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「3」 ムスタカス家の子息

(3) ちょっとした計画

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朝からマルグリットから離れようとしないジュリエッタ。


「恐ろしい化け物がでたのだー!」


それを、繰り返すばかり。どんな?とマルグリットが聞くと。


「とにかく、恐ろしい海の化け物だ。ミリエネッタお嬢様の知り合いなのだ。お嬢様は化け物の知り合いなのだ!」


お嬢様の知り合い?よく、分かりません。その凄い人は、考える事も並では無い。マルグリットを呼んで分厚い書類を手渡す。それは、MAP付きであった。

説明書には、「王様不在」とある。ならば、見つけなくてはならない。



「これは?国起こしですのね、王様を決めておられますか。」

「ええ、コムよ。だから、貴女は王妃ね。」


まるで、市場で野菜を買うように簡単に言いますが。それで、いいんですか?


「冗談ですわね。あり得ませんわ、コム様を王にして国を創るだなんて。オホホー。」

「あら、もう注文したわよ。ゴメス商会に。」


そんな物まで売っているのか、あの会社は。


「国といっても、小貴族の領土くらいの広さだから大丈夫よ。領地の名前が国になっただけ。」


いいえ、お嬢様。領地と国では、大きな違いです!


「いい場所なの。周囲を山に囲まれて、港もあるわ。戦法としては、勝てる砦になるでしょ。」


いいえ、お嬢様。私は、戦争をするつもりは有りませんから!

そして、大問題発生。国の名前を何にするか。ミリエネッタ令嬢は、「暁の零時(あかつきのれいじ)」を持ち出すのだ。


「あの、それは変わったネーミングですのね。何処から見つけて来られたのかしら?(皮肉)」

「まあ、マルグリットさん。分かりました?大好きな小説に出て来るアウトヒーローです。とっても、素敵なのよ!」


素敵と国名は、違う物でしてよ。絶対に却下します!





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