婚活百人目のロマンス

美凪ましろ

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#Job01.婚活潰し

#J01-22.美女と性交 *

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「ああ……ああ、あぁんっ……」
 絶え間ない喘ぎが彼女の喉元からこぼれる。浴衣を乱され、きつく胸の頂きを吸われ、恍惚のなかで酔いしれる。「みや、まぁ……ああ、んっ……」
 彼が指を舌を駆使するほどに、彼女のなかで欲望が燃え盛っていく。その勢いは留まるところを知らない。まるで性を覚えたての少年のように、彼女を狂わせていく。美山の愛撫で愛されるこのからだはとうとう、これだけで到達するからだになってしまった。エクスタシーのなかで彼女は涙を流す。
「えっちな恋奈」濡れた彼女の頬に口づけ、「なんて顔していくのあなた。すっごい、えっち……」
「んんぅ」今度は唇が塞がれる。到達の余波も冷めやらぬなかで、口内を探られ、彼女は淫らに揺れる。キスされながらも必死に喘ぎ、また敏感な乳房を探られる。すっぽりと彼の大きな手のひらが浴衣の下に滑り込み、そこが定位置だといわんばかりに彼女を愛しこむ。――もう、崩れそうだ。わけが分からない。立て続けに何度もいかされ、自分が見えなくなる。その彼女の変化を知ってか、今度は大きく彼女の前をはだけさせた美山が、下から彼女の豊満な乳房を両手で持ち上げ、きつく――激しく、吸い付く。見えやすいようにとご丁寧にも彼女の頭の下には枕が添えられ、必然、彼女は美山の丹念なる愛撫を見届けるかたちとなる。確かめるまでもない、彼女の秘所はどろどろだ。
「ああ、みや、まぁ……わたし、わたし……ああっ……」
 からだを激しく揺らす彼女の髪を美山が撫でる。「また……いっちゃった? えっちな恋奈先生……ねえこっちも触って欲しい?」
 するりと、股の間に触れられ、彼女は涙した。「やぁっ……あっ、あっ……」
「敏感だなー恋奈先生」笑う余裕が残されている美山がなんだか憎らしい。「すごい……恋奈先生のあそこ、どうなってんの? ねえ嗅がせて……」
「やっ……」美山は大きく彼女の足を広げさせるとその中心に顔を突っ込んだ。「だめ……そんなとこ」
「あまい……かおりがする。たまんないね……」
 熱い美山の息を吹きかけられるだけでたまらない気持ちになる。なのに、美山の行為は加速していく。「ああ……パンティがぐっちょりだ……可哀想だからね、脱がしてあげる……」
 抵抗するのは簡単だろうに。彼女は美山が脱がせやすいように脱がせてやる。理由は簡単だ。それ以上の快楽を彼女が求めているからにほかならない。足首にパンティを引っ掛けさせた美山は、彼女の足首から舐めあげていく。じっとりと。ゆっくりと。内腿に辿り着くと彼は繊細なタッチで彼女を刺激する。口づけ、舐めて、きつく吸い上げて、彼女の快楽を誘発する。
「みや、まぁ……」彼女は美山の太い首に手を添えた。「や……なんかだめ、おかしく……なっちゃう……」
 じれじれとした愛撫は美山の意図が織り成すもの。より感じやすく、より高みに上り詰めさせる意図あってのものである。留守だったはずの片方の手はすりすりと彼女の内腿を刺激し、ますます彼女をたまらない気持ちにさせる。「やぁ……だめ、美山ぁ……」
 するととうとう美山は彼女の両の膝に手をかけ、ぐっと上方に押し上げる。秘部を男に見せつけるかたち……その姿勢のいやらしさに、羞恥と欲望が燃え上がる。じっくり、ねっとり見つめられるだけで彼女は、濡れた。
「すごい、……とろっとろ……恋奈先生のここ……びくびくしてる」
「言わ、ない、でぇ……」
 熱い息を吹き込まれ、彼女は高い声をあげた。その反応に美山が、
「可愛い恋奈先生……ねえ、ここ、どうして欲しいの? 言わないとぼく――可愛がってやんないよ?」
「――あ。あ。ああ……っ」見つめられるだけで。言葉責めにされるだけで。どうしてここはこんなに熱くなってしまうのか。男の肉棒が欲しい肉欲へと変化させられるのか。どうしようもない。女の摂理。――美山のばかばか。意地悪。……といくら頭のなかで罵倒する言葉が続こうとも、本能だけは正直で。泣きながら彼女は訴えた。「――もう、無理。わたしのなかをめちゃめちゃにかきまわして。美山のペニスが欲しいの。お願い……」
「やだねー」熱い息を再び吹き込む美山が次に選んだ行動は。「恋奈先生がクンニ好きなの、ぼく知ってるもん。夜は長いんだから……せっかくだから、いきっぱなしでわけわかんなく、してあげる」
 待ち望んでいた快楽が恋奈の身に次の瞬間、訪れた。

 浴衣はとっくに脱がされ、背後から胸を揉まれる。この展開にも彼女は弱い。四つん這いという淫らな姿勢が、彼女を煽るのだ。そのことを知る美山の手は忠実に動く。彼女のすっかり熟れた果実のような乳房を揉みしだき、また、乳首への愛撫も忘れない。――見えないのがまた煽る。美山もはだかだ。彼の熱い肉棒を臀部に当てられつつ、乳房への執拗なる愛撫を受け、彼女にはもうわけが分からない。四肢を支えるだけで――やっとだ。だが、ある段階に突入すると彼女のからだは崩れる。すると美山は彼女のからだを反転させ、今度は前方から彼女を――愛しこむ。胸の頂きを舐められると彼女はたまらない気持ちになる。自分では絶対に味わうことのない快楽――そこに押し込められ、ますます美山のことが欲しくなる。
「欲しい、よぅ……」彼女は涙ながらに訴えた。「もう……我慢出来ない。美山が……美山が、欲しい……」
 数え切れぬほどの絶頂に導かれ、それでも彼女は美山を欲した。「……分かった」と言う彼が取りに行き、装着する気配。そんなものなくてもいいのに、と彼女は思った。だが醒めたほうの彼女が認めていた。それは彼なりの思いやりなのだと。
 足を広げられ、とうとう、美山が恋奈のなかに入ってくる。二十年ぶりの感触。やわらかく潤ったそこに男という未知の生物を受け入れるという尊い作業の中で、彼女は自分から足を開いた。「みや、まぁ……」
 すっかり男を受け入れる準備の整ったそこはなんなく美山を受け入れた。それにしてもこの圧迫感。太さ。やはり、指でするのとは段違いの質量だ。彼女は美山の汗ばんだ背に手を添え、よりぴったりと一体となる。彼女の隠し持つ最奥に到達すると、美山が恋奈に口づけた。――愛している、と。
「恋奈さんのなか……すごくあったかい。海みたいだ……」
「美山ぁ……」彼女は自分から口づけた。自分の中心を愛でくし刺しにされる感覚。魅惑の魔法にかけられたみたいだ……幸せという一言で片づけられないくらいの幸せが恋奈の胸を満たす。「美山ぁ……大好き」
「……七夕まで我慢しようって思ってたのに。ちぇ。……恋奈さんが可愛すぎるからいけないんだ……もう。どうしてこんなにぼくを煽るの……。感じやすい恋奈が可愛すぎてもう、どうしようもない……」
「――美山も十分可愛いけど?」などと彼女が言ってみると、ふぅん? と美山は鼻を鳴らし、
「――教えてあげる恋奈先生。ぼくが持つのは……従順な生徒の仮面だけじゃないってこと。激しいぼくも――見せてあげる」
 男は常に、有限実行。宣言通り、美山の手腕に酔いしれ、立て続けに到達することの悦びを味わった彼女であった。

「あぁ……ん。美山ぁ……美山ぁ……っ!」
 激しい腰遣いに身を委ねる。昨晩はあれから一晩中、燃え上がる炎のように互いを求め、熱海を離れてからも、然るべき施設に立ち寄り、肌を貪るふたりである。頭のなかがスパークしてなにも考えられない。自分が性の怪物になったかのようだった。こんなに激しいセックスを――彼女は知らなかった。
 淫らな声。露わな自分。こんな自分を、いままでに恋奈は見たことがなかった。引き出すのはほかの誰でもない、美山だから――安心して委ねられる。あまい、激しい情交を重ねたのちに、美山が恋奈に覆いかぶさった。その重みを感じながら恋奈は、
「……幸せ。美山……」
「いけね」と彼がなにか思いだしたかのように言う。「一晩中腕をシビれさすの忘れてた。ごめん。また今度……」
「そんなのいいのに」と彼女は笑った。「完璧主義者なのね美山。わたしもう、満足よ……」
「いやいやお姫様の願望はすべて叶えて差し上げないと。恋奈はぼくの――お姫様だから」
「んもう……」はだかの彼にからだを委ね、恋奈はあたたかさを感じた。――そう、彼とだったらどんな困難も乗り越えられる。ふたりは分かり合ったはずであった。本当のセックスを通じて。――だが。あのときの美山の決断がどんな新たなる困難をおびき寄せることになるのか、このときの彼らは知らない。知らない彼らはただ、大切なあなたに会えたという奇跡を味わう、恋を覚えたての無垢な少年少女そのものであった。

 *
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