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40-彼の大失態※
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驚かさないようにそっと触れたつもりだったが、ベリルの肩がビクリと揺れた。
俺の手に尻込みする身体を、背中に回していた腕で抱き留める。
ボトムの膨らみを撫で擦ってやると、そこはさらに存在感を増して、どうにかしてくれと訴えはじめた。
「あ、あ、キング……やめてやめて」
「怖くないよ。大丈夫」
可愛く震える制止の声に、屈んで見つけた小さな耳を齧りながら、心配ないと吹き込んでやる。
それにも感じてしまったのか、ベリルはふるふると首を振って、自分を撫で続ける俺の腕にきつく縋りついてきた。
「ああ、だめ……漏れちゃう。どうしよ……汚しちゃう」
「じゃあ、脱げばいい」
手早くベリルのボトムを寛げて、そこを解放してやると、ベリルを拾ったあの日に見た彼の美しいフォルムが、あの日とは形を変えて露わになった。
力ない彼も美しいと思ったけれど、漲っている彼は、なお美しい。
ハニーブロンドの薄い下生えから、色素の薄い真っ直ぐな刀身が健気に震えて、俺の手を待っていた。
迷いなく手の中に収めると、いつの間にかベッドの上に投げ出されていたベリルの膝がガクッと揺れた。
ベリルは、いまにも泣きだしそうな顔をして快感を堪えている。
もしかしたら、記憶がないだけでなく、経験もあまりないのかもしれない。
敏感な反応を返す身体が愛しくて堪らなかった。
必死で手繰り寄せた自分の髪に縋るようにしながらも、『だめだめ』と首を振るせいで、メアリーに整えてもらった髪型はもはや原型を留めていなかった。
自分の髪に縋るだけでは心許ないのか、俺の胸元にも震える手を伸ばしてくる。
すかさず抱き寄せてやると、ベリルの細い指先が俺のシャツをぎゅっと握り締めた。
多少動きにくくなったが、問題はない。
「あ、あ、はな、して……キングの、手が……」
俺の胸元から顔をあげ、必死になって訴えている。なんて可愛いんだろう。
「手なんて洗えば済むから、気にしないで」
そう囁いてやるのにどうしても気になるのか、ベリルが俺の手を外そうと躍起になっている。
でも、もう遅い。
すでに俺の手は彼の先走りに濡れて、くちゅくちゅと音を立てているんだから。
「おねがい……もう、もう」
迫りくる快感に顎をあげたベリルが、背中を震わせながら懇願する。
これ以上は耐えられないようだ。
もう少し触れていたかったけど、半泣きのベリルが可哀想になってきた。
「いいよ、出して……」
おでこにキスを落とし、抱き寄せた身体をさらに抱きしめながら、限界を迎えた彼をさらに追い上げる。
「ああっ、ああっん、んん────っ!」
細い声をあげながら仰け反るベリルは、想像以上に色っぽくて目が離せない。
ピンク色に染まった輝く頬……キツく寄せられた細い眉……。
震える金色の睫毛は、しっとりと濡れて光っていた。
どうやら溜まっていたらしく、ベリルは腰を戦慄かせながら何度かにわけて吹き上げた。
それは俺の服をしたたかに濡らしたが、こんなのは、あとでなんとでも処理できる。
そんなことよりも、ベリルがちゃんと達することができてよかった。
記憶はなくしていても、身体はちゃんと覚えていてくれたようだ。
やがて力を失くした細い身体が、俺の腕の中にずしりと収まる。
ベリルが愛しい。
この腕の重みが愛おしい。
俺の愛に応えてくれたこの彼を、一生大切にすると誓おう。
息を詰めていたベリルが、荒い呼吸を整えながら目をうっすらと開けた。
ぽーっとした表情はあどけなく、いかにも無防備で、このままむしゃぶりついてしまいたいほどに愛らしい。
「……キング? 僕……」
自分の身になにが起こったのか、ベリルは理解しているだろうか?
自分の勃起にも驚いていたし、もしかしたらわかっていないかも知れない。
説明してやる必要性を感じるが、はたして俺に性教育なんてできるのか?
なにから言えばいいかと悩みながら、俺が口を開こうとしたときだった。
ベリルはいきなり身体を捻って俺の腕から跳ね起き、ベッドに座り直すとひどく狼狽しはじめた。
「あ、あ……僕、なんてことを……どうしよう……ごめんなさい……」
俺の汚れたボトムを凝視しながら、ベリルは悲しげに顔を歪めた。
「大丈夫だよ。洗えばちゃんときれいになるから」
「ううん、ちがう。そうじゃなくて……いや、それもだけど……」
シャツの裾を引っ張り、緩んだボトムを押さえるベリルが、危なげな足取りでベッドをおりた。
そのまま必死で前を隠しつつも、じりじりと俺との距離をとっている。
急に、いったいどうしたんだろう。
ベリルの顔は、ひどいショックを受けたときのようにまったく血の気がない。
大きな瞳に涙まで浮かべて、いまにも泣きそうだ。
「ベリル、落ち着いて。大丈夫だよ。問題ないから」
「だめだよ……僕は……やっぱり僕は、キングのパートナーにはなれないんだ……」
ふるふると首を振りながら、そんなことを言い出したベリルは、ついに涙を零してしまった。
青白い頬の上を、涙が煌めきながらぽろぽろと転がっていく。
そのあまりの美しさに、一瞬我を忘れて見惚れてしまった。
いや、ちょっと待て……ベリルは、いま、なんて?
俺のパートナーになれない?
「え、ベリル? それ、どういう」
「本当にごめんなさいっ」
言葉の意味を問いただす間もなく、ベリルは身を翻した。
今度は俺が蒼白になる番だった。
ヤバい。マズイ。
ベリルをこのまま行かせちゃダメだ。
ベリルはきっと、なにか誤解をしてるんだ。
その誤解は、なんとしてでもいまここで解かなければ。
とにかくベリルを引き留めようと、すぐにあとを追いかける。
けれど、これでなかなか、ベリルは足が速くて俊敏だ。
いろんな機材やテーブルを身軽に避けて、あっという間にラボの入り口を抜けてしまう。
ベリルが消えた次の瞬間、入り口の向こうで、「きゃっ」と高く短い悲鳴が上がった。
続いて「ごめん、メアリー」とベリルの涙声が聞こえる。
げ、メアリー……?
思わず足が止まりそうになったが、ベリルを放っておくわけにはいかない。
とにかくラボの入り口を抜けようと足を踏み出すと、その向こうから現れたメアリーにドンと強く肩を突かれ、ラボの中へと押し戻された。
「ちょっと、キング! あんた、ベリルになにしたのよっ!」
メアリーもすれ違いざまにベリルの涙を見たのだろう。
ベリルは髪も乱れ放題だった。ただごとじゃないと感じたに違いない。
少し釣りぎみの目をさらに怒らせて、怒気をはらんだ声で俺を問い詰めるメアリーは、ラボの入り口に仁王立ちになっている。
俺をベリルの元へ行かせてくれる気は、さらさらないようだ。
当然だな。俺がメアリーでも怒るところだ。
あのかわいいベリルを泣かせるなんて……。
「ちょっと……やだ。なんなのよ、それ」
ベリルの泣き顔を思い出して萎れる俺を、メアリーが嫌そうに顔をしかめて指差した。
なにを指差しているかは、わざわざ聞き返さなくてもわかってる。濡れた俺のボトムだろう。
言い逃れはできないと、覚悟を決める。
そのあと、たまたま仕事の正式依頼をしにきたというメアリーに、夜が更けるまで懇々と説教されてしまった俺だった。
俺の手に尻込みする身体を、背中に回していた腕で抱き留める。
ボトムの膨らみを撫で擦ってやると、そこはさらに存在感を増して、どうにかしてくれと訴えはじめた。
「あ、あ、キング……やめてやめて」
「怖くないよ。大丈夫」
可愛く震える制止の声に、屈んで見つけた小さな耳を齧りながら、心配ないと吹き込んでやる。
それにも感じてしまったのか、ベリルはふるふると首を振って、自分を撫で続ける俺の腕にきつく縋りついてきた。
「ああ、だめ……漏れちゃう。どうしよ……汚しちゃう」
「じゃあ、脱げばいい」
手早くベリルのボトムを寛げて、そこを解放してやると、ベリルを拾ったあの日に見た彼の美しいフォルムが、あの日とは形を変えて露わになった。
力ない彼も美しいと思ったけれど、漲っている彼は、なお美しい。
ハニーブロンドの薄い下生えから、色素の薄い真っ直ぐな刀身が健気に震えて、俺の手を待っていた。
迷いなく手の中に収めると、いつの間にかベッドの上に投げ出されていたベリルの膝がガクッと揺れた。
ベリルは、いまにも泣きだしそうな顔をして快感を堪えている。
もしかしたら、記憶がないだけでなく、経験もあまりないのかもしれない。
敏感な反応を返す身体が愛しくて堪らなかった。
必死で手繰り寄せた自分の髪に縋るようにしながらも、『だめだめ』と首を振るせいで、メアリーに整えてもらった髪型はもはや原型を留めていなかった。
自分の髪に縋るだけでは心許ないのか、俺の胸元にも震える手を伸ばしてくる。
すかさず抱き寄せてやると、ベリルの細い指先が俺のシャツをぎゅっと握り締めた。
多少動きにくくなったが、問題はない。
「あ、あ、はな、して……キングの、手が……」
俺の胸元から顔をあげ、必死になって訴えている。なんて可愛いんだろう。
「手なんて洗えば済むから、気にしないで」
そう囁いてやるのにどうしても気になるのか、ベリルが俺の手を外そうと躍起になっている。
でも、もう遅い。
すでに俺の手は彼の先走りに濡れて、くちゅくちゅと音を立てているんだから。
「おねがい……もう、もう」
迫りくる快感に顎をあげたベリルが、背中を震わせながら懇願する。
これ以上は耐えられないようだ。
もう少し触れていたかったけど、半泣きのベリルが可哀想になってきた。
「いいよ、出して……」
おでこにキスを落とし、抱き寄せた身体をさらに抱きしめながら、限界を迎えた彼をさらに追い上げる。
「ああっ、ああっん、んん────っ!」
細い声をあげながら仰け反るベリルは、想像以上に色っぽくて目が離せない。
ピンク色に染まった輝く頬……キツく寄せられた細い眉……。
震える金色の睫毛は、しっとりと濡れて光っていた。
どうやら溜まっていたらしく、ベリルは腰を戦慄かせながら何度かにわけて吹き上げた。
それは俺の服をしたたかに濡らしたが、こんなのは、あとでなんとでも処理できる。
そんなことよりも、ベリルがちゃんと達することができてよかった。
記憶はなくしていても、身体はちゃんと覚えていてくれたようだ。
やがて力を失くした細い身体が、俺の腕の中にずしりと収まる。
ベリルが愛しい。
この腕の重みが愛おしい。
俺の愛に応えてくれたこの彼を、一生大切にすると誓おう。
息を詰めていたベリルが、荒い呼吸を整えながら目をうっすらと開けた。
ぽーっとした表情はあどけなく、いかにも無防備で、このままむしゃぶりついてしまいたいほどに愛らしい。
「……キング? 僕……」
自分の身になにが起こったのか、ベリルは理解しているだろうか?
自分の勃起にも驚いていたし、もしかしたらわかっていないかも知れない。
説明してやる必要性を感じるが、はたして俺に性教育なんてできるのか?
なにから言えばいいかと悩みながら、俺が口を開こうとしたときだった。
ベリルはいきなり身体を捻って俺の腕から跳ね起き、ベッドに座り直すとひどく狼狽しはじめた。
「あ、あ……僕、なんてことを……どうしよう……ごめんなさい……」
俺の汚れたボトムを凝視しながら、ベリルは悲しげに顔を歪めた。
「大丈夫だよ。洗えばちゃんときれいになるから」
「ううん、ちがう。そうじゃなくて……いや、それもだけど……」
シャツの裾を引っ張り、緩んだボトムを押さえるベリルが、危なげな足取りでベッドをおりた。
そのまま必死で前を隠しつつも、じりじりと俺との距離をとっている。
急に、いったいどうしたんだろう。
ベリルの顔は、ひどいショックを受けたときのようにまったく血の気がない。
大きな瞳に涙まで浮かべて、いまにも泣きそうだ。
「ベリル、落ち着いて。大丈夫だよ。問題ないから」
「だめだよ……僕は……やっぱり僕は、キングのパートナーにはなれないんだ……」
ふるふると首を振りながら、そんなことを言い出したベリルは、ついに涙を零してしまった。
青白い頬の上を、涙が煌めきながらぽろぽろと転がっていく。
そのあまりの美しさに、一瞬我を忘れて見惚れてしまった。
いや、ちょっと待て……ベリルは、いま、なんて?
俺のパートナーになれない?
「え、ベリル? それ、どういう」
「本当にごめんなさいっ」
言葉の意味を問いただす間もなく、ベリルは身を翻した。
今度は俺が蒼白になる番だった。
ヤバい。マズイ。
ベリルをこのまま行かせちゃダメだ。
ベリルはきっと、なにか誤解をしてるんだ。
その誤解は、なんとしてでもいまここで解かなければ。
とにかくベリルを引き留めようと、すぐにあとを追いかける。
けれど、これでなかなか、ベリルは足が速くて俊敏だ。
いろんな機材やテーブルを身軽に避けて、あっという間にラボの入り口を抜けてしまう。
ベリルが消えた次の瞬間、入り口の向こうで、「きゃっ」と高く短い悲鳴が上がった。
続いて「ごめん、メアリー」とベリルの涙声が聞こえる。
げ、メアリー……?
思わず足が止まりそうになったが、ベリルを放っておくわけにはいかない。
とにかくラボの入り口を抜けようと足を踏み出すと、その向こうから現れたメアリーにドンと強く肩を突かれ、ラボの中へと押し戻された。
「ちょっと、キング! あんた、ベリルになにしたのよっ!」
メアリーもすれ違いざまにベリルの涙を見たのだろう。
ベリルは髪も乱れ放題だった。ただごとじゃないと感じたに違いない。
少し釣りぎみの目をさらに怒らせて、怒気をはらんだ声で俺を問い詰めるメアリーは、ラボの入り口に仁王立ちになっている。
俺をベリルの元へ行かせてくれる気は、さらさらないようだ。
当然だな。俺がメアリーでも怒るところだ。
あのかわいいベリルを泣かせるなんて……。
「ちょっと……やだ。なんなのよ、それ」
ベリルの泣き顔を思い出して萎れる俺を、メアリーが嫌そうに顔をしかめて指差した。
なにを指差しているかは、わざわざ聞き返さなくてもわかってる。濡れた俺のボトムだろう。
言い逃れはできないと、覚悟を決める。
そのあと、たまたま仕事の正式依頼をしにきたというメアリーに、夜が更けるまで懇々と説教されてしまった俺だった。
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