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【番外編】君がいたから
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イウリスの零した言葉に、周りが騒めく。
そんな中、ライカン侯爵は掴みどころの無い笑みを浮かべたまま、イウリスを見ていた。
「いやあ、イウリス殿下にはすばらしい目がおありですね。……エウジェルム、こちらへ」
エウジェルムと呼ばれた凛々しい少女は、その言葉に従いイウリスの前に進み出た。
近くで見ると、少し陽に灼けた肌もまた彼女の顔立ちを際立たせていて、イウリスは目が離せなくなる。
と同時に自分の白い手が恥ずかしくなって、慌てて腕を後ろに回して隠した。
「シウナクシア王家の眩き光にご挨拶申し上げます。ライカン侯爵家長女、エウジェルムと申します」
「あの……それ……とても素敵な格好だね」
つっかえながらそう答えると、エウジェルムはちょっとびっくりした顔をして、それからにこりと笑った。
笑うと先ほどまでの少し張り詰めた様な印象が消え、明るく溌剌として見えた。
「お褒めいただき、光栄でございます」
声も張りがあり、とても良く通る。イウリスにとっては、何もかも自分と正反対に見えた。
そこに横からひょい、とライカン侯爵が顔を出す。
「ドレスでこの場にこなかった事、殿下は咎めないのですか?」
「どのような招待状を送ったのかを、僕がわかってなくて……。指定があったのだったら駄目かもですが、そうでないなら、とても似合っているので何も咎める事はありません」
たどたどしく、それでもイウリスはしっかりと気持ちを述べた。
その横で、王妃が苦い顔になる。
「母様、僕は共に歩むならこの方がいいです……あの、もちろん、君が嫌でなければ、なんだけど」
「そんなに早急に決めずとも、まだ機会はあるのですよ」
王妃はそう言うが、イウリスは首を振った。
「これ以上の方はいないです。絶対です」
そんな予感がした。
「じゃあ、まずは友達からどうだろう。まだお互いの事も良く知らないだろうからね」
エウジェルムが答える前に、ライカン侯爵がそう提案してくれる。
イウリスは必死に頷き、王妃に向き直った。
「お願いします、母様」
じっと見つめてお願いすると、王妃は仕方なく「あくまで、友としてですよ、いいですね?」と念を押し、受け入れてくれた。
「僕と友達になってくれる?」
改めてお願いし、手を差し出す。エウジェルムはその手を取って、微笑んだ。
そんな中、ライカン侯爵は掴みどころの無い笑みを浮かべたまま、イウリスを見ていた。
「いやあ、イウリス殿下にはすばらしい目がおありですね。……エウジェルム、こちらへ」
エウジェルムと呼ばれた凛々しい少女は、その言葉に従いイウリスの前に進み出た。
近くで見ると、少し陽に灼けた肌もまた彼女の顔立ちを際立たせていて、イウリスは目が離せなくなる。
と同時に自分の白い手が恥ずかしくなって、慌てて腕を後ろに回して隠した。
「シウナクシア王家の眩き光にご挨拶申し上げます。ライカン侯爵家長女、エウジェルムと申します」
「あの……それ……とても素敵な格好だね」
つっかえながらそう答えると、エウジェルムはちょっとびっくりした顔をして、それからにこりと笑った。
笑うと先ほどまでの少し張り詰めた様な印象が消え、明るく溌剌として見えた。
「お褒めいただき、光栄でございます」
声も張りがあり、とても良く通る。イウリスにとっては、何もかも自分と正反対に見えた。
そこに横からひょい、とライカン侯爵が顔を出す。
「ドレスでこの場にこなかった事、殿下は咎めないのですか?」
「どのような招待状を送ったのかを、僕がわかってなくて……。指定があったのだったら駄目かもですが、そうでないなら、とても似合っているので何も咎める事はありません」
たどたどしく、それでもイウリスはしっかりと気持ちを述べた。
その横で、王妃が苦い顔になる。
「母様、僕は共に歩むならこの方がいいです……あの、もちろん、君が嫌でなければ、なんだけど」
「そんなに早急に決めずとも、まだ機会はあるのですよ」
王妃はそう言うが、イウリスは首を振った。
「これ以上の方はいないです。絶対です」
そんな予感がした。
「じゃあ、まずは友達からどうだろう。まだお互いの事も良く知らないだろうからね」
エウジェルムが答える前に、ライカン侯爵がそう提案してくれる。
イウリスは必死に頷き、王妃に向き直った。
「お願いします、母様」
じっと見つめてお願いすると、王妃は仕方なく「あくまで、友としてですよ、いいですね?」と念を押し、受け入れてくれた。
「僕と友達になってくれる?」
改めてお願いし、手を差し出す。エウジェルムはその手を取って、微笑んだ。
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