして、ベッドにかがんでいたライルの体を引き寄せて頬にキスをした。

 ライルはクリスティーナが自分に唇をつけたことを信じられず驚くだけだった。しかし、自分の前で惚けているクリスティーナを見て我慢ができなくなっているのも真実だった。

 「タガを外したのはお嬢様ですから……」

 ライルは顔を赤くしながらそう言った。

 そしてそのまま、クリスティーナを押し倒し、口にキスをした。ライルは両手をクリスティーナの顔に当てて、大事にするようにキスを続けた。舌を唇に沿わせ、ゆっくりとクリスティーナの口内に侵入していった。

 クリスティーナも訳が分からないままキスをされていたが、ライルの舌が自分の舌に触れると不思議な気持ちになった。そして、ライルの舌が自分の口内をずっと動いていたのでライルの舌に合わせて自分の舌も動かしていった。

「んっ」
「ふうっ」

 二人きりの部屋には静寂を打ち破るように、たまに漏れ出る声が響いた。

 数分そんな時間が過ぎたかと思うと、ライルの顔が離れこちらを見つめた。いつものおちゃらけている姿とは違って、息を荒くしその目は熱を持っているように見えた。

 ライルはそのままクリスティーナのドレスを脱がしながら首元をなめていった。

「お嬢様、あいつが触れたところはすべて上書きするので教えてください」

 ライルの声は少しかすれているように聞こえた。そんな声に応えるようにクリスティーナも意識がふわふわしている中声を出した。

「ん、手、掴まれて……」

 ライルはクリスティーナの手首をもって自分の口元に当てた。そして、舌を出してなめ始めた。ライルはシュートがしたことよりも偏執的なことをしていたが、クリスティーナにとってはライルに触られて安心感があった。

「あとは……?」
「あと、胸のとこ、触られた……」

 そういうとライルは着ていたドレスを脱がして、コルセットも器用に外してしまった。そしてクリスティーナは胸が見えるような格好になってしまった。

「あっ」

 クリスティーナは自分の胸を人に見られるのは初めてだったため、恥ずかしくなってしまった。

「ライル、待って」
「お嬢様、あいつはお嬢様に触れていい人ではありません。僕にすべてを見せてください。あなたを汚すものはひとつ残らず取り除きます」

 そういうとライルは胸元に顔を近づけ、キスをし始めた。クリスティーナも体が敏感になっていたため、ライルがキスをするたびにむず痒い気持ちを抱いた。そして、両手で胸を揉むように触られると、不思議と気持ちがよくなっていった。

 ライルはそのまま、胸の頂点に唇を寄せ舌を動かし始めた。

「あっ」

 何か今までに感じたことのないものを覚え、変な声が出てきてしまった。

「お嬢様、ここが気持ちいいのですね。お嬢様の熱が冷めるまで僕は気持ちよくします」

 そういって空いている方の胸も手で触ってきた。舌で執拗に舐めながら、手でも先を刺激するように動いて、ライルはクリスティーナを気持ちよくすることだけに励んだ。

「ああ……あんっ」
「先が固くなってきましたよ。お嬢様、あなたの感じている姿をもっと見ていたい……」

 そして両手で敏感なところをいじりながら、ライルはクリスティーナの方を見た。高揚しているクリスティーナに微笑みかけ、もうトロトロになっている唇を再び舐めるようにキスをし始めた。

 クリスティーナは自分の感じることをされながらキスをするのは気持ちが良すぎてどうにかなってしまいそうだった。

「お嬢様、こちらの方はもう準備ができていますね」

 ライスはそういうと、胸ににあった手を離して足に手をかけた。ドレスのスカート部分を引き上げながら下着越しで局部に指をかすめた。

「やんっ」

 クリスティーナは誰にも触られたことのないところをいきなり触られて恥ずかしくなった。しかし、媚薬で体が敏感になっていたため、変な声が出てしまった。

「すごく濡れてます」

 ライルのそういう声が湿度のこもった声でさらにクリスティーナを感じさせた。

「お嬢様、感じますか。もっと気持ちよくします」
「待って、恥ずかしい……」

 クリスティーナは少し抵抗するようにライルの身体を押したが、ライルはそのまま続けた。ライルの手は下着越しにクリスティーナの花芽のあるところを触り始めた。クリスティーナは自分が触られて気持ち良くなるのは初めてだったが、ライルの手つきでもうとろけるようになっていた。

「あっライル、気持ちいい」

 クリスティーナは恥ずかしさも忘れて気持ち良さに身を委ねるようになっていた。

 そういうとライルは顔を赤らめながらクリスティーナの顔を見つめた。

「男にそんなことを言うと後悔しますよ」

 ライルは下着に手をかけ、それをクリスティーナの足から脱がした。そして、足を両手で開き、ライルは間に挟まるような形になった。

「もうこんなにトロトロになっています」

 そう言ってライルはクリスティーナの秘部に顔を近づけた。

 ライルはクリスティーナの膨らんだ秘芽に舌を沿わせて細やかに動かした。そして時折それをジュッと言わせながら吸った。

「ライルっ、ふぅ、んっ、ああ」

 クリスティーナは今まで感じたことのない気持ち良さを感じていた。

「ぃやん、だめっ、あぁ」
「お嬢様、気持ち良いときは駄目じゃないでしょう?」

 ライルは続けてクリスティーナの気持ち良いところを舐め続けた。ジュルジュルと水音がクリスティーナの耳に届き羞恥心を煽るとともにさらに感度を良くさせた。

「ライルっ、気持ちいい、もっとっ」

 ライルはそういうクリスティーナを見て微笑み、顔を足の間から離し再び胸元に近づいた。そして乳首を舐め始め、空いた手でもう1つの乳首をひっかくようにし、もう片手で秘芽をいじった。

「ああ、らいるっ」

 クリスティーナは気持ち良いところを3つも同時に責められ、今まで感じたことのない何かが来てしまうような心地がした。

「来ちゃう、なにか、ライルっ」
「クリスティーナ様、そのまま気持ちよくなってください」
「あん、ああ、ああああ」

 クリスティーナは気持ちよく感じているのをそのまま受け入れ、せり上がってくるのを感じた。

「ひゃん、あああああ」

 足に力を入れて体の中で何かが破裂するように感じるとともに、気持ち良さが絶頂に達するのを感じた。

「お嬢様、しっかりイケましたね」

 ライルはクリスティーナのことを熱を持った目で見つめてそう言った。

「イク?」
「そうですよ。お嬢様、気持ちいいのを感じたのでしょう?それが女の人のイクというのですよ」

 そう言ってライルはクリスティーナの秘部に指を差し込んだ。トロトロに解けたクリスティーナのそこはライルの指を容易く受け入れてしまった。

「お嬢様のここ、すごく狭いですね。僕が優しく広げてあげます」

 クリスティーナは自分の中にライルの指が差し込まれていることに異物感を感じたが、媚薬で惚けているためそれもすぐに快感へと変わっていった。クチュクチュと音を立てながら弄られるのは恥ずかしさも感じたが、興奮を高めるものにもなっていった。

「きゃんっ、ライル、そこダメっ」
「お嬢様、ここがいいのですね。もっと気持ちよくしてあげます」

 ライルはクリスティーナの秘部でもより感じやすいところに触れた。そして、挿れている指をふたつに増やし、クリスティーナの気持ちよくなるところを重点的に弄った。

「ラ、ライル、ダメなの。また、きちゃう」
「お嬢様のダメ、はイイ、ですよね。大丈夫です。僕が気持ち良くするのに身を委ねてください」

「ライル、イっちゃう、イっちゃうの……っ」
「お嬢様、イってください」

「あっあっああああ、ああん……」

 クリスティーナは再び絶頂を迎えたが、ライルの指が差し込まれていることで自分の秘部が締め付けているのを感じた。

「お嬢様、あなたの中が僕の指を離さないようにしっかりと締め付けていますよ。すごく気持ち良くなって、もう身体の疼きは無くなりましたか?」

 ライルはクリスティーナをベッドに押し倒したが、それでも侍従の自分が純潔を奪うのには抵抗があった。それも、クリスティーナはライルにとって届くことのない憧れであり、初恋の人でもあったからだった。

 クリスティーナはそれでも一層お腹の奥がきゅんとなって物足りなさを感じた。

「でもライル、もっとしてほしいの」

 クリスティーナは夜伽のことは知らずに過ごしてきたため、この先のことも何も知らなかった。しかし自分の体が求めているままにクリスティーナもそれを求めた。

 ライルはそういうクリスティーナに苦しげな顔をして応えた。

「お嬢様、あなたの純潔を奪ったのは僕だとずっと覚えていてください」

 そう言ってライルは自分の履いているスラックスと下着を脱ぎ、自分の立ち上がったものを露わにした。

 クリスティーナはそんなライルのものを不思議そうに見つめた。

「ライル、それなに?ライルの身体にこんなものが付いていたの?」

 ライルは少し驚いた様子になって笑みをこぼした。
 
「お嬢様、こんなにも無垢なあなたが愛おしいです。そんなあなたには興奮している僕は見せたくなかったんですけどね」

 そうしてライルはクリスティーナの脚を広げてその秘部を見つめた。

「ああ、もうこんなにトロトロになっている。それではお嬢様の中に挿れますよ」

 そういうと自分の熱いものをクリスティーナの狭い秘部に入れ込み始めた。

「くっ、狭い。お嬢様、痛くないですか?」

 クリスティーナは自分の中にライルのものが入っていくのを感じて違和感を感じたが、媚薬で敏感になっていたため気持ちよさも同時に感じていた。

「んっライル、気持ちいいわ」

 ライルはそう言ったクリスティーナに顔を赤くさせた。

「お嬢様、少し動きます」

 そう言ってライルは腰を動かし始めた。

 クリスティーナは自分の身体の中に出し入れされることがこんなにも気持ちのいいことだと知らなくてその気持ちよさに溺れてしまいそうだった。

「あっあっライルっ、ひゃん」

 ライルは自分の下で誰にも見せたことのない美しいクリスティーナの胸が上下に揺れ、クリスティーナの脚の間に自分のものが出入れしている様子にどうしようもなく興奮してしまっていた。

 そしてクリスティーナの口から嬌声が漏れ出ていることによって、耳からも自分の身体が興奮によって侵食されていくように感じた。

「はあっ、お嬢様、本当はこんなふうにあなたと繋がりたくはなかった。でも、すごくあなたが愛おしくて、もうどうしてもやめられないです」

「んっはぁ、あぁ、あん」

「あっお嬢様、愛しています。ずっと好きです。お嬢様っ」

 そう言ってライルは大事なものを扱うようにクリスティーナの唇に優しく口付けをした。ちゅっと音を立てながらクリスティーナの口の中を舌で蹂躙していった。

「んっふっ」
「んん、んーー」

 クリスティーナはキスをされながら自分の中で突かれ続け、またイってしまいそうになるのをを感じた

「あっライルっ、また、イっちゃう、あんっ、イっちゃう」

「お嬢様、僕もイキそうです。一緒にイキましょう」

 ライルはより腰を動かし、クリスティーナの奥を打つようにした。

「きゃんっライル、ライルっ」
「あっお嬢様、好きです、あっあっ」

「っ~~~、ああっあっ」

 クリスティーナは自分の中が痙攣しイクのを感じた。

「お嬢様、締め付けがすごいです。はあ、僕もイキます。あっ、ああっ」

 ライルはクリスティーナの中に自分の子種を吐き出した。


――――――――――


 ライルにとってどぴゅっと自分のものを昔から憧れ愛してしまった人に出してしまったのは、罪悪感と共に高揚感を感じてしまっていた。

 クリスティーナの中からそれを引き出すと、自分の子種とクリスティーナの血が混ざり合ったものが出てきてまた興奮しそうになってしまった。

 ライルはこんなものに自分が興奮してしまうことに純粋なクリスティーナに対して後ろめたさを感じた。

 当のクリスティーナは疲れてしまっていたのか眠りこけていた。自分の子種を中に出したことで媚薬の効果は無くなっていたようで少しホッとした。

「お嬢様、もう無防備にならないでください」

 そうライルは独り言を呟いた。クリスティーナは今も昔もライルの前では無防備であった。しかし無防備であるゆえに、クリスティーナはライルのことを男としてではなく、信頼できる執事として扱っているのは目に見えていた。そして、意中の相手は婚約者のウィリアム様だということも。

 しかし、ライルは不本意ながらやっと手にした愛しい彼女を話すつもりはなかった。

「お嬢様、僕と結婚しましょう」
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