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「4」新しい国の作り方

(7) 一族の末裔と言う人

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王家主催のパーティーという事で外交官や有名人も招待されております。彼らの興味は、1人だけ。その他は、ハッキリ言って眼中には無い。


「宜しいな、近づくんだ。我が国への投資を誘うんだぞ。まだ、小娘だ。伝説の話なら、イチコロで夢中になる。御伽話のドラゴンだからな!」

「そうです、ドラゴンです。私に夢中になるはず!」


あおっておいて、パベロン国の外交官は信じきれない顔になる。


(この姿を見てドラゴンと思うだろうか。疑問だー。)


竜人族の大王の子孫を保護して世話してきた国であるが、最近の財政難に少しでも働きを見せて欲しいところ。だから、わざわざ出向いて来たのだが。


「新国の王様、ご挨拶致します。コッテリナベ国の者でございますが、メデタイ席に相応しい方を紹介させて下さい。」


恭しく手を差し上げて、口上。皆んな、呆気に取られている。


「ここにおわすは、かの神話の国であった竜人族の大王の末裔でおられます。フェルナンド・ドラコ様ーー!」


ドラゴンの大王の事は知られている。その名を聞いて、会場に響(どよ)めき。進み出た人物。


「我が、竜人族の王家の末裔であるフェルナンド・ドラコであります。新王よ、お忘れなきように。」


と、火をチョットだけ吹いた。有るだけの晴れ着を着たのではないかという厚着。それだけでも着ダルマなのに、丸々と太った小さいオジサンで。どう見ても、王様には見えない。会場のアチコチから失笑。笑い者だ。

笑われようと、使える肩書きは忘れない。自分が竜人族の王家である事を並べたてていた。それで、生活しているのだろう。

コムは、仕方ないのでフムフムと聞いているふり。聞いてもらえると喜ぶ相手は作り話の英雄伝を話し出した。


「我の魔法ならば、そんな奴らは簡単に始末できるゆえ・・」


と自慢気に言っていると、ミリエネッタ令嬢が一声。


「では、お祝いの舞踏会を始めましょう!」


それを合図にドラコさんは、ぎこちない動きで口を閉じて下がって行った。お嬢様が魔法を掛けたのだ。またまた、お嬢様が不機嫌です。どうなる事やら。

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