昨日、課長に抱かれました

美凪ましろ

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番外編3 「直後」のふたり――敏感な莉子SIDE

#EX03-24.新しいひずみ

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 髪は、顎らへんまでばっさり切った。お別れをしたちょうど一ヶ月後に、初めて行く美容室で。重森さんのことが恋しかったけれど、仕方あるまい。

 服は――課長がプレゼントしてくれたものを大切に着ている。それから、合う洋服も何着か買った。バッグも新調してメイクも……新しい洋服が引き立つ、ビビッドな色合いも楽しんでいる。

 中野さんの評価も概ね好評だ。なお、中野さんはめでたく妊娠した。

『そんなつもりなかったんだけど……せっかく授かった命だから』

 趣味である飲み歩きを出来ないのがストレスだと語っていた。悪阻で、3kgも痩せてしまったらしい。

 中野さんのしていた仕事をそのまま引き継ぐことになり、ヘルプとして派遣さんがひとり入ることになった。採用はこれからだが、いいひとが入って欲しいなと願っている。

 季節は瞬く間に流れていく。人々の想いを置き去りにして。――こうしてタイピングをしている間も、残酷なまでに時は流れていく。止まるということを知らない。

 時々――いや、かなり、課長のことを考える。わたしのほうは、課長との交際をオープンにしてから色々と変化を遂げたわけだが……課長のほうといえば。

 前以上、交際したての頃未満。なんとなく……わたしとの交際を明らかにした辺りは、会社の人間の前でも打ち解けた表情を見せていたのに、別れて以来、それが、戻ってしまったような。……ジョークを言うこともあるけれど、会話を自分から打ち切る節も見られる。意図的に皆と距離を置いているのは明らかだ。

 なにも出来ないことが、もどかしい……。だいたいわたしといえば、誰かの面倒を見るどころか、

「桐島さん。午後一の会議の資料、出来てる?」

「あ、いえ、まだ……」他の作業が手間取っていてなかなか思うように行かない。課長に声をかけられどきりとはするが、それを顔に出さないように、努力する。「すみません。あと三十分ほどで出来ます……終わったら印刷してお渡ししますので」

「ああ。すまないな」

 そうして課長は席に戻っていく。……心臓がばくばく言っている。わたしたちが別れたことは、いまのところ公にはなっていないはずだが……尤も、聡い中野さん辺りは勘付いている節があるが。一緒に出社しないのはどうして、と聞かれて、時間をずらしているんです、と曖昧に誤魔化した。……中野さんにそんな言い訳が通用するとは思えないが。

 雑念を振り払い、資料を作ることに集中する。ニ十分ほどで、無事、作業は完了した。終わったことへの高揚感と、いつもほどの実力を出せないことへのむなしさ……おかしいな。わたし、こんなに仕事出来ない子だっけ?

 課長はいつも通りクールな顔で、資料を受け取る。「ありがとな。桐島さん……」

 その目が、わたしを、虜にして離さない。お願い課長……前のような、笑顔を、見せて。

 可笑しくてたまらない。わたしのことが愛おしくてたまらない。恋情を――想いを、迸らせるそのさまを見せて。

「桐島さん?」突っ立ったままのわたしに声をかける課長は、「……大丈夫?」

 ちっとも大丈夫じゃないけれど、笑顔を作ってわたしは答えた。「大丈夫です」

 * * *

 情緒不安定。恋をすると、いつもよりも情動が豊かになるというけれど、失恋など、もっとだ。

 昼休みになるまで涙を堪えるのが大変だった。社会人は――勤務中は然るべき仮面をつけなければならない。絶対に剥がれることのない、鉄の仮面を。

 トイレで泣きじゃくったわたしは、洗面台の前に立つ。……あーあ。ひどい顔。課長の元を離れると決めたのに。課長にはわたしなんかよりももっとふさわしいひとがいるに違いないから、譲ると決めたのに……。わたしのこころはブレブレだ。どうしても……課長を前にすると、こころが、揺さぶられる。

 感じたことのないときめきを、この胸が味わうのだ。――あの、真摯な眼差しに囚われると……。

 結局わたし、なんにも成長していないな。仕事も……以前は100のことを頼まれたら、120にして返すことが出来たのに、いまは、90を出すのがやっと。こんなわたしを気遣ってか、経営企画課の他のメンバーにも仕事が割り振られる有り様で……自分の不出来さが呪わしい。

 やれやれ。ペシミスティックモード、オフ! 頬をぱちんと叩いて、自分に喝を入れ、女子トイレを出たところで――前方をろくに見ずに歩いていたので、誰かとぶつかった。固い胸の感触からして――男だ。

 でも、わたしは、課長の感触や匂い以外受け付けない体質になってしまった。出会い頭に異性とぶつかる、夢のようなシチュエーションであっても、わたしの胸がときめくことはない。

「ごめん。大丈夫だった?」

 わたしは顔をあげた。それにしてもなんで背中に手が回されているのか。おかしいじゃないか。わたしは彼の胸を押し――

「大丈夫ですけど。……離してくださいませんか?」

「あっ悪い悪い」とは言うものの、本当に悪いとは思っていない。――彼は、海外営業部のエース。広河(ひろかわ)さん。英語が堪能で、偏差値がチョモランマの頂点にあると言われる、某外大を出ている、仕事の出来る男。「やー近くで見ると本当に桐島ちゃんって可愛いと思ってね」

 こういう、お世辞をさらさらと言えるところが、苦手なのだ。わたし、やっぱり、課長がいい。課長以外の男なんか眼中にない。好きになれない。

 わたしは、頭を下げて、通り抜けようとしたのだが――

「桐島ちゃん。……三田課長と別れたんでしょう?」

 何故、それを。

 振り返るわたしを見て、広河さんは笑った。「桐島ちゃんは、嘘がつけない子だねえ? よく――言われない?」

 わたしは素直に認めた。「馬鹿正直者だと……思われているとは思います」

「みんな気を遣って聞いてこないだろうけれど。みんな気づいてるよ……。ねえ、桐島ちゃん」

 彼は、わたしの注意を引き付けたうえで、

「フリーなんだったら、おれが彼氏になっていい?」

「いえ。結構です」

「はやっ!」大げさに反応する広河さんは、「や、ちょっと。もうちょっと検討しようよー。ねえねー。いいじゃーん。課長と別れたんだったらおれとつき合ったって……」

「課長以外の誰も、好きになれないんです。ごめんなさい」

「あなたの気持ちは嬉しいんですけど――ってやつか! うああ! 堪えるなあ! そういうの、一番辛いんだぜ! いいひとだけれど好きにはなれない――ううん、ああ! おれ、何度その台詞で女の子に振られたか、分っかんないぜ!」

 身もだえする広河さんに、不可思議に思ってわたしは尋ねた。「いえあの。広河さん。普通にイケメンですし、人当たりもいいから、さぞ、おモテになるんじゃ……」

「全然だよ全然!」目を見開かせた広河さんは、「おれ、こんなキャラだし! 好きな子を前にするとつい、ふざけちまって! 小学生の頃から全然変わんねえんだ! 面白いけど彼氏にはちょっと――っつわれて、いっつも振られんの! だから彼女全然出来ねえの!」

 ……へえ。職場だとばりばりのエリートっぽいのに。ひとには皆、裏の顔があるんだな……。

 課長の知られざる本性に触れていたわたしは、別段驚くこともなく、納得したのだった。

 どうやら彼はわたしに興味があるらしいので、ちょっと踏み込んだ質問をする。「でも広河さん。……女の子と遊んだりすることはあるでしょう?」

「あるけど」と緩んだネクタイを締める広河さんは、「だけど。そのとき限りの関係だぜ。……知ってる? 桐島ちゃん。きみが課長と別れたのは、本当はもっと前。……だからな、おれ、待ったの。失恋したてのときにぐらっといっちまったら、お互い後悔するだろうなーと思って。んで、三ヶ月待ったの。……ねえ、桐島ちゃん。クリスマスはおれと過ごさない? フリーなんだし。お試しっつうことで……」

「魅力的な提案ではありますがごめんなさい。……わたし、誰かを好きになったまま、ほいほい別の男に気を許すような女にはなりたく――ないんです」

「そういうところが、また、そそるんだよなあ……」

 広河さんはわたしの後方の一点を見据える。すると、なにかを企んだような顔で、わたしに近づくと、顎を持ち上げ――って、これ、なにしようとしているの。駄目。駄目……! わたしがこころとからだを許せるのは、世界にたったひとり。課長だけ――なんだから!

 わたしが広河さんを振り払おうとしたそのとき、

「……ここは会社だぞ。なにをしている――」

 懐かしい、感情を露わにしたその声が耳朶を打つ。

 涙が出そうになる。「……課長……」

 許されるならいますぐ、その胸に抱きつきたかった。いつものように――かつてのように、わたしを抱き寄せて!

 ところが、その手はわたしを攫おうとしない。いつも、高い波に追いやったその魅惑の手は。だらんと下がったまま――

「会社じゃなければ、いいんですね? おれが、桐島ちゃんに手を出しても――」

 広河さんの挑発的な発言に、どう答えるのか。わたしが固唾を飲んで見守れば、課長は、

「なにを、どうするも、桐島さんの自由だ。……もし、彼女がそれを望むなら……。しかし」

 課長は去り際に、背を向けて小さく言った。

「……そうなると、本当のおれは、寂しいと思うに……違いない」

 ……課長。

 ぽん、と広河さんに頭を叩かれた。「聞いたかいまの。……三田課長、桐島ちゃんに、未練たらたらじゃねーか。なぁ、なんで別れたの? あいつが浮気したとかDVしたとか、とんでもねえ事情じゃねえよなあ?」

「あっいえ違います!」わたしは慌てて否定した。「強いて言うなら、価値観の違いかと……」

「価値観の違いねえ」ふん、と鼻を鳴らし、去り行く課長の背を見送る広河さんは、「馬鹿だねーあいつ。好きな女が目の前で男にかっさらわれるところなのに。格好つけてる場合かよ。あいつの想いってのは所詮――その程度なんだ。

 なあ桐島ちゃん。毎日顔を合わせるあいつのことをすぐに忘れるのは無理かもしんないけど、おれとのこと。……真剣に考えてみてくんない? おれさ、いい加減いいひと卒業したいんだよねえ。誰かに、本気に惚れられる、そういう人生を送ってみたい――」

 わたしは広河さんを見つめた。角刈りのさっぱりした髪型で、人懐こい容貌で……初対面で彼に気を許す女性も多いに違いない。異性として、魅力的な存在だ。明るくて前向きで、それなりに本音も晒す。あんまり広河さんと話をしたことはなかったが、信用に足りうる人物だ。

 けれど。

「ごめんなさい」とわたしは頭を下げた。「さっき……広河さんにぶつかったときに分かっちゃったんです。……わたし、課長以外、受け付けない体質で……。

 でも、あんなに素晴らしいひとに好きになって貰えて、愛し合えた。その事実だけで十分です。

 おばあちゃんになって、ひとりになっていたとしても、わたし――幸せに生きていけます」

 わたしの発言を受けて、広河さんは、困ったように笑った。「参ったなあ……。そんなこと言われたらますます、桐島ちゃんのことが欲しくなっちゃうよ」

 *
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