忌子は敵国の王に愛される

かとらり。

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二十四話 王の御乱心

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「っひ…あぅ…やぁああ」

 ミシャはひっきりなしに甘い嬌声をあげていた。

 怒りに燃えたカイはミシャの服を破り捨て、あの時のようにミシャの体を暴いた。
 でも、前に使われたあのむず痒い薬は使われていない。

 だから、激しくナカをかき混ぜる肉棒に感じてしまうのは薬のせいでもなく、ミシャがそういう身体だからなのだ。
 ミシャはそれがどうしようもなく恥ずかしかった。

「ん、んっ…もう、だめぇ」

 ぴゅ、と力なくミシャの先端から精液が漏れた。
 甘やかに身体を溶かされていく間に2回、挿れられてから1回イっていたので、もうほとんど残っていなかった。

 快楽で頭が溶けそうだった。

 ミシャがイったことにお構いなしでカイは動き続ける。

「んんっ、やだっ…あぁぁ、そこ、だめ」
「ミシャ…俺の天使…なんて綺麗で淫らなんだ」

 カイが低くて甘い声でミシャに囁く。その声だけでイってしまいそうだ。

 そのままカイはミシャの耳朶をいやらしく舐めた。

「んぅ…」
「はぁ…天使の身体はどこも柔らかくて甘いな…」

 アマルティナからゼルトリアに来るまでまともに入浴していない。

 だから、せめて身体を清めさせて欲しいと懇願したのに、カイはあろうことがミシャの身体中舐め始めたのだ。
 天使の全てを味わいたいのだと言ってー…

 恥ずかしいのと、汚いからやめて欲しいのとで、ミシャが必死に抵抗したらまた手足を切ると脅された。

「うぅ~…や」

 この身体は隅々までカイに味わわれてしまった。そのことをまた思い出してミシャは身悶えた。

「赤子みたいにごねても可愛いだけだ」

 カイはそう言って笑ったが、ミシャの頭はもうぐちゃぐちゃでどうしてカイが笑っているのかもわからない。

 ミシャがカイの笑みを見つめていると、カイはミシャにキスをしてきて、また激しくミシャを揺さぶった。

「ん、んん!っ…ぁ、ふぁ」

 ミシャの華奢な身体はカイの意のままに動かされてしまう。
 手足なんか切らなくても、ミシャはカイの言いなりなのだ。

「あぁ…俺の天使…もう二度と、俺の前からいなくならないでくれ」

 カイが泣きそうな声でそう言った。

「あっ…う、むり、むりなのぉ…あ、うぅ」

 でも、快楽に浮かれるミシャは気付かない。

「っ…ミシャ、俺の愛する天使…」

 カイがミシャの中に熱い飛沫を散らした。
 それと同時にミシャも果てる。

 ミシャはこれで4回目、カイは1回目だった。
 カイが満足するまでに、ミシャは一体何回イかされるのか。

 出すものには限りがある。
 いまは力なくでも精液が出てくるが、それも無くなってしまったら、ミシャはどうなってしまうのだろう…?

「あっ…」

 出してもなお萎えないカイのものが再び動き始める。

 気絶してしまいたいほどの快感が、ミシャが気絶するのを拒む。

 身体が壊れるのが先か、頭が壊れるのが先か。

 恐ろしく思いながらもミシャはカイの背中に爪を立てて必死に快楽に耐えた
 
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