寡黙なオオカミαにストーカー気質のネコΩが嫁いだ話

かとらり。

文字の大きさ
上 下
14 / 28

猫ちゃんふるえる

しおりを挟む
「…俺とキスをするのは嫌か?」
「嫌じゃないです…むしろ、その…身に余る光栄っていうか…」
「じゃあ、それ以上のことは?」

 慶斗が澪胸元に手を忍びこませる。

「あっ…」
「お前の嫌がることはしたくない」
「いやじゃない、ですけどっ…」
「けど?」

 ぴた、と慶斗が澪の体を弄る不埒な手を止めた。

「困るんです…」

 澪は顔を真っ赤にして消え入るような声でそう言った。

「慶斗さんとこうして話すことすら、僕にとって信じられないくらいすごいことなのに、こんなことするなんて…よくわかりません」
「わからない?」
「幸せを超え過ぎてて、わかんないんです」

 真っ赤なほおに手を当て恥じらう澪を見て、慶斗は心底可愛いと思った。

「なら、分からなくてもいい。ただ気持ちいいことだけを考えろ」
「ん、あぅ」

 慶斗の手つきは優しい。
 澪は慣れない快楽に震えながらもなんとか受け止めようとした。

「お前は可愛いな」
「へぁ…」

 慶斗が澪のミミを甘噛みする。
 そしてミミの内側をいやらしく舐め上げながら、忙しなく揺れる尻尾を優しく掴んだ。

 そのまま尻尾をたどる手は尻尾の根元まで行き着く。

「ここが気持ちいいんだろう」
「ん、やぁあ」

 慶斗が尻尾の根元をポンポンとたたく。
 ただそれだけなのにとてつもない快感が澪を襲う。

「うにゃあ、あ…けいとさん、だめ…そこ、やだぁ」
「だめか?」
「ひぅ、そこも、やぁ」

 慶斗が澪のうなじを舐め上げた。
 うなじはΩの急所であると同時に性感帯だ。

 尻尾の根元とうなじ、両方責め立てられたせいで澪のものはだらだらと先走りを出して今にも爆発してしまいそうになっていた。

「ん、あぁ…っ…いっちゃう」
「まだだめだ」
「なんでっ…」
「今日は発情期じゃないだろう。なんども射精はできない」

 慶斗は澪の根元を人差し指と親指できゅっと締め付けた。

「うぅ…」
「挿れるまで我慢だ」

 そう言って澪の後ろに指を入れ込む。

 中に指を入れられる感覚はまだ慣れない。

「ひ、う…」
「力を抜け」
「はい」

 澪はゆっくり息を吐いた。

「ん、はぅ…」
「もう大丈夫か…」

 しばらく中をいじった後、慶斗は澪の中から指を引き抜いた。

「けいとさん…」
「澪、挿れるぞ」
「ふ、んぁあ!」

 大きい、慶斗のものが入り込んでくる。
 正常位ですると、澪の小さい体は慶斗にすっぽりと包み込まれてしまう。

 約束通り慶斗は澪の根元を掴んでいた手を離した。

「けいと、さん…う」

 澪が慶斗の首に腕を巻きつけると答えるようにキスをしてくれる。

「ん、ふぅ…あ」

 ゆっくりと始まった腰の動きに、澪は身悶える。

「澪…気持ちいいか?」
「あ、う…き、きもち、いいです…やぁ」
 
 慶斗はさらけだされた澪の首に噛み付いた。

「っふぁあ!」

 発情期ではないから番契約が結ばれるわけではない。
 だけど、身体が痺れるような快感に澪は達してしまった。

 収斂する澪の中に持っていかれたのか、慶斗も続くように達した。



 その夜は慶斗が中に3回出すまで続いた。
 妊娠をするわけでもない発情期以外の性行為に、慶斗はちゃんと澪にも欲情してくれているのだと、澪はほっとしたけど、あまりの激しさに気が遠くなるような気もした。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

白銀オメガに草原で愛を

phyr
BL
草原の国ヨラガンのユクガは、攻め落とした城の隠し部屋で美しいオメガの子どもを見つけた。 己の年も、名前も、昼と夜の区別も知らずに生きてきたらしい彼を置いていけず、連れ帰ってともに暮らすことになる。 「私は、ユクガ様のお嫁さんになりたいです」 「ヒートが来るようになったとき、まだお前にその気があったらな」 キアラと名づけた少年と暮らすうちにユクガにも情が芽生えるが、キアラには自分も知らない大きな秘密があって……。 無意識溺愛系アルファ×一途で健気なオメガ ※このお話はムーンライトノベルズ様にも掲載しています

運命のつがいと初恋

鈴本ちか
BL
三田村陽向は幼稚園で働いていたのだが、Ωであることで園に負担をかけてしまい退職を決意する。今後を考えているとき、中学の同級生と再会して……

もし、運命の番になれたのなら。

天井つむぎ
BL
春。守谷 奏斗(‪α‬)に振られ、精神的なショックで声を失った遊佐 水樹(Ω)は一年振りに高校三年生になった。 まだ奏斗に想いを寄せている水樹の前に現れたのは、守谷 彼方という転校生だ。優しい性格と笑顔を絶やさないところ以外は奏斗とそっくりの彼方から「友達になってくれるかな?」とお願いされる水樹。 水樹は奏斗にはされたことのない優しさを彼方からたくさんもらい、初めてで温かい友情関係に戸惑いが隠せない。 そんなある日、水樹の十九の誕生日がやってきて──。

君と運命になっていく

やらぎはら響
BL
母親から冷遇されている町田伊織(まちだいおり)は病気だから薬を欠かさず飲むことを厳命されていた。 ある日倒れて伊織はオメガであり今まで飲むように言われていたのは強い抑制剤だと教えられる。 体調を整えるためにも世界バース保護機関にアルファとのマッチングをするよう言われてしまった。 マッチング相手は外国人のリルトで、大きくて大人の男なのに何だか子犬のように可愛く見えてしまい絆されていく。

両片思いのI LOVE YOU

大波小波
BL
 相沢 瑠衣(あいざわ るい)は、18歳のオメガ少年だ。  両親に家を追い出され、バイトを掛け持ちしながら毎日を何とか暮らしている。  そんなある日、大学生のアルファ青年・楠 寿士(くすのき ひさし)と出会う。  洋菓子店でミニスカサンタのコスプレで頑張っていた瑠衣から、売れ残りのクリスマスケーキを全部買ってくれた寿士。  お礼に彼のマンションまでケーキを運ぶ瑠衣だが、そのまま寿士と関係を持ってしまった。  富豪の御曹司である寿士は、一ヶ月100万円で愛人にならないか、と瑠衣に持ち掛ける。  少々性格に難ありの寿士なのだが、金銭に苦労している瑠衣は、ついつい応じてしまった……。

君はアルファじゃなくて《高校生、バスケ部の二人》

市川パナ
BL
高校の入学式。いつも要領のいいα性のナオキは、整った容姿の男子生徒に意識を奪われた。恐らく彼もα性なのだろう。 男子も女子も熱い眼差しを彼に注いだり、自分たちにファンクラブができたりするけれど、彼の一番になりたい。 (旧タイトル『アルファのはずの彼は、オメガみたいな匂いがする』です。)全4話です。

欠陥αは運命を追う

豆ちよこ
BL
「宗次さんから番の匂いがします」 従兄弟の番からそう言われたアルファの宝条宗次は、全く心当たりの無いその言葉に微かな期待を抱く。忘れ去られた記憶の中に、自分の求める運命の人がいるかもしれないーー。 けれどその匂いは日に日に薄れていく。早く探し出さないと二度と会えなくなってしまう。匂いが消える時…それは、番の命が尽きる時。 ※自己解釈・自己設定有り ※R指定はほぼ無し ※アルファ(攻め)視点

アルファのアイツが勃起不全だって言ったの誰だよ!?

モト
BL
中学の頃から一緒のアルファが勃起不全だと噂が流れた。おいおい。それって本当かよ。あんな完璧なアルファが勃起不全とかありえねぇって。 平凡モブのオメガが油断して美味しくいただかれる話。ラブコメ。 ムーンライトノベルズにも掲載しております。

処理中です...