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「2書」 ミリエネッタ令嬢という女の子は

(12) 取り引き話

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ミリエネッタ令嬢は、驚きもしなかった。


「そういう者も居ると予測した上での契約ですから。契約したから、後は好きにしてくれという事でしょ。ねえ?」


後は好きに?どうなるのか、考えたくない。寒気がしてくる。このお嬢様は、何かを企んでいるようですが。

ミリエネッタ令嬢が契約破棄の場合に備えてないとは思えませんけど。あの方は人並み外れた魔力を示して恐れさせ文句の付けようの無いビジネスを成功させたのだ。どのような報復が与えられるか分からないのに。

その時は、遅いのだ。がー。






ジュリエッタは、この国と摩擦の多い国に接触を計る。父親と親交のある外交関係者にコネクト。


「王太子の婚約者であるミリエネッタ伯爵令嬢のお屋敷に礼義見習いをする事になったのだ。だから、王太子の秘密の情報を手に入れてしまったのだぞ。知りたいだろー?」


分かりやすい密書だった。ミリエネッタ伯爵令嬢の屋敷にマルグリット伯爵令嬢と招かれて暮らしているのは噂話で聞いていただろう。

一緒に暮らしていれば、知られていない話も知る。次期王になる人物の秘密。良い餌でした。感触の良いお返事が来てジュリエッタは上機嫌。


「これで、高額な値段で売れば婚約者見習いなんて必要ないのだー!」


ジュリエッタの頭の中は、婚約者候補なんて事やらないで自由になってる自分の姿が見えていた。

奴隷あがりの顔だけの男の子と結婚したって、何が残るってのよーだ。私は、売り物じゃないのだー。皆んなに想い知らせてやるのだー!


「そうでございますか、そうでございましょうね。ジュリエッタ様!」


誰だ、興奮した声で馴れ馴れしい呼び方をするのは?





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