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insider
第一話(4)同居中の姑にいびられ悩める女 *
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熱いシャワーを浴びながら玲子は考える。
――引き返すならいまのうちよ。彼が、シャワー浴びてるあいだに、彼の所持品全部奪って逃げるの。
それで、終わりで、いい。
指定されたガウンを着て出ると、ベッドに座って友哉が待っていた。
なんの感情も宿さぬ透明な瞳。
この男は、いったい、何人の女を導いてきたのか――。
「じゃあ、次は、ぼくの番だね。浴びてくる」
友哉が消えた間、疑問がぐるぐる彼女のなかを渦巻く。――いったい、何故、友哉はこんなことをするのか。
料金は、宿泊代プラス五千円。
五千円ぽっちで愛を売る男――。
自分が男だったら出来るだろうか? いや、分からない。
五分程度で友哉は戻った。玲子の表情を見、
「……緊張してるね。でも、大丈夫。最初はみんなそうだから。
もし、無理だと思ったらそのときは、言ってくれて構わない。落ち着くのを待つか、辞めるかきみが決めるんだ。玲子」
「分かった」
ベッドのうえで、お腹を下にして寝そべるよう要求され、友哉から丁寧なマッサージを受ける。
終わりに差し掛かる頃には、身も心も蕩けるような感覚を彼女は味わっていた。
驚いたことに――濡れている。
その変化は、当然、友哉にも伝わったようで――。
「……玲子さん、自分が知らないだけで、すごく感じやすい女の子なんだよ。知ってた?」
あそこが滝のようにびちょびちょだ。背後から胸を揉まれ、小さく玲子は喘いだ。「や……あっ」
「前戯はこれで終了」いよいよ友哉が玲子のガウンに手をかける。「さーて。お楽しみの時間だよ玲子」
こんなに異性に肌を貪られることなど、一生に一度、あるかないかではないか。
つんと立った胸の頂きをきつく吸われ、玲子は、友哉の小さな頭を抱き締めた。
「ああ……友哉ぁ。すごく、いい……」
「もうちょっと舐められたい? それとも――挿れて欲しい?」
上目遣いで言われ、玲子は、
「舐められたい。でも、挿れて欲しい……」
「欲張りだなあ、玲子は」笑って友哉は玲子の髪を撫で、「よし分かった。『両方』だね。任しとけ」
潤滑剤の用意もあるようだが、その必要などない。玲子の内部は、友哉の手腕で、すっかり潤っている。いままでにないくらいに。
手際よく装着すると、友哉は玲子の膝を開き、
「――挿れるよ」
「――あ、ん――んんっ!」
「ちょっと固いねえ。玲子ちゃん、オナニーしてる? 気持ちのいいセックスをしたいんならオナニー、必須だよ?」
痛みを和らげるためだろう。友哉は玲子の胸を貪り、
「じれじれやるとかえってきついから一気に行くよ。――玲子」
細い、秘めた穴に男の太い肉欲が入り込んでくる。その威力に玲子は慄いた。「ひあ! あん! あぁん……友哉ぁ!」
――痛い。
痛い痛い痛い。けども、なんだろう。
あるべきところにそれが収まる感覚。自分の内部が、急速に満たされていく。
気が付けば、玲子は、涙を流していた。
ずっと、欲しくてたまらなかったものを、見ず知らずの男が提供してくれるという現実に。
「入ったよ。玲子ちゃん……」
キスは、しないという約束だ。その代わりであろうか、いいや、玲子の要望に応えてであろう、友哉が、じゅるじゅると玲子の胸の頂きを貪る。
びく、びく、びく、と、自分の細い膣が友哉のペニスを締めつける感覚。
「かるく、いっちゃった? 玲子?」
友哉が、その玲子の変化を見逃すはずがなく。髪を撫でて、指摘される有り様だ。
愛する男にくし刺しにされる享楽。その只中で、玲子はふるえ、涙した。
「……ああん、もう、駄目、駄目、ぇっ……友哉ぁ――んっ」
ばちばちと激しい情交が繰り広げられる。友哉は様々なオプションを提示したが、大方の女性が選ぶ通り、激しく求められるルートを玲子は選択した。
「またいったね、玲子ちゃん」汗ばんだ玲子の首筋を舐めあげ、「びく、びく、びく、ってしてるの分かる? 気持ちいい? 気持ちよかったよね玲子ちゃん。
でも、ぼくは意地悪だから。
玲子ちゃんのこと、もっともっと追いつめちゃう。
――覚悟しな」
「待って。待って、友哉、ああん! ああん!」
――脳が喉が馬鹿になったみたいだ。
感覚も享楽も嬌声も、止まらない。
激しいセックスという愛の渦のなかで溺れ、玲子はこのいっとき、柏木玲子でも何者でもない、ただひとつの魂と化す。
セックスとは、魂と魂が触れ合う、作業だ。
大方の人間がその意義も意味も知らずに死んでいく――が、その意味を教えてくれた友哉に、玲子は感謝の念を抱いている。
立て続けに十度導かれ、もう充分だと、玲子は、思った。
しっかりと抱き締めてくれ、玲子の余波を味わってくれる友哉の誠意が胸に、染みた。
そして玲子は決意した。
あの日常に戻ろう――と。
*
――引き返すならいまのうちよ。彼が、シャワー浴びてるあいだに、彼の所持品全部奪って逃げるの。
それで、終わりで、いい。
指定されたガウンを着て出ると、ベッドに座って友哉が待っていた。
なんの感情も宿さぬ透明な瞳。
この男は、いったい、何人の女を導いてきたのか――。
「じゃあ、次は、ぼくの番だね。浴びてくる」
友哉が消えた間、疑問がぐるぐる彼女のなかを渦巻く。――いったい、何故、友哉はこんなことをするのか。
料金は、宿泊代プラス五千円。
五千円ぽっちで愛を売る男――。
自分が男だったら出来るだろうか? いや、分からない。
五分程度で友哉は戻った。玲子の表情を見、
「……緊張してるね。でも、大丈夫。最初はみんなそうだから。
もし、無理だと思ったらそのときは、言ってくれて構わない。落ち着くのを待つか、辞めるかきみが決めるんだ。玲子」
「分かった」
ベッドのうえで、お腹を下にして寝そべるよう要求され、友哉から丁寧なマッサージを受ける。
終わりに差し掛かる頃には、身も心も蕩けるような感覚を彼女は味わっていた。
驚いたことに――濡れている。
その変化は、当然、友哉にも伝わったようで――。
「……玲子さん、自分が知らないだけで、すごく感じやすい女の子なんだよ。知ってた?」
あそこが滝のようにびちょびちょだ。背後から胸を揉まれ、小さく玲子は喘いだ。「や……あっ」
「前戯はこれで終了」いよいよ友哉が玲子のガウンに手をかける。「さーて。お楽しみの時間だよ玲子」
こんなに異性に肌を貪られることなど、一生に一度、あるかないかではないか。
つんと立った胸の頂きをきつく吸われ、玲子は、友哉の小さな頭を抱き締めた。
「ああ……友哉ぁ。すごく、いい……」
「もうちょっと舐められたい? それとも――挿れて欲しい?」
上目遣いで言われ、玲子は、
「舐められたい。でも、挿れて欲しい……」
「欲張りだなあ、玲子は」笑って友哉は玲子の髪を撫で、「よし分かった。『両方』だね。任しとけ」
潤滑剤の用意もあるようだが、その必要などない。玲子の内部は、友哉の手腕で、すっかり潤っている。いままでにないくらいに。
手際よく装着すると、友哉は玲子の膝を開き、
「――挿れるよ」
「――あ、ん――んんっ!」
「ちょっと固いねえ。玲子ちゃん、オナニーしてる? 気持ちのいいセックスをしたいんならオナニー、必須だよ?」
痛みを和らげるためだろう。友哉は玲子の胸を貪り、
「じれじれやるとかえってきついから一気に行くよ。――玲子」
細い、秘めた穴に男の太い肉欲が入り込んでくる。その威力に玲子は慄いた。「ひあ! あん! あぁん……友哉ぁ!」
――痛い。
痛い痛い痛い。けども、なんだろう。
あるべきところにそれが収まる感覚。自分の内部が、急速に満たされていく。
気が付けば、玲子は、涙を流していた。
ずっと、欲しくてたまらなかったものを、見ず知らずの男が提供してくれるという現実に。
「入ったよ。玲子ちゃん……」
キスは、しないという約束だ。その代わりであろうか、いいや、玲子の要望に応えてであろう、友哉が、じゅるじゅると玲子の胸の頂きを貪る。
びく、びく、びく、と、自分の細い膣が友哉のペニスを締めつける感覚。
「かるく、いっちゃった? 玲子?」
友哉が、その玲子の変化を見逃すはずがなく。髪を撫でて、指摘される有り様だ。
愛する男にくし刺しにされる享楽。その只中で、玲子はふるえ、涙した。
「……ああん、もう、駄目、駄目、ぇっ……友哉ぁ――んっ」
ばちばちと激しい情交が繰り広げられる。友哉は様々なオプションを提示したが、大方の女性が選ぶ通り、激しく求められるルートを玲子は選択した。
「またいったね、玲子ちゃん」汗ばんだ玲子の首筋を舐めあげ、「びく、びく、びく、ってしてるの分かる? 気持ちいい? 気持ちよかったよね玲子ちゃん。
でも、ぼくは意地悪だから。
玲子ちゃんのこと、もっともっと追いつめちゃう。
――覚悟しな」
「待って。待って、友哉、ああん! ああん!」
――脳が喉が馬鹿になったみたいだ。
感覚も享楽も嬌声も、止まらない。
激しいセックスという愛の渦のなかで溺れ、玲子はこのいっとき、柏木玲子でも何者でもない、ただひとつの魂と化す。
セックスとは、魂と魂が触れ合う、作業だ。
大方の人間がその意義も意味も知らずに死んでいく――が、その意味を教えてくれた友哉に、玲子は感謝の念を抱いている。
立て続けに十度導かれ、もう充分だと、玲子は、思った。
しっかりと抱き締めてくれ、玲子の余波を味わってくれる友哉の誠意が胸に、染みた。
そして玲子は決意した。
あの日常に戻ろう――と。
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