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81-少年人魚の愛するということ※
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ずるずると引き抜いては、勢いよく挿し込んでくる。
「ああっ、ああっ、ああんっ」
あれだけ変な声を消してしまいたかったのに……気がつけば、舌先に吸いついていたキングを振り解いて大声をあげていた。
中を、奥を、掻き混ぜられるような感覚に、叫ばないずにはいられない。
「ベリル……ベリル、っ、すごい……」
「キングっ、ああんっ、やあ、だめっ、あ、あそこにっ……あたっ、てるっ」
指で弄られていたときから、中に一ヵ所、ひどく身体が反応してしまう場所があるということはわかっていた。
キングは、そこが僕の感じる場所だと教えてくれたけど……。
そこに触られるだけで、すぐにも精子が漏れそうになる。なのに、キングは出したらダメだと言って僕のソコを押さえてきて……僕にとっては、すごく困ってしまう場所だった。
「ああんっ、で、出ちゃうっ、出ちゃうからぁっ」
そんなに擦らないで、抉るみたいにしないで。じゃなければ、さっきみたいに僕のソコを押さえてて。
言葉になりきらない分は、視線で訴えた。でも、視線じゃ通じなかったらしい。
「いいよ、もっと感じて。もう出ちゃってもいいから」
そう言って、中を擦るのをやめてくれない。
じんじんと熱くなってるソコを、狙い澄ましたように、キングの先端が何度も掠めていく。
その鋭い刺激に、僕の腰がガクガクと変な揺れ方をしはじめた。
「約束しただろ? ベリルは俺に精子をかけてくれるんだよな?」
そうだった。お尻を弄られてるとき、いつの間にかそんな話になったんだ。
キングが僕の中に精子をくれると知って、もうほかの誰にもキングの精子をあげたくないと、僕がワガママをこぼしたら……。
『じゃあベリルは、俺以外の誰かに精子をかけるの禁止な』と言われて……。
そこまではよかったのに、どこから間違えたのか。
「いいか? 一緒にだぞ?」
気がついたらその話は、『身体の中と外とで、一緒に精子をかけ合おう』って話に姿を変えていた。
『一緒に』だなんて器用なことが、果たして僕にできるのか……ラボでのことを考えたらまったく自信はないのに……。
「俺がタイミングを合わせるから、出そうになったら言ってくれ」
「ふあっ、な、なんて、言えばっ」
揺さぶられながらもそう問い返した僕の耳元へ、キングが終わりの合図を吹き込んだ。
その言葉はダメだ。
合図にならない。
それと、それを耳元で囁くのもダメだ。
いま、こんなときは特に。
キングの囁きが引き金になって、下腹の奥からぐぐっと熱いなにかが膨らんでいく。その熱に心ごと押し上げられた身体が、高い高いところへと持ち上げられる。
キングを包んでいるそこも、これ以上ないくらいに内圧をあげて、逞しいキングの存在をまざまざと僕に伝えてきた。
もう泣きたくないはずなのに、キングが僕の中にいるんだと思うと、涙腺が勝手に緩んでいった。
「も、もうダメ……キング、キング…………あ、あいしてるっ」
「俺もだ、ベリルッ……愛してるっ」
これ以上高いところはないと思ったのに、圧し殺したようなキングの合図に煽られて、さらなる高みへと飛ばされた。
声もなく全身を震わせて仰け反る。
力強く押しつけてくるキングの腰に押し出されるようにして、僕の精子が噴きあがった。
同時に、中の、ずっと奥の方へ、びゅくびゅくとキングの精子をかけられる。
射精が終わっても、キングの腰の動きはとまらない。まるで、かけるだけじゃ足りないと、キングの精子が奥へ奥へと塗りつけられていく。
そのたびに甘い痺れがそこで生まれて、腰から指先へ向かってゆるゆると広がっていった。
塗りつけられたそこから、なにかがじわりと浸み込んでくるみたいだった。
きっとこの瞬間、僕はそこからキングのものに作り替えられたんだと思う。
たとえふたりのあいだに赤ちゃんは作れなくても、キングの精子をもらうことで、僕自身がキングに愛されるなにかになれたんだ。
潤んでいた瞳が決壊して、ついにぽろりと涙が零れた。
「ベリルっ……どうした?」
僕に体重をかけまいと両肘をついて身体を支えていたキングが、目の前で零れた僕の涙に慌てた様子だった。
でも、いまのこの気持ちをどう説明したらいいのかわからない。どんな言葉にのせたって、このままの想いは伝えきれない気がする。
悩んだ末に、僕はまったく別のことを口にした。
「キングに……あまりかけてあげられなかったなって」
え? と、ふたりのあいだを覗き込むキングの視線の先では、きっと僕の精子のほとんどが僕の腹の上にあると確認できただろう。
僕もキングに精子をかけて、キングを僕のものにしたかった……。
そんなことを考えていたら、突然笑い出したキングが僕をぎゅっと抱きしめて、
「じゃあ、もっと練習するか? 俺に精子をかける練習……」
と、僕の耳の中へ囁いた。
キングの声の艶っぽさにふるりと身体が揺れる。
僕は彼の瞳だけじゃなく、この声もかなりの度合いで好きらしい。そんないまさらなことに改めて気がつく。
ほかにも……気づいてしまった。
たとえ上手に精子をかけられなくても、こうして抱きしめてもらえばいいんだということに……。
キングのキスを受けながら、ついに僕のものになった逞しい身体を思う存分に抱きしめる。
そして、汗に濡れた背中をそっと撫でて、浴室では叶わなかった、その触り心地も確かめた。
これから先、僕はもっといろんなことを知るだろう。
キングのことも、僕のことも、ふたりのことも、そのほかのことも……。
こうやって、たくさんのことをこの先もずっと発見し続けるんだ。
それが、どれだけ素敵なことか……十日前の僕に教えてあげたい。きっと信じてもらえないだろうけど……まあ、それでもいいよ。
その少し先で出会う幸せは、きっとどこにも行かずに待っててくれる。『いまのままでいい』とキングが言ってくれるから、悩んで迷って、そのままおいで。
僕の首筋を滑りはじめたキングの唇に感じてしまって、目を閉じ軽く仰け反った。
その拍子に新しく零れたうれしい涙をそのままに、過去の自分たちに深く深く微笑みかける。
誰かに呼ばれた気がして、そっと目を開けると……そこには満天の星たちが静かに瞬いていた。
海か……それとも遠い夜空からか……『よかったね』と、やさしい響きの声が、小さな波の音に混ざって聞こえた気がした。
「ああっ、ああっ、ああんっ」
あれだけ変な声を消してしまいたかったのに……気がつけば、舌先に吸いついていたキングを振り解いて大声をあげていた。
中を、奥を、掻き混ぜられるような感覚に、叫ばないずにはいられない。
「ベリル……ベリル、っ、すごい……」
「キングっ、ああんっ、やあ、だめっ、あ、あそこにっ……あたっ、てるっ」
指で弄られていたときから、中に一ヵ所、ひどく身体が反応してしまう場所があるということはわかっていた。
キングは、そこが僕の感じる場所だと教えてくれたけど……。
そこに触られるだけで、すぐにも精子が漏れそうになる。なのに、キングは出したらダメだと言って僕のソコを押さえてきて……僕にとっては、すごく困ってしまう場所だった。
「ああんっ、で、出ちゃうっ、出ちゃうからぁっ」
そんなに擦らないで、抉るみたいにしないで。じゃなければ、さっきみたいに僕のソコを押さえてて。
言葉になりきらない分は、視線で訴えた。でも、視線じゃ通じなかったらしい。
「いいよ、もっと感じて。もう出ちゃってもいいから」
そう言って、中を擦るのをやめてくれない。
じんじんと熱くなってるソコを、狙い澄ましたように、キングの先端が何度も掠めていく。
その鋭い刺激に、僕の腰がガクガクと変な揺れ方をしはじめた。
「約束しただろ? ベリルは俺に精子をかけてくれるんだよな?」
そうだった。お尻を弄られてるとき、いつの間にかそんな話になったんだ。
キングが僕の中に精子をくれると知って、もうほかの誰にもキングの精子をあげたくないと、僕がワガママをこぼしたら……。
『じゃあベリルは、俺以外の誰かに精子をかけるの禁止な』と言われて……。
そこまではよかったのに、どこから間違えたのか。
「いいか? 一緒にだぞ?」
気がついたらその話は、『身体の中と外とで、一緒に精子をかけ合おう』って話に姿を変えていた。
『一緒に』だなんて器用なことが、果たして僕にできるのか……ラボでのことを考えたらまったく自信はないのに……。
「俺がタイミングを合わせるから、出そうになったら言ってくれ」
「ふあっ、な、なんて、言えばっ」
揺さぶられながらもそう問い返した僕の耳元へ、キングが終わりの合図を吹き込んだ。
その言葉はダメだ。
合図にならない。
それと、それを耳元で囁くのもダメだ。
いま、こんなときは特に。
キングの囁きが引き金になって、下腹の奥からぐぐっと熱いなにかが膨らんでいく。その熱に心ごと押し上げられた身体が、高い高いところへと持ち上げられる。
キングを包んでいるそこも、これ以上ないくらいに内圧をあげて、逞しいキングの存在をまざまざと僕に伝えてきた。
もう泣きたくないはずなのに、キングが僕の中にいるんだと思うと、涙腺が勝手に緩んでいった。
「も、もうダメ……キング、キング…………あ、あいしてるっ」
「俺もだ、ベリルッ……愛してるっ」
これ以上高いところはないと思ったのに、圧し殺したようなキングの合図に煽られて、さらなる高みへと飛ばされた。
声もなく全身を震わせて仰け反る。
力強く押しつけてくるキングの腰に押し出されるようにして、僕の精子が噴きあがった。
同時に、中の、ずっと奥の方へ、びゅくびゅくとキングの精子をかけられる。
射精が終わっても、キングの腰の動きはとまらない。まるで、かけるだけじゃ足りないと、キングの精子が奥へ奥へと塗りつけられていく。
そのたびに甘い痺れがそこで生まれて、腰から指先へ向かってゆるゆると広がっていった。
塗りつけられたそこから、なにかがじわりと浸み込んでくるみたいだった。
きっとこの瞬間、僕はそこからキングのものに作り替えられたんだと思う。
たとえふたりのあいだに赤ちゃんは作れなくても、キングの精子をもらうことで、僕自身がキングに愛されるなにかになれたんだ。
潤んでいた瞳が決壊して、ついにぽろりと涙が零れた。
「ベリルっ……どうした?」
僕に体重をかけまいと両肘をついて身体を支えていたキングが、目の前で零れた僕の涙に慌てた様子だった。
でも、いまのこの気持ちをどう説明したらいいのかわからない。どんな言葉にのせたって、このままの想いは伝えきれない気がする。
悩んだ末に、僕はまったく別のことを口にした。
「キングに……あまりかけてあげられなかったなって」
え? と、ふたりのあいだを覗き込むキングの視線の先では、きっと僕の精子のほとんどが僕の腹の上にあると確認できただろう。
僕もキングに精子をかけて、キングを僕のものにしたかった……。
そんなことを考えていたら、突然笑い出したキングが僕をぎゅっと抱きしめて、
「じゃあ、もっと練習するか? 俺に精子をかける練習……」
と、僕の耳の中へ囁いた。
キングの声の艶っぽさにふるりと身体が揺れる。
僕は彼の瞳だけじゃなく、この声もかなりの度合いで好きらしい。そんないまさらなことに改めて気がつく。
ほかにも……気づいてしまった。
たとえ上手に精子をかけられなくても、こうして抱きしめてもらえばいいんだということに……。
キングのキスを受けながら、ついに僕のものになった逞しい身体を思う存分に抱きしめる。
そして、汗に濡れた背中をそっと撫でて、浴室では叶わなかった、その触り心地も確かめた。
これから先、僕はもっといろんなことを知るだろう。
キングのことも、僕のことも、ふたりのことも、そのほかのことも……。
こうやって、たくさんのことをこの先もずっと発見し続けるんだ。
それが、どれだけ素敵なことか……十日前の僕に教えてあげたい。きっと信じてもらえないだろうけど……まあ、それでもいいよ。
その少し先で出会う幸せは、きっとどこにも行かずに待っててくれる。『いまのままでいい』とキングが言ってくれるから、悩んで迷って、そのままおいで。
僕の首筋を滑りはじめたキングの唇に感じてしまって、目を閉じ軽く仰け反った。
その拍子に新しく零れたうれしい涙をそのままに、過去の自分たちに深く深く微笑みかける。
誰かに呼ばれた気がして、そっと目を開けると……そこには満天の星たちが静かに瞬いていた。
海か……それとも遠い夜空からか……『よかったね』と、やさしい響きの声が、小さな波の音に混ざって聞こえた気がした。
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