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「4」新しい国の作り方
(5) 新しい仲間
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コムは、複雑な気持ちだった。この間まで、そこは自分の場所だったから。
「ライアンさん、僕に分からない事があったら聞いて下さい。」
「その必要は、無いようです。この魔法アイテムのカチューシャは素晴らしい。やった事の無い仕事なのに、長年もやってるみたいに思えてくる。」
それは、そうだけど。魔道具のカチューシャが執事の仕事をベテランのように導いてくれるから。先輩(僕)の指導なんて必要ないんだけど。
(なんか、なんか、面白くないんだけどなー。)
複雑なのでした。オマケに新入りは愛想なんか出さない。もっぱら、笑顔でご機嫌を取ってるのはコムだけだ。
精悍な顔の新しい見習い執事は、ミリエネッタ令嬢がスカウトしてきたお気に入りなのでした。
男ぶりが良かったからかというと、物怖じせずハッキリと言う気性も他の召使いからも受け入れられている。いや、お嬢様のお気に入りだからか。
「ここをクビになったら、私の屋敷へいらっしゃいな。」
直ぐに貴族の婦人達から声が掛かっております。コムの時も人気でしたが、越す勢い。
「私のような不束な者にお優しくして頂き有難く思います。」
ちょっと、伏し目にして陰を作る。この男、抜け目ありません。
「お前、女の扱いが慣れておるなあ。」
何処かから聞こえてくる声。ライアンは、見回すと棚の上に視線を止めた。小さな小さな金色のドラゴンだ。
「お嬢様のペットか。」
「んにゃにゃー!(ペットでは無いぞ)」
ライアンは、フンと一瞥して立ち去る。その後ろ姿を見送った大王は、肩を揺らして笑うのだ。
「にゃなにゃなにゃなー(気に入でたぞ)」
ミリエネッタ令嬢からの贈り物。気が進まなかったが、喜んでうけいよう。
『フェルナンド、いい素材を見つけたわ。貴方の身体にすればいいでしょう。』
小さなままでは不自由だろうと、入れ物になる身体を見つけてくれたのだ。三流盗賊の魔法使いをして暮らしていたようだが、依代として充分に役に立ってくれるだろう。
勿論、その時は、ミリエネッタ令嬢を孕ましてやるのだ。
「ライアンさん、僕に分からない事があったら聞いて下さい。」
「その必要は、無いようです。この魔法アイテムのカチューシャは素晴らしい。やった事の無い仕事なのに、長年もやってるみたいに思えてくる。」
それは、そうだけど。魔道具のカチューシャが執事の仕事をベテランのように導いてくれるから。先輩(僕)の指導なんて必要ないんだけど。
(なんか、なんか、面白くないんだけどなー。)
複雑なのでした。オマケに新入りは愛想なんか出さない。もっぱら、笑顔でご機嫌を取ってるのはコムだけだ。
精悍な顔の新しい見習い執事は、ミリエネッタ令嬢がスカウトしてきたお気に入りなのでした。
男ぶりが良かったからかというと、物怖じせずハッキリと言う気性も他の召使いからも受け入れられている。いや、お嬢様のお気に入りだからか。
「ここをクビになったら、私の屋敷へいらっしゃいな。」
直ぐに貴族の婦人達から声が掛かっております。コムの時も人気でしたが、越す勢い。
「私のような不束な者にお優しくして頂き有難く思います。」
ちょっと、伏し目にして陰を作る。この男、抜け目ありません。
「お前、女の扱いが慣れておるなあ。」
何処かから聞こえてくる声。ライアンは、見回すと棚の上に視線を止めた。小さな小さな金色のドラゴンだ。
「お嬢様のペットか。」
「んにゃにゃー!(ペットでは無いぞ)」
ライアンは、フンと一瞥して立ち去る。その後ろ姿を見送った大王は、肩を揺らして笑うのだ。
「にゃなにゃなにゃなー(気に入でたぞ)」
ミリエネッタ令嬢からの贈り物。気が進まなかったが、喜んでうけいよう。
『フェルナンド、いい素材を見つけたわ。貴方の身体にすればいいでしょう。』
小さなままでは不自由だろうと、入れ物になる身体を見つけてくれたのだ。三流盗賊の魔法使いをして暮らしていたようだが、依代として充分に役に立ってくれるだろう。
勿論、その時は、ミリエネッタ令嬢を孕ましてやるのだ。
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