(完) ミリエネッタお嬢様の周りは変な人ばかり

茶ティム

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「3」 ムスタカス家の子息

(17) とっても高価なドレスだけど

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ミリエネッタ令嬢から譲られたドレスを断りたかったジュリエッタだが、断れない。魔紋は、締め付けてくる。怖い。


「ありがたく、頂きますのだ(こんなドレス嫌だ!)」


笑顔を顔に貼り付けて喜んでるふり。そうしろと、身体の奥に巣喰った魔紋が苦痛を与えてくる。



『お嬢様の命令に逆らうと命は無くなりますよー。』


嫌だ、怖いよー。婚約者になったアホも大嫌いだー。助けて欲しいのだ!


「ゴメス商会のジョナサンは出来る人で、このドレスの使い方を教えてくれたの。あなたには、正しい使い方で皆んなを驚かせて下さいな。」


そう言う優しい笑顔の女の子ミリエネッタ令嬢が、もっと怖いのだ。嘘吐きオバサンだ。女の子のふりしてる化け物だ!


「レッスンが必要ね。ドレスに付けられているマスコット1つに1人の介助が必要だそうよ。何人もの召使いを伴わないといけないから売れなかったらしいわ。」


押し付けて恥をかかせる気なのだ。パーティーに介助の召使いに囲まれて登場なんかしたくないのだ。お馬さんや羊さんを支えられて笑顔を振り撒くお馬鹿なジュリエは、想像しただけで泣けるのだ!

誰か、この三文芝居から救って欲しいのだ。そうだー!


「マルグリットさんの方が似合うのだ。ドレスを譲るのだ。婚約者も譲るのだ。海坊主は似合うのだ!」


マルグリットは即座に断った。当然だ。誰も代わりはお断り致します。私に海坊主は似合いません。失礼でしょう!


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