(完) ミリエネッタお嬢様の周りは変な人ばかり

「3」 ムスタカス家の子息

(4) 彼と私の間には

これは。旦那様になる方に決めて頂かなくては。頼りにしてますから、ビシッと決めて下さいませ。


コム
「え、国なの？凄ー、王様になるんだ。考えてもみなかったな。名前？「暁の午前零時」って、クール。好きかも！」


何だか、普段と違う気が。どうされましたの？


「ああ、これね。仕事アイテムのカチューシャを外してるから。あれは、執事さんの真似だもの。」


真似？えっ、真似ー？仕事が出来て物おじしない度胸と男らしさらは、真似！


「だって、僕は１５歳だから。執事とか屋敷の仕事なんて初体験だよ。僕、婚約者がマルグリットお嬢様で良かった。お姉さんだから安心できるもの！」


なんと、１５歳ですって？私は、１７歳でしてよ。私、年下の男の子と婚約してるのでありますか？知らなかったー！








♪マルグリットとコムの間には、２歳という歳の差がありました。オー、マイゴッド。バーン！


「マルグリットさん、どうされたのかしら。集中できてないようね。」


マルグリットは、お手伝いしている帳簿から寝不足の目を目の前の少女に向けた。

何だ、このギンギラギンは。錦糸の入った刺繍の大輪の花々にミリエネッタ令嬢が埋もれております。地味な顔立ちなので存在感が無い感ー。何時もの尼僧のような統一色のシンプル服は？


「あの、お尋ねしても。」

「何かしら？」

「今日のドレス、素敵ですわ(嘘です)」

「そうでしょ、ね、ね、ねー。だって、あたしって女の子だもん！」

「は？(目が点)」


ミリエネッタ令嬢が女の子らしくしようと急いで流行りのドレスを取り寄せたことなど知りません。

でも、頑張れマルグリット。幼い頃より英才教育を受けて王妃候補者にも入っていたエリート令嬢。こんな事くらいで負けません！