16 / 77
「2書」 ミリエネッタ令嬢という女の子は
(4) 深夜の客
しおりを挟む
このお屋敷で見た事や耳にした事を外に公言しない。という事は、話されると困る事があるとかですか?
そして、それは、真夜中に起こった。
突然の爆音と揺れる屋敷。何かが、襲って来たのだ。モンスターの襲撃か。ジュリエッタは抱いて寝ていた愛剣を手に部屋から飛び出して来る。
すると、屋敷の廊下の闇にランプの灯りに浮かび上がる美少年が1人。驚いたジュリエッタは叫んだ。
「ぎゃあああああああ、オバケ!怖い、助けてー!」
それは、見習い執事のコムでした。モンスターは怖くないけどオバケは怖いようです。コムは、構わずに床に話しかけた。
「また、やられては困ります。お嬢様に叱られますよ?」
そう、下手(したで)に言ってみる。無視されるのは何時もの事。でも、居られるとお嬢様の癇癪が。怒ったら怖いのに。
「ほら、アレッサンドロクスドニベーチェ王太子様?」
伯爵家の館の廊下に転がっている大きな落とし物。大男に近い高身長で手脚が長い若い男。手脚が長いから数人がかりで抱き上げないとモツレルのだ。解くのが手間です。
「愛してる、愛してるんだリミエネッタ!」
酔っ払ってるから恥も外聞も無い。大声で喚く。王宮なみに厳しい警護だと評価されているのに、何時も誰にも気付かれずの侵入。どうやってるのやら。
おまけに、この落とし物は無駄に目を惹く。ほら、侍女達が。
「今日の王太子様の寝顔、素敵。悩ましいわー!」
ああ、遅かったか。王太子は魅惑もちなのに、犠牲者が出そうだ。どうしたものかと、執事見習いは溜め息をつく。
ジュリエッタはオバケには逃げ腰なのに、王太子と知ると目を輝かせた。
「王太子なんだー?お知り合いになりたいのだー!(横島な気持ち)」
これは、やっぱり、お出ましをお願いしないと。ミリエネッタお嬢様は、王太子の婚約者でありますから。と、今朝も決意したのであった。
そして、それは、真夜中に起こった。
突然の爆音と揺れる屋敷。何かが、襲って来たのだ。モンスターの襲撃か。ジュリエッタは抱いて寝ていた愛剣を手に部屋から飛び出して来る。
すると、屋敷の廊下の闇にランプの灯りに浮かび上がる美少年が1人。驚いたジュリエッタは叫んだ。
「ぎゃあああああああ、オバケ!怖い、助けてー!」
それは、見習い執事のコムでした。モンスターは怖くないけどオバケは怖いようです。コムは、構わずに床に話しかけた。
「また、やられては困ります。お嬢様に叱られますよ?」
そう、下手(したで)に言ってみる。無視されるのは何時もの事。でも、居られるとお嬢様の癇癪が。怒ったら怖いのに。
「ほら、アレッサンドロクスドニベーチェ王太子様?」
伯爵家の館の廊下に転がっている大きな落とし物。大男に近い高身長で手脚が長い若い男。手脚が長いから数人がかりで抱き上げないとモツレルのだ。解くのが手間です。
「愛してる、愛してるんだリミエネッタ!」
酔っ払ってるから恥も外聞も無い。大声で喚く。王宮なみに厳しい警護だと評価されているのに、何時も誰にも気付かれずの侵入。どうやってるのやら。
おまけに、この落とし物は無駄に目を惹く。ほら、侍女達が。
「今日の王太子様の寝顔、素敵。悩ましいわー!」
ああ、遅かったか。王太子は魅惑もちなのに、犠牲者が出そうだ。どうしたものかと、執事見習いは溜め息をつく。
ジュリエッタはオバケには逃げ腰なのに、王太子と知ると目を輝かせた。
「王太子なんだー?お知り合いになりたいのだー!(横島な気持ち)」
これは、やっぱり、お出ましをお願いしないと。ミリエネッタお嬢様は、王太子の婚約者でありますから。と、今朝も決意したのであった。
0
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる