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番外編 天使のわがまま
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ミシャは最近悩みがあった。それも、誰にもいえない悩みだ。
カイと城に戻り、晴れて二人は結ばれた、が…
ミシャはかつて与えられた部屋で過ごしているし、カイとは以前のように食事の時にしか会えない。
(恋人なのに……寝室も別だし…)
カイはミシャに啄むようなキスしかしない。
もちろん、それだけでミシャは幸せで一杯になる。でも、でもだ。
夜になるたび身体が疼く。
(カイ様のせいでこうなったのに、どうして抱いてくれないの…?)
ずいぶんはしたないことを考えているのは分かっている。
でも、熱を発散する術を知らないミシャにとってうっすら残る荒淫の記憶は毒だ。
だから、その日の夕食、ミシャは恥じらいをかなぐり捨ててカイに言った。
「今夜、カイ様のお部屋に行っても良いですか?」
「っ…」
からん、とカイが手に持っていた銀器を落とし、後ろで奉仕していたメイドが食器を落として割った。
「良い…に決まっている」
「はい…」
それから、ミシャは顔を真っ赤にしてまともに食事も味わえなかった。
気まずいような居た堪れない雰囲気が流れる。
そそくさと食事を済ませて、ミシャは自室に戻った。入浴して身体を清める。
カイは夕食後も仕事がある。
でも、今行かないともう勇気が出ないと思って、ミシャは入浴を終えた後すぐにカイの部屋に向かった。
ミシャの予想に反して部屋のなかにカイはいた。
「お、お仕事…は、」
「皆に止められた…今日は、早く戻った方がいいと。俺も、そうしたかったから」
かぁ、とミシャの顔が赤くなるのを見てカイもはにかむ。
「その…これは、そういうことでいいんだよな?」
「…はい」
消え入るような声でミシャは言う。
「朝まで離せないかもしれない。ずっと、お前を抱きたかったから」
「…なら、そう言ってくれれば良かったのに…」
そうすればこんな恥ずかしい思いもせずに済んだ。
心底恥ずかしそうなミシャを見るだけで、カイは幸せになってしまう。
「…ん」
ミシャの小さな唇に触れる。
いつもよりも深く、口の中まで端正に愛す。
「ふぁ、あ…」
ミシャの可愛い鳴き声に、自信が昂っていくのを感じた。
「すまない、本当に、加減できない」
カイは早急にミシャをベッドに運んで押したおした。
「…加減なんて、しないで」
ミシャがこの言葉を後悔することになるのは言うまでもない。
翌日、ミシャがかつてのようにカイを甘ったるい声で『カイ』と呼ぶのを聞いてカミュはなんとも言えない顔になったのだった。
カイと城に戻り、晴れて二人は結ばれた、が…
ミシャはかつて与えられた部屋で過ごしているし、カイとは以前のように食事の時にしか会えない。
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もちろん、それだけでミシャは幸せで一杯になる。でも、でもだ。
夜になるたび身体が疼く。
(カイ様のせいでこうなったのに、どうして抱いてくれないの…?)
ずいぶんはしたないことを考えているのは分かっている。
でも、熱を発散する術を知らないミシャにとってうっすら残る荒淫の記憶は毒だ。
だから、その日の夕食、ミシャは恥じらいをかなぐり捨ててカイに言った。
「今夜、カイ様のお部屋に行っても良いですか?」
「っ…」
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「良い…に決まっている」
「はい…」
それから、ミシャは顔を真っ赤にしてまともに食事も味わえなかった。
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でも、今行かないともう勇気が出ないと思って、ミシャは入浴を終えた後すぐにカイの部屋に向かった。
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「お、お仕事…は、」
「皆に止められた…今日は、早く戻った方がいいと。俺も、そうしたかったから」
かぁ、とミシャの顔が赤くなるのを見てカイもはにかむ。
「その…これは、そういうことでいいんだよな?」
「…はい」
消え入るような声でミシャは言う。
「朝まで離せないかもしれない。ずっと、お前を抱きたかったから」
「…なら、そう言ってくれれば良かったのに…」
そうすればこんな恥ずかしい思いもせずに済んだ。
心底恥ずかしそうなミシャを見るだけで、カイは幸せになってしまう。
「…ん」
ミシャの小さな唇に触れる。
いつもよりも深く、口の中まで端正に愛す。
「ふぁ、あ…」
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「すまない、本当に、加減できない」
カイは早急にミシャをベッドに運んで押したおした。
「…加減なんて、しないで」
ミシャがこの言葉を後悔することになるのは言うまでもない。
翌日、ミシャがかつてのようにカイを甘ったるい声で『カイ』と呼ぶのを聞いてカミュはなんとも言えない顔になったのだった。
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