19 / 103
番外編2 お兄ちゃんは絶対渡さないんだから! ――ブラコンの妹SIDE
彼の実家に帰った帰り道:彼女SIDE *
しおりを挟むがつ、がつ、と彼の肉欲がわたしを攻め立てる。
いつも十分過ぎるほどわたしが潤ってから挿れる彼にしては、性急で珍しい。
ベッドのうえの女はあえぎ、そんな彼の言動を受け入れている。
最奥を突かれるたび女のからだがバウンドする。
鏡のなかの女と目が合う。視覚的に、犯されている感じがする。こういうところの天井に鏡があることの意味を、わたしはからだで、知った。
激しいセックスを終えたあと。
身支度を整えるわたしに、彼が、言った。
「きみは、綾音がきみになにをしたのかを、おれが気づかないとでも思っているのか」
課長は、怒っている。
隠しごとをされるのが、嫌いな性格だ。
「……大したこと、ないし」とわたしはハイヒールに足を入れた。
「……綾音は、ちゃんときみに謝ったんだな。でなければ実家にUターンするつもりだが」
「……ごめんなさい、って言ってくれたよ、ちゃんと……」わたしは彼の目を見た。彼の正面に回り込み、
「わたし。分かる気がするの。綾音ちゃんの気持ち……」
「ん?」と彼は目を開く。わたしは彼の頬に触れ、
「こんなに魅力的なお兄さんがいたとして、突然現れた見も知らぬ女にかっさらわれたとしたら普通じゃいられない。頭に来るよ」
課長は、わたしの手に自分の手を重ね、
「綾音が、取り立てておれに好意を持っているとは思えないが。あくまで家族の範疇だ」
にぶいなあ、お兄ちゃんは。
わたしは彼の肉の薄い頬をつついた。
「わたし課長と出会えて変わったの。強くなったの。どんなことも乗り越えられるの。……だからいつかきっと。
綾音ちゃんにも認めてもらえるように、頑張るね……」
「莉子」課長がわたしを抱きしめる。
のみならず……。
「ん、課長、駄目ですってば」濃厚な接吻をわたしに与える。これをされるとわたしは腰砕けになってしまう。「もう服、着ちゃいましたから」
「脱げよ莉子。おれは、怒っている。
おまえひとりに背負わせていることを、怒っている」言いながら手早く課長はわたしを脱がせる。いつもながら器用だ。
「焦る、ことなんか、ないですよ、課長……んっ」ぎゅうっと乳房を掴まれた。
「これ、弱いんだよな」と課長は笑い、自分のワイシャツに手をかける。
さきにわたしを全裸にしたあとベッドに乗せ。
はだかになった課長が、わたしに覆いかぶさり
わたしの、中心に、入ってくる。彼と出会って初めて。
受け入れる喜びを知った。
性の悦びを知った。愛されることの意味を知った。
与えられたすべてを返してあげたい。
今日の課長は、やたら激しい。それでも順応するわたしのからだ。場所が場所ということもあり、声に遠慮などしなかった。すると課長は。
いったん引き抜くと、わたしを反転させ、腰を支え、おしりを突き出す体勢にさせる。
わたしの最も熱いところが、ひく、ひく、と失った彼を求め、震えている。
課長の強い、視線を感じればなおのこと。
「すげえ、濡れてる」
「言わ、ないで……」わたしは枕に顔をうずめた。
つう、と愛液が内腿を伝う。
課長に見られているということが、間違いなくわたしの感覚を引き出させている。
「舌がいい、それとも……どっちだ」
「課長が、……欲しいです」素直に正直な気持ちをいったのに。
課長は、わたしを思いっきり両手で開かせると、顔を突っ込んだ。
やわらかくてぬめぬめとしたところにざりざりとした感触。あまりの恍惚。自分を見失いそうになる……。
わたしは枕を噛み、耐えた。それでも彼の愛撫が止まるはずなどもなく。
限界まで、連れて行く。
「課長。わたし、もう、あ。あ」短い叫びとともにわたしは達した。
腰の後ろから背骨を電流が突き抜ける感触。自然と涙が頬をつたい課長が、それを拭ってくれた。直後。
彼は、彼自身を、わたしのなかにぐっと押し込めた。いまだ絶頂のさなかにあるわたしには、酷な行動だった。だが、からだは悦びとともに彼を受け入れる。
ぐったりとしたわたしの胸に手を回し上体を起こす。そうすると、課長を受け入れたまま密着する体勢となり荒ぶる彼の鼓動を背中に。呼吸音を耳の後ろに。熱い欲望を両の乳房に感じられる。
くい、と彼はわたしの顎に手をかけわたしの口内をもてあそぶ。彼は強弱をつけてわたしの二つの内側を攻める。強くするたび、わたしの内壁は躍動し。さらなる高みへと二人を、追いやる。
課長の熱いものに串刺しされている感覚が、わたしの被虐趣味を駆り立てる。
ある程度のところまで行くと。課長はわたしのからだを倒し無我夢中で追い求める。わたしもそれに、従った。といっても。
顔を横に向け、必死に叫ぶだけだけれど。
わたしはまたも達した。続けて課長が達すると、
「……莉子。おれ、もう、……おまえから、離れられない」
唇に、キスを与えた。
*
0
お気に入りに追加
1,205
あなたにおすすめの小説
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。

包んで、重ねて ~歳の差夫婦の極甘新婚生活~
吉沢 月見
恋愛
ひたすら妻を溺愛する夫は50歳の仕事人間の服飾デザイナー、新妻は23歳元モデル。
結婚をして、毎日一緒にいるから、君を愛して君に愛されることが本当に嬉しい。
何もできない妻に料理を教え、君からは愛を教わる。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
シンデレラは王子様と離婚することになりました。
及川 桜
恋愛
シンデレラは王子様と結婚して幸せになり・・・
なりませんでした!!
【現代版 シンデレラストーリー】
貧乏OLは、ひょんなことから会社の社長と出会い結婚することになりました。
はたから見れば、王子様に見初められたシンデレラストーリー。
しかしながら、その実態は?
離婚前提の結婚生活。
果たして、シンデレラは無事に王子様と離婚できるのでしょうか。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
契約結婚のはずなのに、冷徹なはずのエリート上司が甘く迫ってくるんですが!? ~結婚願望ゼロの私が、なぜか愛されすぎて逃げられません~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
恋愛
「俺と結婚しろ」
突然のプロポーズ――いや、契約結婚の提案だった。
冷静沈着で完璧主義、社内でも一目置かれるエリート課長・九条玲司。そんな彼と私は、ただの上司と部下。恋愛感情なんて一切ない……はずだった。
仕事一筋で恋愛に興味なし。過去の傷から、結婚なんて煩わしいものだと決めつけていた私。なのに、九条課長が提示した「条件」に耳を傾けるうちに、その提案が単なる取引とは思えなくなっていく。
「お前を、誰にも渡すつもりはない」
冷たい声で言われたその言葉が、胸をざわつかせる。
これは合理的な選択? それとも、避けられない運命の始まり?
割り切ったはずの契約は、次第に二人の境界線を曖昧にし、心を絡め取っていく――。
不器用なエリート上司と、恋を信じられない女。
これは、"ありえないはずの結婚"から始まる、予測不能なラブストーリー。
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる