(完) ミリエネッタお嬢様の周りは変な人ばかり

(11) 招集されました

数日後ーー。


貴族の紋章の付いた馬車が2台がサンリク伯爵家へ到着いたしました。


「ジュリエッタ・ハベロ子爵令嬢のお着きでございます！」
「マルグリット・エガンス伯爵令嬢のお着きでございます！」


馬車駐車場に移動されたお2人の馬車。エガンス伯爵家の馬車から紋章が外れて落ちたのは見なかった事に。

きっと、慌てて借りた馬車に貼り付けて来たのでしょう。お金に困って売り払っていたのかもですね。

さー、第1のコースはハベロ子爵令嬢。第2のコースはエガンス伯爵令嬢でございます。各馬が入りました。どちらが、見習い執事の心を射止めるでしょうか。


「勿論、このジュリエッタでございますだー。本当に修行中の執事を公爵にしてくれるのよね。騙したら承知しないだー！」


可愛い顔して縦ロールを振り回しながら要求する気の強い令嬢。強気でコムを捩じ伏せるのか？


「あなた、子爵家の令嬢が伯爵家のマルグリットに勝てると思ってるのでございますのですか。公爵となった見習いを貴族の妻としてフォローできるのは、この私が相応しいと思いにならないのは不可思議ですわ！」


こちらも、気の強さでは負けておりません。2人は、合わせた視線に火花をパチパチと散らし合う。

引き戻る事は出来ません。借金で実家は倒れかけている。それを立て直すには、見習いだろーが、卵だろーが、公爵の爵位獲得というお約束付き結婚。

例え、化け物だろーがモンスターだろーが実家の為になら命も捧げる覚悟。要は、生きてれば良いのです！

さあ、どちらが結婚を掴み取るのでしょうか？