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番外編4 至上の幸せ――多感な莉子SIDE
#EX04-06.究極の絶頂 *
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部屋に入るなり噛みつくようなキスを与えた。……課長の舌はいつも正確無比に動く。わたしの感じるところを探りやしまいとせんと……。
「……課長。もう立てません……」
しがみつくわたしのからだを支えると、姫抱きにし、あっという間にベッドへと運んでいく。
絡みつく……こころと精神。課長のたゆまないリズムが、わたしを、天国へと導いていく。
「あの……課長。実はわたし……」
わたしが彼の硬い胸を押すと、彼はわたしの頬に吸い付き、「なぁに? なんだって言いな……」
「りょ、……両方を愛しこんで欲しくて」
「……本気で?」
「うん。実はずっと……して欲しくって」
最後に、いや、初めてあれをされたのは去年の九月の連休だった。あれ以来、満たされるものの、一方でくすぶる炎をわたしは持て余している。暴力的にまで溺れた、あの衝動を。
「なぁんだよ莉子ちゃーん」課長は破顔するとわたしの髪を撫で、「そうなんだ。言ってくれればよかったのに。おれてっきり、莉子ちゃんが引いてるんじゃないかと……」
いやむしろ全然。気持ちよさすぎて蕩けそうで……病みつきになっちゃいそうなんですけど。
「分かった。じゃあ、するね。莉子ちゃん。脱ごうか……」
「はい……」課長とからだを重ねるなんていつものことなのに。いつまで経っても初めてのようなときめきを覚えてしまう。――そう、初めて課長に愛されたあのときのような。
脱がされ、舐められると、中枢を刺されたように背筋にあわい、あわい電流が流れ出す。声が――想いが、止まらない。
「ああ……やぁ……っ、……課長っ……」
「莉子ちゃんの肌、すべすべー。気持ちがいい」
「あっ……やっ……そんな……っ」ほっぺたで。課長のすべらかな頬で、そんなところをくりくりされてしまっては。
「感じやすい莉子ちゃんがおれは大好きだな。……ね。舐めさせて。いっぱい舐めさせて……莉子ちゃんのこと」
そうやって課長はいつもわたしのことを骨抜きにする。課長以外なにも見えなくなる。考えられなくなる、性の、ケダモノへと作り替えるのだ。
* * *
「ああ……いや、ああ……っ、ああ……っ」
課長の指がわたしのなかに入ってくる。それだけでどうしようもなく感じる。高みへと導かれる。
「ふふ……莉子ちゃんのおまんこ、ぎゅうぎゅう言ってる……。
たまんないなぁ。おれ……莉子ちゃんのなかに、入りたい……」
「いいよ」と言ってわたしは尻を突き出す。「わたしのこと……めちゃくちゃにして」
* * *
なんという圧迫感。胃の底まで課長のペニスが入り込んでいるかのようだ。苦しい。けど……
「幸せ……」
わたしはそれを口にした。自分の胸に訪れる素直な感情を。
「じゃあ、おれ……動くね」と課長。「激しいのとマイルドなのとどっちがいい? 莉子のことだからどっちかは……見当がついているけれど」
「わたし……わたしは……、ああ……っ」
「莉子ちゃんのここ、やわらかい」ぐいぐい、と押し込む課長は、「駄目だ……止まらない。ごめんね。激しく……させて」
あの日訪れた以上の享楽がわたしを襲う。涙で……目の前が滲んで。ひかる世界のなかであなたは笑っている。わたしのなかを自由に貪るあなたが。
あなたとあなたがわたしのなかでぶつかりあい、わたしという人間を、官能という器に作り替える。ただ、泣いて……喘いで。乱れて。本能の渦の中で溺れるわたしをあなたはただ見守っている。わたしのなかの、一番近い場所で。
あなたが、わたしのなかに射精すると、その精液を通して、わたしのなかに、あなたの愛が広がっていく気がするの。だから、……セックスが好き。
味わったことのない、オーガズムの真ん中で、わたしは……あなたの与える快楽に酔いしれた。あなたが……わたしの一番深いところにいるのを感じながら。他の誰にも許さない場所を占めるのを感じながら。
* * *
「激しいいき方をするよね莉子って」
課長の言葉に、飲みかけたミネラルウォーターをわたしは噴き出した。タオルを持ってきて拭いてくれる課長は、大丈夫? と言うけれど。
「え……や、……どうだろう。他の人のセックスを見たことがないから……分かりません」
「えっちな動画とか全然見ないの?」
「見ないです。……その必要がありませんから」
「そうだね」と、わたしの隣に座る課長は微笑み、「こういう場所だから見たいなら見放題なんだけれど、いっそ、アダルトビデオバージン。それを貫くのも、手かもしれないね……。
ねえ。莉子」
「……なんですか」
「おれ、莉子の全部が好きだよ。なにもかもが。
考えがちで、頭でっかちなところも。どこかクールなところも。自分のことはそうでもないのに、他人のために一生懸命になるところも。うん。好きだよ……」
「課長……」
似た者同士、と彼は言った。そうなのかもしれない。孤独にふるえる魂が寄り添い、こうやってときを待っている。互いの想いが満ち溢れるときを。――きらめく世界の真ん中で、あなたは花のように笑う。笑って手を広げ、わたしのすべてを受け止めてくれる。こんな素晴らしいひとに出会えたこと自体が、奇跡なのだろう。
わたしは、課長に、抱きついた。そのぬくもりを感じるだけで……満たされていた。
*
「……課長。もう立てません……」
しがみつくわたしのからだを支えると、姫抱きにし、あっという間にベッドへと運んでいく。
絡みつく……こころと精神。課長のたゆまないリズムが、わたしを、天国へと導いていく。
「あの……課長。実はわたし……」
わたしが彼の硬い胸を押すと、彼はわたしの頬に吸い付き、「なぁに? なんだって言いな……」
「りょ、……両方を愛しこんで欲しくて」
「……本気で?」
「うん。実はずっと……して欲しくって」
最後に、いや、初めてあれをされたのは去年の九月の連休だった。あれ以来、満たされるものの、一方でくすぶる炎をわたしは持て余している。暴力的にまで溺れた、あの衝動を。
「なぁんだよ莉子ちゃーん」課長は破顔するとわたしの髪を撫で、「そうなんだ。言ってくれればよかったのに。おれてっきり、莉子ちゃんが引いてるんじゃないかと……」
いやむしろ全然。気持ちよさすぎて蕩けそうで……病みつきになっちゃいそうなんですけど。
「分かった。じゃあ、するね。莉子ちゃん。脱ごうか……」
「はい……」課長とからだを重ねるなんていつものことなのに。いつまで経っても初めてのようなときめきを覚えてしまう。――そう、初めて課長に愛されたあのときのような。
脱がされ、舐められると、中枢を刺されたように背筋にあわい、あわい電流が流れ出す。声が――想いが、止まらない。
「ああ……やぁ……っ、……課長っ……」
「莉子ちゃんの肌、すべすべー。気持ちがいい」
「あっ……やっ……そんな……っ」ほっぺたで。課長のすべらかな頬で、そんなところをくりくりされてしまっては。
「感じやすい莉子ちゃんがおれは大好きだな。……ね。舐めさせて。いっぱい舐めさせて……莉子ちゃんのこと」
そうやって課長はいつもわたしのことを骨抜きにする。課長以外なにも見えなくなる。考えられなくなる、性の、ケダモノへと作り替えるのだ。
* * *
「ああ……いや、ああ……っ、ああ……っ」
課長の指がわたしのなかに入ってくる。それだけでどうしようもなく感じる。高みへと導かれる。
「ふふ……莉子ちゃんのおまんこ、ぎゅうぎゅう言ってる……。
たまんないなぁ。おれ……莉子ちゃんのなかに、入りたい……」
「いいよ」と言ってわたしは尻を突き出す。「わたしのこと……めちゃくちゃにして」
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なんという圧迫感。胃の底まで課長のペニスが入り込んでいるかのようだ。苦しい。けど……
「幸せ……」
わたしはそれを口にした。自分の胸に訪れる素直な感情を。
「じゃあ、おれ……動くね」と課長。「激しいのとマイルドなのとどっちがいい? 莉子のことだからどっちかは……見当がついているけれど」
「わたし……わたしは……、ああ……っ」
「莉子ちゃんのここ、やわらかい」ぐいぐい、と押し込む課長は、「駄目だ……止まらない。ごめんね。激しく……させて」
あの日訪れた以上の享楽がわたしを襲う。涙で……目の前が滲んで。ひかる世界のなかであなたは笑っている。わたしのなかを自由に貪るあなたが。
あなたとあなたがわたしのなかでぶつかりあい、わたしという人間を、官能という器に作り替える。ただ、泣いて……喘いで。乱れて。本能の渦の中で溺れるわたしをあなたはただ見守っている。わたしのなかの、一番近い場所で。
あなたが、わたしのなかに射精すると、その精液を通して、わたしのなかに、あなたの愛が広がっていく気がするの。だから、……セックスが好き。
味わったことのない、オーガズムの真ん中で、わたしは……あなたの与える快楽に酔いしれた。あなたが……わたしの一番深いところにいるのを感じながら。他の誰にも許さない場所を占めるのを感じながら。
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「激しいいき方をするよね莉子って」
課長の言葉に、飲みかけたミネラルウォーターをわたしは噴き出した。タオルを持ってきて拭いてくれる課長は、大丈夫? と言うけれど。
「え……や、……どうだろう。他の人のセックスを見たことがないから……分かりません」
「えっちな動画とか全然見ないの?」
「見ないです。……その必要がありませんから」
「そうだね」と、わたしの隣に座る課長は微笑み、「こういう場所だから見たいなら見放題なんだけれど、いっそ、アダルトビデオバージン。それを貫くのも、手かもしれないね……。
ねえ。莉子」
「……なんですか」
「おれ、莉子の全部が好きだよ。なにもかもが。
考えがちで、頭でっかちなところも。どこかクールなところも。自分のことはそうでもないのに、他人のために一生懸命になるところも。うん。好きだよ……」
「課長……」
似た者同士、と彼は言った。そうなのかもしれない。孤独にふるえる魂が寄り添い、こうやってときを待っている。互いの想いが満ち溢れるときを。――きらめく世界の真ん中で、あなたは花のように笑う。笑って手を広げ、わたしのすべてを受け止めてくれる。こんな素晴らしいひとに出会えたこと自体が、奇跡なのだろう。
わたしは、課長に、抱きついた。そのぬくもりを感じるだけで……満たされていた。
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