(完) ミリエネッタお嬢様の周りは変な人ばかり

「2書」 ミリエネッタ令嬢という女の子は

(29) 相手にされてない

次にミリエネッタ令嬢が命令したのは、コムが大王を使い魔として使えるようになる事だった。


「竜人族の大王は、計り知れない魔力の持ち主だったのよ。あなたにも有るはずだから、使い方を教わるのよ。」


コムが命を代価に契約した相手は、かっての竜人帝国の大王なのである。だからか、何も持たないコムには素っ気ない。


(違う表現だと、無視されてるとも言うなー。どうしよう、僕！)


何しろ、魔獣契約というのが初めてで慣れてない。使い魔の飼い方が分からないもの。

毎日、呼び出してご挨拶するのが義務付けられた。誰からの指示というとミリエネッタ令嬢である。


「コムや、大王は気難しいのじゃ。付き合いは、根気。毎日、お話して知ってもらうのだ。手抜きは許さないよ。私には、分かるからね。彼とは「親友契約」を交わしてますから。」


否応なし、仕方なくやる。何日たっても、ミニチュア大王は口もきいてくれない。無理です、ギブアップします！








ミリエネッタ令嬢は、見習い使い魔(大王)と見習い執事の関係向上に頭を悩ます。


「ちょっと、フランチェスコ。ここに、来なさい。どうして、コムの使い魔としての仕事をしないのよ！」


大王は、ミリエネッタ令嬢の手に頭をスリスリ。幽霊のような物なので触れてるふり。コムは、自分との態度の差を実感する。近づいてもくれないからだ。


「なにゃにゃにゃー(なりたくて、なったわけじゃないぞ)」
「せっかく、竜人の子孫の使い魔となって存在できるというのに。じゃ、消えるかい？」


大王とコムは、ビックリ。本気なのか。仲良くしないなら、消すと言ってらっしゃいますか。そんな事くらいでですか？